sleepy.ab archive tour 08＠ペニーレーン24 (4/5)

sleepy.abと出会ったころは、まだ札幌と東京でしかワンマンをされていなかった。

対バンでいくつかのバンドのライブのあと彼らが登場すると、明らかに空気が変わるのを感じていた。

田中くんも言われていたけど、彼らの音楽の後ろに北海道の景色が見える。

音楽から色合いや温度が感じられるバンドに出会ったのは初めてだ。

だから、彼らのホームである札幌のライブに行くことがずっと夢だった。

この数ヶ月いろんな出来事があって悶々としていたけれど、札幌に行けることがわたしを支えてくれていた。

それは決して大げさではなく、本当のことなんだよ。

なんとか苦手な飛行機も克服して（？）無事千歳空港に着き、JRで札幌へ向かう。

札幌までの電車の窓から、まだあちこちに雪が残っているのが見えた。

札幌駅に降り立つと、曇り空のせいもあってか風が冷たくて、持ってきた冬物のコートが役に立った。

ホテルにチェックインしたあと、以前からお会いしたかった旭川在住のななおさんと待ち合わせしてペニーレーンへ。今日は息子さんも一緒。

ネット予約していたチケットを引き換えて開場を待っていたら、大阪から来られたはんちゃんとばったり。
彼女は地元のお友達の87さんと今回初めて（だったっけ？）会われたらしい。

音楽を通してどんどんネットワークが拡がっていくのって楽しいね。

ペニーレーンはスタンディングだと500人くらいは入れそうなハコ。ステージが高くて後ろでも見やすくていい感じ。

お客さんがたくさん入ってきたせいか、中は暑くて半そでになりたいなーと思ったくらい。（あとでわかったけど暖房がかなり効いていたらしい）

数分遅れで開演。

SEで流れてきた曲を聴きながらステージに登場した4人を見ていたら早くも泣きそうになる。いかん、すっかり雰囲気に呑まれている。

深呼吸して1曲目を待った。<セットリスト>

01.PAIN
02.四季ウタカタ
03.夢の花
04.inside
05.Anomarokaris
06.Mass Gymnastic Display
07.なんとなく
08.メリーゴーランド
09.賛歌
10.arcadia
11.雪中花
12.メロディ
13.sonar
14.遊泳スローモーション
15.ねむろ
16.Scene

En1
01.24

En2
02.white(アコースティックVer.)
03.メロディ(アコースティックVer.)

演奏の内容がどうとかMCがどうとか詳しいことはわからないけど、大阪ワンマンのときと明らかに雰囲気が違う。

大阪は初ワンマンだったせいかみんな緊張気味で（お客さんも緊張していた）空気が張り詰めていた。

それが今日は、音が柔らかくてゆったりして優しかった。（テンポがゆっくりという意味じゃなく）

それはやはり地元だから、リハーサルも時間をかけてできるし、PAさんや照明さんも慣れたスタッフだからかも、とあとでメンバーさんが言われていた。

なるほど、と思ったけど、それだけじゃなくてお客さんもお帰りなさいモードだったし、精神的な部分もあるのかな、と思った。

●“inside”ではマトリョミンの照美さん登場。照美さん、お久しぶり！（笑）

●バンドを始めて10年経って、『archive』というアルバムを出してツアーをやってきたけれど、この『archive』っていう意味がわかりにくくて、と成山くん。

「ベスト盤って言ったら、“インディーズのクセにベストだって？”と叩かれそうだから（笑）『archive』というタイトルにして・・・これは“記録”って意味だけど伝わりにくくて・・・

取材でインタビューされたときも“今度のベスト盤いいですねっ”って言われるから“ベストじゃないです、archive！”って。

そしたら今度は“archiveってベストいいですね！”って言われるからだんだんこっちも“ハイハイ、ベストです”って」（笑）

そのあと田中くんが「今後は今までのものを壊して新しいものを作りたい」って言われていた。

壊しちゃうの〜！？って思ったけど、常に前に進もうとしているんだね。
できたら前のいいところは大事にしたままで進んで、って思った。

●ツアー中の小ネタ。

大阪ワンマンの翌日が新宿のインストアライブだったのでその日のうちに移動しなくちゃいけなかった。
それで車の中で眠れるように成山くんが大阪のコンビニにワインを買いに行ったそうだ。
そしたらレジのお兄さんが「免許証を見せてください」って。

成山くん、最初意味がわかんなくて「？？？」って思っていたけど、どうやら未成年に見えたことがわかった。

「もう三十路なんですけど〜」（爆）

この話には続きがあって、しかたがないので田中くんの免許証を借りてワインを買った成山くん。それって・・・（笑）

●田中くんが「みなさん、暑いでしょ？実はさっきまで暖房が効かせてあって・・僕ら寒がりなんで」（笑）

成山「対バンでも僕らがライブやると温度が下がるって言われてるんです」（笑）

なんか暑いと思ったわ〜（笑）

田中「僕らの音楽を聴くと、北海道の風景が見える、と言ってくださったかたがいて、それはとても嬉しいです」

●3/1、長崎から始まったツアー。

「去年の“fantasia”ツアーでは札幌から始まったので、今回はファイナルを札幌でやりたかった」

念願叶ってみんな嬉しそうだった。

成山「東京とかMCがぐだぐだで・・・しゃべりすぎだ！って叱られました」（笑）

あ、犬の○○○話とか？（笑）

●田中「ツアー中、一緒に北上しましょう、って言ってきて」

成山「よびかけだね」

田中「今日も各地から来てくださっています」

は〜い！(心の中で挙手)

●途中のMCで成山くんと津波くんの話が食い違うところがあった。

成山くん「さっき津波とケンカしちゃって」と。

そんな話ができるのもリラックスしてる証拠かな？

●アンコールのときにツアーグッズのポロシャツに着替えてきた田中くん、

「これ、今回のグッズです。津波くんのTシャツも」

と紹介。

胸を張ってTシャツを見せてくれる津波くん。

そしたら成山くんが自分の着ているボーダーの袖をつまんで、

「これも」と。

他の3人、笑いながら首を振って「違う違う」って。

みんな大うけ。成山くんとおそろいのボーダー売りに出したら売れると思うよ？

このときの成山くん、かわいかった！（笑）

●最後のほうで成山くんが田中くんを見て、

「謝罪しないの？」っって。

首を横に振る田中くん。

みんなわけがわからず田中くんを見ていると、

田中「MCって、言葉が難しくて・・・違った意味にとられちゃうことがあって。

東京で僕、“僕らはまだ、札幌に住んで活動してますが”って言っちゃって・・・

それを聞いた人が、“いつか東京に行っちゃうんですか！？”って泣いちゃったって話を聞いて・・・

・・・・ずっと札幌にいさせてください！！」（笑）

そして成山くんのほうを見て、「そうだよね？」と。

成山くん、微妙な間をおいて（笑）

「ここにいないと曲が作れないよ」

「やっぱり札幌でないと。福岡、大阪、神戸・・・好きな街はたくさんあるけど・・・って不倫してるみたいだね」（笑）

そして山内くんを見て、「山内も（札幌が）好きなんだろ」

山内「・・・」（←マイクがないからしゃべりたくない？）

成山「好きなんだろ」

山内「（話しても）聞こえないよ」

みんな笑いながら聞こえてるよ〜と。

成山「好きなんだろ」

山内「好きだよ！」（大きな声で）

津波「恋人同士かよ、つきあっちゃえよ〜」（爆）

成山「意外と声高かった(笑)」

成山「この前もらったアンケートを読んでたら、“成山さん、山内さんをいじめないでください！”って書いてあったよ（笑）

ふたりでいるといじめちゃって（笑）、4人でいると他のふたりが“山内をいじめるな”って守るんだよ〜」

成山くん、ドＳですか〜〜（笑）

ペニーレーンは音もきれいに聴こえて、成山くんの歌う言葉もはっきり伝わってきた。

いつもよりももっと丁寧に歌われていたように思った。

みんなどの曲も最後の一音まで聴きもらすまいとするかのように音が止まってもすぐには拍手をせず、成山くんが「ありがとうございます」と囁くように言われるまでし〜んと静まり返っていた。

あの静かな数秒と、成山くんの「ありがとうございます」の声が好き。

「“雪中花”は寒い、遠い春を待つ歌だけど、“ねむろ”は暖かい歌」

“ねむろ”を聴いていると眼から雪解け水が・・（笑）

派手さはないけど心に染み入る素敵な曲です。

“24”がまた聴けて嬉しい。

そのあとのアコースティックは反則やな〜と思いながら、また“メロディ”で泣いてしまった。

“メロディ”が終わったらライブ終了。拍手をしちゃうと本当に終わっちゃうのでしたくなかった。

最後に4人立ち上がって前に出て手をつないでお客さんにお礼を。

立ち上がるとき津波くんが微笑みながら成山くんに左手を差し出して、その手に成山くんが右手をつないだとき、「仲直りやな」と思った（違）

あー、終わっちゃった。

余韻でぼんやりしていたら隣に立っていた女の子の視線に気づいた。

！dollyさん！

1年前の新宿MARZでのスリーピーワンマン以来の再会。最初から隣におられたようで全然気づかなかった・・・ごめんなさい（汗）

ふたりで話した最初の話題は成山くんの不倫発言。

dollyさんも東京の方なので、「わたしらは愛人やねー。札幌が本妻！やきもち焼いちゃったわ〜」って。

（このあともしつこく愛人愛人ってふたりで言っていた）

旭川まで帰られるななおさん親子にお別れをして、これまたひさしぶりにお会いしたゆみこさんやKAORIさんにご挨拶して、食事をご一緒させてもらおうと待っているうちになぜか出待ちするはめに（笑）

でもおかげでメンバーさんにご挨拶できて、成山くんには「愛人でもいいのでまた関西に来てください！」と懇願しておいた。

そのあとは初めてお会いした帯広や苫小牧の美しいお姉さま方も一緒に（みんなわたしより若いけど）食事＆懇親会。

そしてビートルズの曲を生演奏してくれるお店に連れて行ってもらった。

素敵な街で素敵な音楽に、そしてそれを愛するたくさんのひとに出会えた幸せな夜だった。

ありがとう、札幌。また来れたらいいな。そのときはどうぞよろしく。