星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

the pillows Wake up! Tour@神戸ウィンターランド (7/23)

ピロウズファンならみんなもう知ってるよね。神戸のライブの様子を。

いつにも増して感情的になりそうなので、そんなん嫌いな人はスルーしてください。超長いですし。


いまさらだけどセットリスト。(曲順微妙)


01.Wake up! dodo
02.Skinny Blues
03.I know you
04.ターミナル・ヘヴンズ・ロック
05.プロポーズ
06.空中レジスタ
07.シリアス・プラン
08.プライベート・キングダム
09.Kim deal
10.Funny Bunny
11.Walkin' On The Spiral
12.like a lovesong(back to back)
13.パトリシア
14.MY FOOT
15.Girls Don't Cry
16.Midnight Down
17.YOUNGSTER(Kent Arrow)
18.ROCK'N'ROLL SINNERS
19.Century Creepers(Voice of the Preteus)
20.Sweet Baggy Days


En
01.MARCH OF THE GOD


SE YOUNGSTER(Kent Arrow)



このツアーの核である“スケアクロウ”は無し。“プレジャー・ソング”も“BOAT HOUSE”も“つよがり”も無し。


歌わなかったんじゃない、歌えなかったんだ。




最初3列目にいたが、最前の柵から30cmくらいのところに数cmの段差があり足場が悪いのと、ただでもデカいわたしがさらにデカくなるのが申し訳ない気がして後ろの女の子に場所を変わってもらった。


でもピロウズ登場で強烈な押しが来て、結局それは意味がなかった。


押されるのは苦痛じゃなかったけど、セットストックから夜行バスで朝帰ってきたため少々足にきていたのと、ここウィンターランドの暑さはいつも尋常じゃないのと、何より押されたら自由に踊れないので、“ターミナル・ヘヴンズ・ロック”のときに踊りながら4列分くらい後ろに下がった。そこは別世界だった(笑)



●「久しぶりじゃないか!あ、ここは初めてだね」とさわおさん。


●「・・・暑いね。そうか、そういうことか・・・肘から汗がしたたるなんて久しぶりだ」と今日はバスターズタオルで汗を拭うさわおさん。


●「昨日広島のセットストックへ行ってきた」(わたしも行ってたよー、と声が飛ぶ)

「ap(ap bank fes'07 )は中止になっちゃったけど」(わたしも行くはずだった!、と女の子)

「ん?行くはずだった?・・・・俺も」(笑)


そしておもむろにギターをかき鳴らし“Back seat dog”の替え歌を2コーラス。


♪apバンクが中止だなんて半端な幕切れ ミスチルに会いたい〜♪

みんな笑いながら♪あ〜あ〜♪とコーラス(笑)


●早くから汗びっしょりで髪の毛も濡れてきたさわおさん、タオルでごしごし頭を拭きながら、「どうしよ、やばい、ヅラが取れる」(笑)

前髪を七三分けして横の頬にかかる髪を耳にかけて、「1曲この髪型でうたおうかな」



●「・・・今日は体調が悪くて・・・声出てないだろ?だからサービス精神旺盛なんだ」と。


最初冗談かと思っていたら、


「高いキィが出なくて・・・・曲を差し替えてるんだ。勘弁してくれるか?」


ぃえ〜い!!もちろん!・・・だけど大丈夫?


「Funny Bunny!!」

きゃー!!


嬉しい!けど、ほんとに声出てない・・・



何曲か続けてがんがん行くところも、ちょっとずつ間を空けて汗を拭ったり給水したり。ああ、ほんとに体調悪そうだ。



●「今日しかやらない特別プログラム。・・喜んでもらえるかな。好きだといいな」

“パトリシア”!

ライブで聴くの初めて!もしかして今日はちょっとレアなライブ?・・・でも声、かすれてる・・・(そのうち「レア」だなんて喜んでいられなくなった)


“パトリシア”が終わったとき、「急に曲変えてすみませんでした」とメンバーに謝るさわおさん。

どきっとしたよ、というような表情で手で胸を撫で下ろす淳くん。

何事もなかったようなPeeちゃんとシンちゃん。凄い!17年のバンドキャリアはダテじゃないね!それを信頼しているからさわおさんもプログラムを替えていけたんだね。




●声を振り絞って歌うさわおさん。それも限界がきた。


♪かまわないでよ ラストシーンは自分の目で見る♪


さわおさんがひとりでギターをかき鳴らして歌うかっこいい歌いだしの“Midnight down”。

ラストシーンは・・・のとこらへんで声がかすれて裏返り中断。


苦笑いして唾を飲み込み再び歌いだす・・・・やっぱり同じとこで中断。


見ていて胸が痛い。もう泣きそう・・・


大きく深呼吸したさわおさん、意を決したようにマイクを捨ててステージ前方のスピーカーに足をかけてお客さんのほうに身を乗り出してギターをジャンジャンと鳴らすと・・・


バスターズ全員拳を上げて大声で歌いだした。


♪かまわないでよ ラストシーンは自分の目で見る

 触らないでよ 震えてる胸の痛みはまだ帳消しじゃない〜♪



総毛立つくらい感動した。凄いぞバスターズ!

一緒に歌いたいのに泣きそうになって・・歌わなくちゃ!



“Midnight down”が終わった。

・・・・・・


「・・・ごめん、ちょっと休憩していいか?立て直すから」


え?ええっ?そんなことをさわおさんが言うなんてよっぽどつらいんだ。

このまま中止になるかも。でも無理しちゃだめだ。

一瞬のうちにいろんな思いが頭をよぎったけど、気づいたら真っ先に右手を上げてOKサインをしていた。他の人も意思表示していたのかな。


静かにステージを降りるさわおさん。うわっ、ほんとに降りちゃったよ。

かつて喉をつぶした何人かのロックシンガーの顔が浮かんできた。


凍りつきそうになる場内に、すかさず女の子が「シンちゃん、喋って!」と。

救いを求めるようにみんな視線をシンちゃんに向ける。

そのときのシンちゃんの笑顔、きっと忘れない。あのとき声を出してくれた女の子にもありがとう。


残ったメンバーでゆる〜いMCが10分くらい続いた。

さわおさんが心配なのと暑さで消耗してへとへとになりながらも、そのMCでかなり和んだ。


●シンちゃん「昨日セットストックが終わって今朝起きたら10時だった。早く目が覚めたので僕だけ先に出発したんだけど・・・今日は浜松への移動日と勘違いして、ほんとに浜松に向かいそうになったよ」(笑)


Peeちゃん「昨日体調の悪い山中くんを残して3人でお好み焼きを食べに行ったんだ。そのときシンちゃん、へべれけに酔ってて(笑)、僕が担いで帰ってよしよしって寝かししつけたんだ。だから早く目が覚めちゃったんだね」(笑)


Pee「シンちゃん、セットストックのステージの前にも3リットルくらい飲んでて(笑)、でもプレイに影響しないのはさすがだね」


シン「・・・ほとんど覚えてないけど・・」(爆)


Pee「5リットル飲んだらダメなんだよね。昔そのくらい飲んでライブやったとき、テンポの早い曲(曲名言われてたけど忘れた)やったんだけど、ブルースになっちゃった」(笑)


Pee「昨日飲んでシンちゃん担いで帰って3人でエレベーターに乗ったとき、シンちゃん斜めに立ってたんだ。ジャンプ選手みたいに!エレベーターの中に鏡がぐるっとあったんだけど、どのシンちゃんも斜め」(笑)


淳「・・暴露大会ですか!?」(爆)


そのあとバンド始めた頃はPeeちゃんもさわおさんも一滴もアルコールが飲めなかったこととか、酔っ払いに親切にしても逆ギレされるから気をつけたほうがいいよ、と若い人にアドバイスしたりとか・・・


シン「なんで酒の話ばっかりしてるんだろか?(笑)何か他のお題があれば話しますよ(笑)」

そうは言っても他のお題は出ず、


シン「・・・・酒はねえ・・・」(爆)


結局中断中ずっと酒談義(笑)



気づけばステージ袖にそーっとさわおさんが戻ってきてる!大きな拍手。


さわおさん照れくさそうに「とりあえずやってみようか」と。


そこでメンバー集めて作戦会議。


復帰後1曲目は“YOUNGSTER(Kent Arrow)”!


声はますますかすれていたけど、みんな全力で飛んでハンドクラップ。

まったく声が出なくなる前にこの曲やったんかな、と思った。いまやライブでは欠かせない曲だもんね。ハンドクラップ家で練習してきたり(笑)


とにかく暑さにぼーっとしながらも「さわおさん、がんばれ!」と心の中で叫んでいた。


踊っていたら肩をポンと叩かれた。いつのまにかKEIKOさん!ふたりで一瞬笑い合って手を握ってまた離れた。お互い水も滴るいい女状態?(笑)



隣で踊りまくっていた男の子と目が合ったのでにこっと笑ったら微笑み返してくれて、曲の間に「だいぶつらそうですね」「うん、最後まで大丈夫かな」と囁き合った。


“Century Creepers(Voice of the Preteus)”は、さわおさんもバスターズも「全身全霊で」歌った。何人か女の子が後ろに下がっていった。倒れる前に潔く下がるのはさすがだ。



そして“Sweet Baggy Days”

あぁ、ラストだ。ついに歌いきったね。セトリが変わったのも、ちょっとだけ曲数が少ないのももうどうだっていいや。

テンポが速くなる最後の部分、高い声が出ないからだろう低音部分をさわおさんが歌っていた。なので高音のパートを小声で歌った。こっそりハーモニー(笑)



終わった。手を振りながらステージを降りる4人。大きな歓声。


そして普通ならアンコール。


どうしよう。どうする?

これ以上無理だよね。「さわお死んじゃうぞ」と囁き合う男の子も。

でももう一度顔だけでも見たい、という気持ちも抑えきれず遠慮がちに鳴らす手拍子。

消えそうになったらまたどこかから始まる、といった感じでみんなの迷いが表れていた。


・・・もう一度4人が登場。歓声。

さわおさん笑いながら「お前ら鬼かっ!」って。


「すみません」「ごめんなさいっ」「ありがとう」の声が飛ぶ。



そして始まった曲は“MARCH OF THE GOD”


これなら・・・インストだもんね。


後半の「Yes! more light!」


を、みんなで拳を上げて叫ぶ。今日何回目かの鳥肌が立った。



終演。

いつもなら「また遊んでやるぜっ」ってかっこよく去っていくさわおさんだけど、この日は違った。


他のメンバーが去ったあとひとりマイクの前に立ち、汗とも涙ともわからないものを何度も手で拭い、

「今日はみんなに助けられたよ。ほんとにありがとう」

と、みんなにお詫びの気持ちをなんとか伝えようと言葉を選びながら話すさわおさん。


もう十分だよ。

ちゃんと伝わってるよ。

今日はお客というより、一緒にライブを作り上げた仲間という気持ちでいっぱいだよ。


ありがとう。本当にありがとう。無理しないで、話す声もかすれてるんだから。

元気になったらまた遊んでね。汗臭いタオルに顔を埋めてちょっと泣いた。



SEで流れる“YOUNGSTER(Kent Arrow)”を最後の力を振り絞って歌ってハンドクラップするバスターズ。


みんなにもありがとう。


そしてそんなさわおさんを支え続けたシンちゃん、Peeちゃん、淳くん。

ますますピロウズが好きになった。


雑誌のインタビューで言ってたPeeちゃんの言葉を思いだした。


すみません、どうしても書きたいので引用させてください。


『バンドやったり、音楽やったりすることって、エンターテイメントじゃないですか。
でも俺の中ではね、ピロウズはエンターテイメントじゃないんだよね。ドキュメンタリーなの。だけどまだ、ゴールが見えない。ハッピーエンドかアンハッピーエンドかもわかんない。みんなでドキュメンタリーフィルムを観てるような感じがする。このバンド、この後どうなっちゃうの?みたいなね。
すべてがリアル。でも迷いはどこにもないんだ』

  (音楽と人 6月号)




あー、書いた書いた(笑)

読み返すと熱すぎて恥ずかしいけどこのままにしとこ。

いっぱいいただいたコメントのお返事は少々お待ちください、力尽きたので(笑)


そして、いい女KEIKOさん、チケット引き取ってくださったひこにゃんさん、初めてお会いできたいなざわさん、セットストックから一緒に流れてがんばったそら。さん、ありがとうございました。楽しい夜でしたね!



浜松でさわおさんが復活できますように。ひたすら祈っています。