生きてゆく力が その手にあるうちは

小学校高学年の頃から視力が落ち始め、今ではメガネとコンタクトが手放せない。

コンタクトが一番よく見えるけど、それだけじゃあ不安。特に深夜勤のときにコンタクトを入れると眼が悲鳴をあげているのがわかる。

だからメガネも大事なんだけど、手入れが悪いからすぐにレンズに傷がつく。

 

見えにくくなるほどレンズに傷がついてしまって、とうとう買い換えるはめになった。

メガネってびっくりするほど値段が高い。つらいな〜。

 

行きつけの（？）メガネ屋さんに行って視力測定。

「最近本を読んでたら頭が痛くなるんです」と言うと

「もうキてますね」って。だから嫌だったんだ、ここに来るの。

何がって？聞かないでちょーだい！

 

 

 

その帰り道、駅の近くのスーパーで買い物をして、いつものように陸橋の上から線路を見る。ちょうど線路の上をまたぐように橋がかかっていて、その上からぼんやり線路や電車を見るのが好きで、そこを通るたびに橋の上で必ず立ち止まってしまう。

 

小さい子どもを連れたお母さんも同じように線路を見ている。子どもって絶対に、電車がやってくると「バイバイ！」って手を振るんだよね。そんな光景を見るのも好きだ。

 

 

 

なんの変哲もない古い橋なんだけど、線路の上にかかる虹みたいだ。

 

 

 

ああ、どこかに行きたいな。

 

 

 

 

 

 

同じマンションに眼の見えないＭさんという女の人が住んでおられる。私と同世代で、ご主人と二人暮らし。引っ越して来られたときに、“盲導犬と一緒に生活されますので、みなさまご理解ください”という内容の自治会からのお知らせが配られた。

 

 

子どもが修学旅行に行く朝、学校まで見送りに行って帰ってくる途中に、Ｍさんが盲導犬を連れて歩いているのをみかけた。ちょうど大きな交差点で信号待ちをされていた。

 

 

犬が慣れていないのか、Ｍさんが慣れていないのか、傍目に見ると危なっかしい感じがした。まだ赤信号なのに渡ってしまいそうで、何か声をかけなくちゃと思いその人に近づいていったが、そばまで行って一瞬躊躇した。

“いきなり後ろから声をかけたら危ないかな。なんて切り出そう。かえって迷惑かな・・・”

 

 

すると私の気配を感じたのかＭさんが少し振り向いて、

「おはようございます。○○マンションの方ですか？」

と明るい声で挨拶をされた。私も挨拶を返して自己紹介をし、一緒にマンションに向かった。

 

 

Ｍさんは最近視力を失い、今回初めて盲導犬を飼ったこと、犬も自分も初心者のためまだ息が合わず、こうやって早朝に散歩がてら練習していること、「だからよく転んじゃうの」と笑って話された。

 

 

マンションに着いて彼女と別れてから、私は心の中で“ごめんなさい”って思った。

素直に声をかければよかった、私が一瞬ためらったことがきっと伝わっただろうな。

 

 

数日後にはＭさんのご主人が、３つあるエレベーターの階を押すボタンに、点字のシールを貼っておられた。奥さんが外出するときに困らないようにとのことだろう。

お二人はとても仲のいいご夫婦で、休みの日によく一緒に外出されるのに出会う。

 

 

 

 

そんなことを思い出しながら夜ＴＶを見ていると、『セレブに憧れる女性たち』という特集をやっていた。

 

「ふつうのおうちに生まれたのにどうしてセレブに憧れるんですか？」と聞くレポーター。

お見合いパーティ−（？）で、医者を捕まえようと必死になる女性。

 

 

 

あ〜あ

 

 

 

みんなからっぽだ。

 

 

 

 

<今日のＢＧＭ>　こいのうた／GO!GO!7188

コメント　プレイバック

1.ん〜、幸せの基準が違いますよね。他力本願で肩書きが手に入って、それで幸せになれるんなら、それはそれでいいのではないでしょか。僕は音楽聞いてりゃ幸せです。
Posted by waki at 2005年04月18日 08:45

2.こちらでははじめましてです!毎日拝見してます。画像は雪柳ですよね?立派な雪柳ですね。
私自身はどっちかってとからっぽなんかなって思いました。
Posted by 星猫。 at 2005年04月18日 19:06

3.ごめんなさい、なんだかレス（なのかな？コメント？？）しすぎですね…。でも、Rinkoさんの文を読んでいると、どうしてもレスしたくなってしまうのです。
でも私は、そうやって相手の気持ちになれるRinkoさんはすごく素敵だと思いますよ。私だったら、たぶん見てるだけ。1回失敗してしまったら、次があるんです。1回失敗したら、次はきっと間違わないから。テストとおんなじですね。
からっぽ…。きっと私もそのうちの1人なんだろうな。でも、わずかに入ってる私の中身、大切にしてくれて、からっぽの部分を補ってくれる人が現れたら幸せですよね。中学生が語っちゃいました【笑
少しでも、“自分”が持てるように毎日毎日頑張りたいと思います。きっと人は日々、“自分”を少しずつつくっているんでしょうね。いろいろな経験から。さらに語っちゃいました【笑
Posted by ぴんく☆ at 2005年04月18日 21:24

4.wakiさん＞ほんとですね。わたしもそう言いきれるようなひとになりたい。

星猫。さん＞ようこそ！私も星猫。さんのＨＰ、のぞかせてもらっていますよ。からっぽじゃないです。からっぽの人は自分でからっぽって言わないと思います。

ぴんく☆さん＞その若さがうらやましい（笑）今からじっくり自分を育ててください。時間はいっぱいありますよ。
Posted by Rinko at 2005年04月18日 23:11