もっと楽しい歌をうたおう
◆音楽を愛する
久しぶりにTVを見て泣いてしまった。
某報道番組の中で紹介されていたドキュメント。年末に行われた指揮者・岩城宏之さんの10時間演奏会。
休憩を挟みながらベートーヴェンの9つの交響曲を演奏され、ちょうど新年を迎えたときに第9の演奏が始まった。
岩城宏之さん、73歳。驚いたのは年齢ではなく、岩城さんの病歴。
昔首の骨を手術されて、今でも両手がしびれ、特に指揮棒を握る右手の感覚が鈍いとか。その後も胃がん、咽頭ガン、肺がんに侵され、なんと30回近くも手術を受けられている。
「尊敬するベートーヴェンの指揮をして倒れても本望」「こんなおもしろい仕事ができることはこれ以上ない喜び」という意味のことを話されていた。周囲の人に椅子に座って指揮することを薦められても譲らなかったそうだ。
肺がんで片肺の一部を切除されているので、1曲終われば控え室に戻って酸素吸入。控え室にも取材のカメラが置かれていたので、「カメラの前ではそんな姿は見せられない」と洗面所で吸入されていた。
病気をされてからは若い頃のような全身を使ったダイナミックな指揮はできず、表情で音楽を表現されている。演奏中の表情は普段は楽団の方にしか見えないのだろうが、TVカメラがそれを捉えていた。
おお友よ、このような音ではない!
そうではなく、もっと楽しい歌をうたおう
そしてもっと喜びに満ちたものを
(第9の合唱のシラーの詩に入る前のベートーヴェン作の歌詞)
そうだ、たとえたったひとつの魂であっても
自分のものと呼べるものが世界の中にあるのならば!
(第9の合唱のシラーの詩からの歌詞)
岩城さんの指揮は悲壮感の漂うものではなくむしろ楽しそうに見えて、第9の歌詞がヒシヒシと迫ってきた。
命の火を燃やす、ってこういうことなのかな。
◆音楽を楽しむ
第9の歌詞を調べていたら、「歓びの歌・大阪弁バージョン」というのを見つけた。
例えば上に書いた最初の歌詞はこうなる。
おいおい、そんな歌 ちゃうやろ
もっともっと気持ちのええ、おもろい歌があるんとちゃうん
そんな歌、うたおうやないか
全部紹介したいところやけど、さずがにまずいやろ。興味のある方はこちらのサイトへ。
シラーの歌詞は難しいけどこれやとわかりやすいわ。いや、関西弁をあんまり知らん人にはむしろわかりにくいんやろか。どうやろ。