星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 赤い花

大好きな漫画のひとつに『家栽の人』がある。
家庭裁判所で働く桑田判事が主人公。主に少年犯罪や家族間のもめごとを取り上げているが、人を「裁く」のではなく人を「育てる」という意味で、タイトルも「家」ではなく「家」である。
 
事件の加害者や被害者との出会い、審判を通して人の心の奥深さや強さを教えられた。たくさんのエピソードがあるが、特に印象に残っているのが、第10巻の『CASE1:ゴデチア』だ。
 
 
両親が離婚調停中の14歳の少女の話で、両親ともが少女を引き取りたくない、ともめているのだ。離婚後の新しい生活のために一人娘を相手に押し付けようとしている。そんな中で、荒れる少女に向かって桑田判事が言った言葉。
 
 
「君はどっちになりたいですか?
赤い花に慰められる人と
慰める赤い花と・・・」
 
 
少女は赤い花になることを決めた。
15歳になったら自分で養子縁組ができることを知り、誕生日を待って叔母夫婦の養子にしてもらうよう頼み込みこんだ。アルバイトをしながら高校に通い、18歳になったら自立する道を選んで両親と決別したんだ。
 
 
家栽の人』にはそういう話がたくさんある。実際自分が子育てをして焦っているときに、思い出して心が軽くなった言葉もある。
「漫画なんて」と思っている人にぜひ読んでほしいな。
 
 

ゴデチア3

 赤い花は憂鬱を晴らす効果もあるらしい。

 

天気もいいし、今日は花でも買いにいこうか。

 

 

<今日のBGM> ホリディ/BUMP OF CHICKEN

家栽の人』:毛利甚八 作/魚戸おさむ 画 小学館

写真:HP 「東の荒野」 よりゴデチア  http://www.ee.em-net.ne.jp/~folium/

 



コメント プレイバック

1.人を「裁く」のではなく人を「育てる」という意味で、タイトルも「家裁」ではなく「家栽」である。
そうだったんだ! 気付きませんでした!
個人的に、桑田判事の奥さんが一度も登場しないまま終わってしまったことが残念でした。どんな人なのか知りたかったです。
Posted by ねじす at 2005年03月26日 18:25


2.ねじすさん、ようこそです。
桑田さんの奥さん!そういえば1度もお目にかかったことないですね。息子さんは後半登場してたけど。あまり丈夫そうな奥さんじゃないような会話がどこかであったような気がします。謎の女性です。
Posted by Rinko at 2005年03月26日 21:38