星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 LOST IN TIME ツアー 2007“俺たちの旅 〜旅立ち編〜”@大阪BIG CAT


雲ひとつない、よく晴れた一日だった。


いつもライブのことを書こうとして、何から書こうかと迷う。でも今日は・・・


この看板の、「晴れ」というのが今の気持ち。


いかに自分がロストのことが好きか、そしてロストを好きなひとたちが好きかということを今さらながらに再確認し、とても晴れやかな気分。


去年11月の“少年”ライブのときは初めてみる新生ロストに少し不安を覚え、海北くんの顔を縋りつくように見ていた。

でも今日は違う。


いくつかのライブを5人でやってきて、音に厚みが増しただけでなく息が合ってきたとでもいうか、それとも観るほうのこちらにも心に余裕があるせいか、メンバー全員の様子がじっくり観れた。

弥吉さんのギターはかっこよくてウットリするし、淡々とキーボードを弾いていたシュンスケさんが、最後のほうの曲で拳を上げてお客さんを煽る姿はこれまたかっこいいし、源ちゃんや海北くんと目を合わせてはにっこり微笑む有江さんの表情は、VOLAのときとはまた違っていた。

源ちゃんの持つあたたかさとユーモアは、ピリピリしがちな海北くんの支えになっているのが見てとれた。源ちゃんの笑顔にはいつも癒される。


海北くんは・・・相変わらず1曲目から全力投球で汗びっしょり。ベースをギターに持ち替えて自由さが増したことで歌に集中できるのか、こちらの胸にまっすぐ伝わってくる。

聴いていて何度か身震いした。



<セットリスト>

01.旅立ち前夜
02.約束
03.誰かはいらない
04.花
05.車輪の下
06.告白
07.最後の一球
08.線路の上
09.カッターナイフ
10.呼吸
11.北風と太陽
12.されど犬は走る
(この曲の前に海北くんが即興で一曲。“たこ焼きの唄”と勝手に命名)
13.背中のバラッド
14.ヒカリ
15.教会 
16.列車
17.26
18.鼓動
19.ココロノウタ
20.手紙


En1
01.さぁ、旅を始めよう
02.海はいま(新曲)


En2
03.まだ故郷へは帰れない
04.然様ならば



新しい曲も古い曲も、しっかり今のバンドの音になっていた。

“誰かはいらない”の歌いだしの歌詞が好きで、この曲が始まったとき泣きそうになった。
おまけに次が“花”だし。


でも今日は泣かないと決めていた。最後までしっかり5人の顔を見て、しっかり聴くんだと。


「キミが好きだ!」、と“告白”。

やっぱりこの曲を聴くと前回の野音を思い出して切なくなる。


“最後の一球”の歌詞を聴くと、「海北くんの作る歌は、作り物ではなくほんとのことばかりだな」と思う。本当の気持ちから絞り出した言葉ばかり。


 たった一度キミと追いかけた夢が 
 たったひとつ僕の胸を張れること・・・
 


7曲終わったところで後ろの4人が引き上げて海北くんひとりになる。

アコギで“線路の上”を弾き語り。

歌詞、だいぶ変えてたよね。違うかな・・・思い出せない自分の頭を殴ってみる。


そのあと海北くんがメンバー紹介しながら、ひとりずつステージの上に呼び出していった。

弥吉さん、シュンスケさんのふたりが出て来られたところで3人で“カッターナイフ”

シュンスケさんはピアニカだった。


有江さんを呼ぶときは「有江のおにいさん」と。あれ?AXのときは「おじちゃん」って言ってたよね?(笑)


最後に源ちゃん。海北くんがそっとお客さんのほうを向いて「みんなで呼んでみよう・・・引かないでよね(笑)」

せーの、で「源ちゃーん!」とみんなで叫んだ。

満面の笑顔で、でも照れくさそうに源ちゃん登場。
まわりの女の子たちが口々に「源ちゃん、かわいい♪」と言っていた。


“呼吸”は、『時計』のインストアライブの神戸で聴いて以来。関西4ヶ所まわって、「“呼吸”をやるのは神戸が初めて」と海北くんが言われていたのを昨日のことのように覚えている。そのときのことを思い出してちょっとまた切なくなる。


“されど犬は走る”のイントロ(?)をギターで弾き始めたとき、お客さんから一斉に手拍子が起こった。

海北くん、すごく嬉しそうに「うわ〜」って。

そして即興(?)の曲。

「♪去年はいやなことばかりだった〜♪」と歌い始めて、そのうち「ラララ〜♪」とお客さんとコールアンドレスポンス。

うっ、こんなのロストでやるの初めてかも??楽しいね!


そして「新幹線で大阪に着いて〜飯食って〜♪」

「おいしそうなたこ焼きが〜14個で500円〜♪安い!」(笑)

「そのうち7個がソース味〜あとの7個がポン酢味〜♪」

えーっと・・・後略!(笑)そういうわけで“たこ焼きの唄”ってことで。

そのままのペースで“されど犬は走る”に突入していった。


「5日前に僕は誕生日を迎えました!」

“おめでとう〜”(拍手)

「ハッピバースディートゥーミー!」(笑)

「僕の親父もその少し前、13日(だったっけ?)に誕生日でした。で、電話したら照れてました・・・僕が」(笑)

「親父が僕を産んだとき、いや産んだのはおふくろですけど(笑)、今の僕と同い年だったそうで。今自分に子供ができたと想像して考えると・・・親父の偉大さを感じます」


実は“背中のバラッド”を歌っているときの海北くんが大好き。なんかかわいい。(失礼?)

子供の頃いろいろあっても、おとなになって自分の親のことが好きだって言えるのは、とても素敵なことだなあ。はたしてうちの子は・・・○×△☆※・・・(自主規制)


そのあとの“ヒカリ”からラストまでの流れは圧巻だった。
約束どおり(?)泣かないようにがんばったけど、ツボの曲ばかりだった。

ライブ後話をしたOさんは、「“教会通り”でもうあかんかった」と言われていた。


“列車”の有江さんのベース、凄かった。力強い?っていうのとは違うかな。今もあの音が耳に残っている。


本編ラストは“手紙”。なぜかほっとした。


アンコールで新曲の“海はいま”(今?)

「歌詞を見ないと歌えません」とのことで、スタッフさんがマイクスタンドに歌詞を書いた紙を貼りに出て来られた。

海北くんの誘導で、サビの「ヨーソロ〜」「さあ行けよ〜」の部分は一緒に歌った。歌いやすいいい曲だったね。


「実はこの大阪が一番不安でした。ひとが入ってくれるのか、盛り上がってくれるのかが。今まで静かに聴いてほしいって言ってたから」

と海北くん。


確かに5人編成になってずいぶん曲も変わったしライブの雰囲気も変わったけど、わたしたちに伝えようとしているものは変わっていないし、歌に専念できている分、むしろ伝わりやすくなったと思うけどどうでしょう。


3人がサポートメンバーのせいかこれからのことは不安定ですか?


「変わらずにいられるかはわからないし約束は正直できないけど、正々堂々と歌うことは約束します!」と。


今日ライブ前に「泣かない」ということともうひとつ、たとえわたしひとりであっても音に納得できたら拳を上げよう、と思っていた。


でもそんな思いは杞憂だった。

1曲目の“旅立ち前夜”から何人かが同じように拳を上げていたし、それがだんだん増えていたように思った。まだ戸惑っているひとや、以前のように目を閉じてじっくり聴いているひとも多かったけど。

前から4列目にいたため全体の雰囲気が見えなかったけど、後方にいた友人に、「すごい盛り上がってましたよ!」と言われて自分のことのように嬉しかった。


あとで何人かと話したとき、みんなそれぞれQuipの海北くんのインタビュー記事を読んだり名古屋ライブの様子を聞いて、わたしと同じように拳を上げようと思っていたそうだ。
そんな意識をしなくても自然に盛り上がれる素晴らしいライブだったけど。


なんだ、みんな同じこと考えてたんだ。

愛されてるよね、ロストインタイム


「いろんなことをみんな抱えているけど、僕らの歌を聴いて明日もがんばろう!と思ってくれたら、僕らもまた歌えます」


そんな海北くんの言葉、しっかり覚えている。

海北くんは知っているのかな。ロストのライブが終わった後、みんなが幸せそうな顔をしていることを。


真剣に投げてくれた球は、一生懸命受け止めて投げ返したい。


わたしたちこそいつまでもあなたたちとキャッチボールがしたいのです。

できたら球の届くところにいてくださいね。できたらね。