星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 ただ一度の微笑みに こんなに勇気を貰うとは

この曲の歌詞をタイトルにしている人多し。わたしはこの部分が好きです。

涙のふるさと


ええ、もちろん聴いてますよ。

購入してすぐに1曲目から隠しトラックまでだ〜っと聴こうと思ったんだけど・・・・


 夕焼け空 きれいだと思う心を どうか殺さないで


このフレーズに出会ったとき昔の記憶が蘇ってきて、そこから進めなくなった。

2年近く前にもこのことを書いた覚えがある。

あのときもきっかけは藤くんの言葉からだった。



今から14年くらい前のこと。息子たちが5歳と3歳の頃。


職場と保育園と自宅の3ヶ所を、ひたすら往復していたあの頃。


いつものように保育園から自宅まで30分かかって歩いて帰ってきて、今から洗濯に夕食の用意にお風呂を入れて・・・・と、わたしのなかではタイムスケジュールができていた。


マンションの部屋に先に入ったが、息子達が入ってこない。

何してるんだろ、まったく!といらついたとき、


「おかあさーん!見て!!きれいな夕焼け!!」

「おか〜しゃーん、きれいきれい!」

とふたりが叫んだ。


西向きの玄関から見える夕焼けを見ているらしい。


「わかったから、早く中に入りなさい!」


と叫んだわたし。


そのときはそれで終わった。
だけど時が経ち、あることをきっかけにそのときのことを後悔するようになった。


それはジャパンという雑誌に載っていた藤くんの鹿野さんへの手紙を読んでから。


“・・・・昨日の昼下がりに川沿いの桜並木を散歩しました。そして世の中には本当に綺麗なものがあると知りました。でもこの場合「綺麗と感じる心が俺の中にあったと知りました」が正しいと思いました。・・・同感です。俺も音楽は素晴らしいと感じます。「素晴らしいと感じる心」少なくとも俺が俺であるために、あなたがあなたであるために必要なアイテムだと思います。・・・・”(抜粋)


美しい夕焼けを見て美しいと感じる心。

そしてそれを大好きなひとにも見せてあげたいと思う心。


こんなに綺麗なものが他にあるだろうか。


あのときたとえ5分でも、いや1分でもいいから子供達と並んで一緒に夕焼けを見たらよかった。

それに気づいても、あの日と同じ夕焼けはもう二度と見られない。


そんなことに気づいてからは、「もしこの子が道を踏み外したら、それはきっとあの日のわたしのせいだ」と今もびくびくしている。


親ってバカだねえ。


子供達から大切なものをいっぱいいっぱいもらっているのに、それに気づかないでおとなの顔してるんだよ。


この藤くんの言葉に出会ってから、もうずいぶん経つ。

その間にバンプはバンドとして大きくなって、今度の曲も本当に素晴らしい曲だと思う。


でも、変わってないんだね、藤くん。

綺麗と感じる心、素晴らしいと感じる心を、自分が自分であるために、忘れちゃいないんだね。



わたしも忘れないよ。素敵な曲をありがとう。






タイトル曲:真っ赤な空を見ただろうか/BUMP OF CHICKEN