ただ前を知るために精一杯
少し前までわたしにとって、音楽はBGMだった。耳障りがよく疲れた心が癒されたらそれでよかった。
いつからか音楽は生活の中に入り込み、生きるための欲求の中でも大きな位置を占めている。それは幸せなことなのか、不幸なことなのか。
楽しいことばかりは続かない。ライブの余韻をひきずったまま、仕事に行ったわたしを待っていたのは厳しい現実。
最近病棟では、患者さんの急変が続いている。今日もそうだった。それもふたり。
昨日まで笑って話をしていた人が、急にしゃべれなくなった。もうひとりは手術後のリハビリで痛みをこらえてがんばって動いていた人の半身麻痺の出現。
ドクターコール、家族への連絡、緊急検査、緊急手術、病棟中が騒然として、そのくせ隅っこに禍々しいものが潜んでいるような雰囲気になる。ただ忙しいだけならいくらでも耐えられるけど、こういうのは・・・心がちぎれそうだ。
ようやく夜勤者にひきつぐと、力が抜けて一緒に働いていた子と座り込んでしまった。
「もうこんなの、いやです!」・・・若いスタッフの声。
「おれ、お祓いに行こうかな」・・・立て続けに急変に当たっているドクターの声。
帰り道、夜風に吹かれながらシロップの『I・N・M』を聴いていると、涙が出てきた。
家に帰るのもいやになるなあ。
“意味が足りないというのなら 位置が見えないというのなら
知りたくもない自分とやらに 向き合うことしかないきっと”
“何か正しいことがある 何か正しいことになる
俺は俺でいるために ただ闘っている精一杯”
逃げる場所なんてどこにもない。
コメント プレイバック
1.悪い事って続きますよね。歌に流されず力に出来るなら、幸せな事なんじゃないかなあ、って思いました。シロップを聞いて前に進むのも人、停滞するのも人です。だからI NEED TO BE MYSELF、その意味はどこまでも深いような気がします。
Posted by waki at 2005年05月01日 11:38
2.難しいですねぇ…。でも、幸せじゃなくても、幸せって思いたいですよね。きっと、私は音楽に出会えなかったら味気ない毎日を繰り返してたと思うから。音楽から救われること、あると思うんです。もちろん悩まされる事も。
Posted by ぴんく☆ at 2005年05月01日 20:42