星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

誰かのための時間

たとえば本屋さんに行ったけどお目当ての本がないときに、店員さんに尋ねる。
 
「あの〜“ガラスの仮面”の41巻ありませんか?」
 
「棚になければありません」
 
 
 
 
およそ7割の確立でこういう店員さんにあたってしまう。
・・・探すふりだけでもしてくれたらいいのに。暇そうな店員さんに限ってこんな感じ。
 
 
 
以前研修で聞いた話。
飛行機に乗っていてある客がスチュワーデスさんに(昔の呼び方でスミマセン)
「○○新聞ありますか?」と尋ねた。
 
スチュワーデスさんは、その新聞は他の客が読んでいて、今ラックにないのを知っている。
 
スチュワーデスA(即座に答える)「申し訳ありません。ただいまその新聞はございません」
 
B(ラックを見に行き戻ってきて答える)「申し訳ありません。その新聞は他の方がご利用中で、ただいまございません」
 
C(ラックを見に行き他の新聞を持ってきて答える)「申し訳ありません。その新聞は他の方がご利用中で、ただいまございません。△△新聞か××新聞ならございますが、お読みになりますか」
 
 
あなたはどのスチュワーデスになりますか?といった話だった。
 
 
気配りや機転がきくなどの面からいえば、Cが一番だろう。けれど中には「そこまでしなくても」と考える人もいるだろう。お客さんの中には「見にいかないとわからないのか」と思う人もいるかもしれない。それだけ人の受け取り方はさまざまだ。
 
 
AとB・Cの違いはなんだろう。それは相手のために時間を割いていることだ。
人のために時間を割く=相手を大切にしている、ということだと思う。仕事の場面だけではなく、日常の人間関係のうえでも同じだよね。自分の貴重な時間を誰かのために使っているのだから。いつもそれが相手に伝わるとは限らないけど、「わざわざ時間を割いてくれてありがとう」って思ってる人もきっといる。
 
 
 
 
 
夕方、若いスタッフと並んでカルテ記録をしていたとき、1年目のAさんが「今日はナースコールが少ないですね」とぼそっと言った。それでわたしが、「今日いい看護をしたからコールが少ないんだよ」と言うと、5年目のIさんが「そんなこと言われたの初めてです。嬉しいです。」と感激してくれた。
 
 
自分で動けない人が何かをしてほしくて看護師を呼ぶんだから、呼ばれる前に予測してこちらから声をかけたり、「あの人は待ってたらもうじき来てくれる」と思えたら、患者さんはナースコールを押さないよ。だから業務が忙しくてなかなか部屋に行けない時間帯にナースコールが多いでしょ。
 
 
そうか、みんなあんなに一生懸命やっているのに、あまりほめられたことないんだね。やってあたりまえ、やらないと責められるのかもしれないけど、それじゃあ働いててもつまんない。
まだ仕事に慣れないわたしだけど、かえってそういうことは見えたりするよ。
 
 
 
 
 
今日の1曲:生活/syrup16g




コメント プレイバック

1.ご無沙汰してます。ご多忙中にメールするのは控えた方がいいかなって思いこちらにコメントを。
毎日欠かさず寝る前、ブログ読んでいます。Rinkoさんの優しさが伝わってきて安心します。

誰かの為に割く時間、仕事に於いて考えると、ちょっと難しい…きっとウチの職場なら全員がAを選択します。他の業務に追われバタバタしながらお客さまを疎かにしてしまいます。
看護士さんは、そんなワケにはいきませんよね。
相手に割く時間=大切に思う気持ち、心底そう思えたら少しは営業態度も変わるかも。
明日から気持ち切り替えてちょっとずつでも心にゆとりをもってお客さまに接してみます。長文乱文、失礼しました。
Posted by 知未 at 2005年04月22日 00:59


2.誰かのために時間を割く− 簡単なようでなかなかできないですよね。
本屋さんでの経験は、私もあります(笑) そのような店員は、数多くある本屋の中で、「自分のお店に買いに来てくれたんだ」という気持ちがないのでしょうか?上記Cパターンのスチュワーデスさんのように、「他の店舗にもしかしたらあるかも知れません。確認してみましょうか?」とか「取り寄せさせていただきますので、よかったらご予約されては?」そうあってほしいものです。
 私自身、接客販売の仕事をしているので、様々な店に行ったときどうしても店員の接客態度とか気になってチェックしてしまいます(汗)
 「情けは人のためならず」今日のRinkoさんのブログで痛感した一言です。
Posted by しゅんじ at 2005年04月22日 08:35


3.はじめましてこんにちは!ぴんくが教えてくれました!でもきっと書き込みしたら怒られるんだろうなぁ。怒られても書きたかったので。
かなり考え込んでしまいました。まだ1度も働いたことの無い私だけれどちゃんとお客様のことを考えつつ働けるだろうか。
Rinkoさんの優しさが文ににじみ出てますね、ほんと。
他の人には(見知らぬ人にさえ)優しさをもら事が圧倒的に多いです。きっとついてるんですね。
Posted by ちこ at 2005年04月23日 07:59


4.昨日小倉やよいさんの接遇マナー講演を聴きました。クッション言葉の大切さと否定を肯定にする言い回しなど、当にこのプログに書かれているないようそのものでした。本当にRINKOさんあなたはすごいひとです。すごく共感してまする
Posted by tomichan at 2005年04月23日 11:19


5.知未さん>一瞬誰かわかんなかった(笑)他のお仕事のことはわかりませんが、お客さま相手なら絶対こちらの思いが相手に伝わると思います、よくも悪くも。

しゅんじさん>ひとのことはよく見えるのですが、自分のことはほとんど見えない・・・ですよね。わたしもすっごく努力してやっとBだと思います。

ちこさん>はじめまして(笑)他の人から優しさをもらってると思えるのはちこさんも優しいからだと思いますよ。優しさに鈍感になると見えるものも見えなくなるでしょうね。

tomichanさん>いえいえ私も人の受け売りが多いですよ。ただ、いいこと聞いたなあと思ったら、忘れないように引き出しに入れて置くようにしています(笑)
Posted by Rinko at 2005年04月23日 15:57