星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 「お楽しみはこれからだ」

最近は忙しくてなかなか映画館に行けないけど、学生時代は狂ったように映画を観ていた。それもTVやビデオじゃダメで、絶対に映画館。途中で電話がかかったり、何かを食べたり、日常が入ってきちゃダメ。真っ暗な映画館で、スクリーンと自分しかいない世界で観る。(いや、他のお客さんはいるけど)

そもそも映画に走ったきっかけは、イラストレータ和田誠さんの本。

お楽しみはこれからだ『お楽しみはこれからだ〜映画の名セリフ』(文藝春秋

 

和田さんのあたたかいイラストと、和田さん自身が観られた映画の中の名セリフを掘り起こして1冊の本にまとめられた。結局1〜5巻まで出版されて、1巻の初版は1975年。なんと30年前!・・・・歳がバレる〜(今さら 笑)

しょ、初版を買ったわけじゃないけどね。今でも少しセピア色に変色した5冊の本がうちの本棚にある。就職して、結婚して、子どもができて、何回か引越ししたけど、ずっとそばにあったんだなあ、としみじみ。

この本に出会ってから、映画を観ることがさらに好きになった。素敵なセリフ、気の利いたセリフを読んで、その映画が観たくなって、やっぱり映画狂の友人と東京まで行ったことがある。オールナイトで4本観て帰ってきた。若かったなあ・・・

 

タイトルになっている「お楽しみはこれからだ」は、アメリカ映画『ジョルスン物語』の中のセリフ。

ラリイ・パークス扮するアル・ジョルスンがショウのクライマックスで言うセリフ。オリジナルは“You ain't heard nothin' yet”で、直訳すると「あなたがたはまだ何も聞いていない」となるらしい。それが字幕スーパーは「お楽しみはこれからだ」

すごい、名意訳。実はわたしはこの映画観てないから、和田さんの本の受け売りで、このセリフがどういう意味で発せられたかは知らないんだけど、ニュアンスは伝わってくる。

・・・・ほとんど勝手に解釈してるんだけど。古いアメリカ映画って、主人公が絶望の淵に立たされていても、ニヤッと笑ってジョークを言うような強さがあるんだ。どしゃぶりの雨に打たれても、嬉しいことがあったら傘を放り出して歌うような。そういうところが好きだった。

精神的に追い詰められてボロボロになっても、「お楽しみはこれからだ」ってつぶやいたら、向こうから幸運がやってくるような気がする。

もうだめだ、って自分で自分の限界線を引かないように、そして自分のつらさをジョークにできるような心の遊びを持っときたいなあ。




コメント プレイバック

1.初めまして☆★
Rinkoさんと私の母と多分同年代(私は息子さんと同年代です!!)だと思うんですが、うちの母も昔こんな事を感じてたんだなぁとRinkoさんの日記を見て思っています。うちの母も偶然に看護婦なんですよ。
うちの母はロックとかあんまり聴かなくて、演歌好きなんですが笑
うちの母もロックとか音楽好きとかだったら、楽しいだろーなと思いました。
それでは★☆
Posted by 遠藤マメ at 2005年08月24日 12:37


2.遠藤マメさん>コメントありがとうございます。
わたしも若いひとのブログを見たりにコメントいただいたりして、うちの息子もこんなこと感じてるんかな、と思っています。でも好きなものが似ていると、歳はあまり関係ないかも、と思ったりします。お母さんとも何か通じ合うものがあるかもしれませんよ。
(ダブったコメント整理させていただきました)
Posted by Rinko at 2005年08月24日 17:32