方向音痴と体内磁石
私は方向音痴だ。初めての場所に行くと大抵迷う。たとえ目的地にたどり着いても戻ってこれない。まだ街を歩くときはましで、一番だめなのはどこかの店に入り、食事などをして店から出たとき駅の方角がわからなくなる。何度か来ている店でも毎回そうなので、いつも同行者に笑われる。
そのくせ昔からひとり旅が好きだった。そこでは地図片手に慎重に歩くし、土地の人に聞きまくって歩いていくからめったに迷わない。迷ったところで計画的な旅をしていないから焦らないし、回り道を楽しんだりできる心の余裕もある。・・・電車に乗り遅れたこととかは何度かあったけど・・・
人は街を歩くとき、道や街にある目印の入ったイメージ図「認知地図」を頭に描く。認知地図には自分を基点に地上で前後左右を手がかりにするルート地図型と、東西南北の方位などを基点に空から見下ろす鳥瞰(ちょうかん)図型の2種類がある。ルート型の人は交差点の曲がり方を一度間違うと、修正が利かず迷いやすい。方向音痴の人は、鳥瞰図的な街のイメージを頭に描けていない可能性があるという。(NTTマイクロシステムインテグレーション研究所の新垣紀子主任研究員の話より)
方向音痴には、認識地図を描けるかどうか以外にも他のことも影響しているとのこと。要するに道を覚えるコツを知っているか、意識しているかという問題のようだ。
また、人間の体内には、方位磁針(方位磁石)があるらしい。体内磁石が働いていれば、こっちに曲がれば海に出るとか、西はこっちだってわかる・・・ものらしい。
体内磁石に興味を持っていろいろ検索していたら、山田ズーニーという人の(何者?)小論文に出会った。
“あなたには、「だれが何と言おうと美しい」みたいな、自分の絶対的なモノサシってありますか?”
社会や人を基準にするんじゃなくて、自分の体内磁石のようなものが、何を美しいとし何をイヤだと言っているのか、それに耳を傾けること。そうして得たモノサシが「絶対価値」と呼ばれるもので、自分の体内磁石が機能しないため「絶対価値」を持たない人は、「まわりはどうか?どれが有利か?」みたいに状況によってぐるぐる意見が変わったり、甲羅で固めたカニみたいに人の意見を受け付けない。
“自分だけの独特の世界や、基準をもっていて、だからふるまいがかろやかで、周囲に落ち着きを与えられる人があなたのまわりにはいますか?”と問いかけている。
まわりにいるよ。自分の価値観で意見が言える人、でも人の意見も聞ける人。それは年齢や環境じゃないな、生きるセンスみたいなのを感じてしまう。
体内磁石は自分で育てていかないといけないらしい。
「方向音痴だから」って笑ってごまかしてる場合じゃないな。
Rinko
<今日のBGM> 生活/syrup16g
コメント プレイバック
体内磁石の話、おもしろいね。それにすごく興味注がれるよ。この話私の知ってる人に是非よませてあげたいなあ。その人は、とにかく自分の殻にしがみついているんだよね。もっと視野を広げて色々な事をみてほしい。人間的にはすごくおもしろい人で、友達も多いのに、なんで仕事になるとちじこまるんだろうね?
Posted by tomichan at 2005年02月28日 22:09