星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 エレファントカシマシ コンサートツアー2008 “STARTING OVER”@神戸ウィンターランド

 

三宮から北に向かってなだらかなのぼり坂の北野坂を上り、中山手通りを西に進んでにしむら珈琲の角を曲がるとハンター坂。

そのハンター坂を1分ばかり登ったところにウィンターランドがある。


初めて行く人は、大抵看板を見落として行き過ぎてしまう。

それが今日はこんな貼紙が貼ってあった。 


 




入り口のところに立っている道標みたいなヤツも、赤色に塗ってリニューアルされていた。




次男とふたりで開場を待っていたら、彼がぼそっと「今日・・・年齢層幅広いな。さすがエレカシ」とつぶやいた。

仲間がたくさんいて嬉しいな(笑)



関西弁だけじゃなくいろんな言葉が聞こえてきて、遠征組もたくさんおられるようだ。



神戸のライブで、特にウィンターランドのライブで感じるのは、小さいハコだけど遠征組が意外に多い。(近くで好きなバンドが見たい、の心理?)


それだけじゃなく、大阪まではなかなか行けないけど神戸に来てくれるならライブに行ってみようかな、という人も多いこと。


だからバンドの追っかけをやっているような人から初心者?まで、いろんなファンがごちゃごちゃにいる。


それがまたおもしろいんだけどね。




以前ピロウズのシンちゃんが、「ここはコンクリートのうちっぱなしで、だから暑いんだ。アメリカのライブハウスみたいだね」と言われていた。


エルレの細美くんも「日本で一番くらい暑いハコかも」って言われて、ライブ中に「おまえら1回みんな外に出る?」って言って、(外には出なかったけど)1回休憩を入れてくれたほど。



キャパは350人くらい?(スタッフさんは450入りますって言われていたけど)



狭くて暑くてごちゃごちゃ(笑)


一体いいとこはどこ?って思うだろうけど、大好きな大好きなハコなのです。



そのウィンターランドでエレカシがライブをやってくれるなんて。

だいたいエレカシが神戸に来るの、いつ以来よ〜

2005年7月の“すまねえ魂”ツアー以来かも?



そんなこんなでワクワクしてこの日を迎えたのでありました。


(下にセットリストあり)





何か準備に手間取っているとかで開場が30分近く遅れた。


整理番号は109番だった。


なんばHatchのライブでものすごいモッシュに巻き込まれたことがあったので、後ろで見ようかどうしようか迷ったが、結局宮本さんの前6列めくらいのところにスタンバイ。

周りにはわたしと同世代の人もちらほらいるし、まあなんとかなるやろ。


モッシュが苦手な次男は後ろに下がると思っていたのに、わたしの隣にいるので驚いた。大丈夫なん?(普通心配されるのはわたしのほうじゃ・・・)



後ろの女の子たちの会話が聞こえてきた。昨日名古屋ライブに行ってきたけど、かなり激しかったそうだ。

そういえば名古屋はピロウズのライブも激しかったな。


入り口に「当日券あります」って案内がなかったからSOLD OUTだったんだろうか。

ぎっしり詰まっていたけど、「1歩ずつ詰めてくださーい」と言われないので後ろのほうはまだ余裕があるんだろうか。


そんなことを考えていたら、開演時間になった。<セットリスト>


01.DEAD OR ALIVE
02.今はここが真ん中さ!
03.さよならパーティー
04.四月の風
05.悲しみの果て
06.笑顔の未来へ
07.リッスントゥザミュージック
08.こうして部屋で寝転んでるとまるで死ぬのを待ってるみたい
09.staring over
10.翳りゆく部屋
11.今宵の月のように
12.風
13.FLYER
14.ガストロンジャー
15.俺たちの明日
16.桜の花、舞い上がる道を


En

01.男は行く




今年1月の新春ライブでも1曲目はウラをかかれた感があったけど、今日はさらに・・・ライブで聴くの、初めてだ。
DEAD OR ALIVE


そんなこと思う前に押しがきて、一瞬なんて曲かわからなかった。

でも押しは思ったよりゆるめ。

前に突っ込んで行きたそうなお嬢さん・お兄さんを通してあげたら風通しがよくなった。

6〜7列目と位置は変わらず、ちょっと踊れるくらいのスペースがあって快適だった。

それに最前付近よりわたしの周りのお兄さんたちのほうがノリがよくて楽しい。



最初石くんが見えなかったので、少しずつ身体をずらして石くんと宮本さんのふたりが見える位置に。

そしたら・・・!

石くんの右手首にギプスが!・・・だよね、あれ。


えーーー!ギター弾けるの!?

と気づいたときにはもう何曲か終わってたし〜


石くん、顔をしかめてギターを弾いて・・・いるように見えるけどいつもあんな顔で弾いてるし(笑)



んで、エレカシのライブ観てておもしろいのは、ギターやベースの見せ場のときに、いつも宮本さんの指示で石くんや成ちゃんが前に出て弾いて、またまた宮本さんの指示で後ろに下がる、という(笑)


石くんが前に出てかっこよく弾き始めたとき、思わずわたしと隣の息子・・・ではなくいつのまにかよそのお兄さん、右手を上げてあおったら、石くんがちらっとこっちを見て微笑んだ・・・ように見えた。


石くんって無表情なギタリストだと思っていたけど、近くで見るとあんなに表情が豊かなんだねー。いいもん見たわ〜〜




「久しぶりだねー、神戸!チキンジョージ以来かな?」と宮本さん。

そうそう!思わず両手を上げてしまったわたし。



近くで盛り上がるお客さんを見て、

「ライブハウスって感じだなー!」

と嬉しそうな宮本さん。




「みんな古傷持って生きているんだよ、って思いで作りました」


“さよならパーティー




“笑顔の未来へ”は、そのPVとともに大好きな曲。

“悲しみの果て”には“笑顔の未来”があるんだな、と思いながら聴いていた。

絶妙な曲順。




「もうずいぶん経っちゃったけど、1月にアルバム出して・・・(拍手〜)

それが、なんだかたくさんの人が聴いてくれて・・・(大きな拍手〜)


だから今日は、俺が勝手にだけど、仲間に会うんだと思って、楽しみにしてここに来ました!」


じーん・・・・としながら宮本さんの顔をガン見した。





“リッスントゥザミュージック”は10代の頃のことを思い出しながら作ったと。

宮本さんの歌はアルバムで聴くより力強く、胸に迫ってきた。

気づいたら両手を握り締めていた。




“staring over”のアウトロではアクシデント?があったみたいだけど、それでもかっこよくシメるのはさすが。




“翳りゆく部屋”

「大好きなユーミンの歌を」


「ラジオでユーミンが嬉しいって言ってくれたのが嬉しくて・・・まあ、そんなことはどうでもいいんだけど」

と言いつつ嬉しそうな宮本さん。




「いつの日か輝くだろう・・・ひとはいつも、輝くために生きているんだ、って思っているんだ」


と言われて“今宵の月のように”

今聴いても名曲だな。



“風”もライブで聴くのは初めて。(今回のツアーで初めてやった?)


宮本さん、アコギで弾き語り。

ワンフレーズ歌ったと思ったら曲を止めて、「この曲にはタバコ屋の親父が出てくるんだけど・・」と曲の説明。

曲を間違ったから止めたのじゃなく、歌い始めたもののどうしても話し足りなかったから話した、っていう感じだった。

このとき宮本さんとわたし、なんだかひとり対ひとりっていう感覚になった。不思議。



中盤じっくり聴かせてくれる曲が続き、“FLYER”でまた力強く歌って、そして“ガストロンジャー”!


この曲でハジけなきゃウソでしょう?


何度聴いても血が騒ぐ曲。


それでも今日の“ガストロンジャー”は今までで一番優しい感じがした。変な表現だけど。


歌詞はその時々で少しずつ替えていて、最後のほうで自分を指差し「・・・ロックシンガーなんだよ!」って言っていた。(はっきり聞き取れなかった。もったいない・・)




“俺たちの明日”のときには、

「何歳になっても、明日はいいことあるだろうなって思って生きてゆきたいんだ」と。


エレカシの曲は、全部そういうスタンスで作られているんだろうな。


20年の歴史は重い。

そして今もスリムで白シャツ、黒のパンツで大きく手を広げたり力強く拳を上げて歌う宮本さんはかっこいい。

「かっこいい」なんてチンケな言葉しか浮かばない自分が悔しい。



汗びっしょりで歌う宮本さんの瞳は今日も最後までキラキラ輝いて、

いつのまにか宮本さんと一緒に拳を上げて、

「さあ、がんばろうぜ!!」

と歌っていた。





そして本編ラストの“桜の花、舞い上がる道を”


今までのエレカシの集大成のような曲だ。(終わっちゃうわけじゃないけど)




  明日輝くために 息も切らさず走り抜けた
  過去を 未来を 自分を 遠回りしてた昨日を越えて
  桜の花、舞い上がる道を



優しくて切なくて力強い曲。




アンコール。


“男は行く”


これがまたよかった!



  俺はおまえに負けないが
  おまえも俺に負けるなよ



「おまえ」のときに宮本さんが会場の男の子たちを指差していて、うらやましかった。


オトコマエの女になりたい。


そんなアホみたいなことを本気で考えたライブだった(どんなやねん)




明日もがんばろう!



そんな勇気をありがとう。