星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 C-999 解散ライブ@下北沢CLUB Que(5/30)



C-999
2001年結成。結成当初はundercover(アンダーカバー)という名前だったが2004年に改名。
2006年2月binyl recordsよりメジャーデビュー。
2009年5月30日の下北沢CLUB Queでのライブをもって解散する事を公式サイトで発表した。

  (Wikipediaより)


メジャーデビュー作『三千世界に鳴り響け』で彼らを知って、それからライブ会場やハイラインでインディーズ時代のCDを買い集めた。


メジャーデビューしてしばらくしてからドラムの増子さんが脱退され、それからもサポートドラムを入れてがんばっておられたけど、ライブの本数が減り始めてどうしたのかな?関西では全然ライブがないな、と思っていたら、今年の3月に解散が発表された。


そこに至るまでの1年くらいはライブが観れず、何の情報もなかったので、それは衝撃的だった。


正直言って油断していた。


いつでもライブが観れると思っていた。



最近の曲はあまり聴いていないし、解散ライブは東京だし、迷っているうちにチケットが売り切れてしまった。

けれど幸運にも譲ってくださる方が見つかり、この日CLUB Queに行くことができた。



整理番号を呼ばれてライブハウスに向かう階段を、「普通のワンマンだったら幸せだったのにな」と思いながら降りた。








SOLD OUTなのでお客さんがいっぱい。

何度も何度もスタッフの方が「前に詰めてくださ〜い!」と叫ばれていた。



1曲目は何をやるんだろう。

終わりがこなければもっといいのに。<セットリスト>

01.ハイビスカス
02.自由への才能
03.空が呼んでいる
04.月とピエロと青い星
05.夜光虫
06.リリィ
07.六花の結晶
08.涙色
09.夢見月
10.世界
11.幻曲
12.ハムスター・ホイール
13.3年間の雨宿り
14.海底6マイル
15.ジークレフ
16.心、今を歌え
17.セイリング


En1
01.one
02.銀の砂 時の窓
03.4次元方程式


En2
04.リセット(未収録曲)
05.咲かない花



“ハイビスカス”

undercover時代の1st Mini Albumの1曲目。


この曲を最初に持ってきたことで、彼らの想いを感じた。


今日が集大成なんだね。本当に最後なんだ。



そのあと“自由への才能”〜“空が呼んでいる ”とアップテンポの曲が続き、センチメンタルな気分をしばし忘れた。



慎平「C-999です!

難しいことはなしにして、最後まで楽しんでくれ!」




“月とピエロと青い星”も盛り上がる曲。

でも、この曲で彼らを知った出会いの曲なので、ちょっと泣きそうになる。



 手を伸ばしてよ
 憂いなど蹴飛ばして いつかは飛び乗って
 見える その目に 満開の星 限界の無視



のところで思いっきり手を伸ばして小声で口ずさんだ。



“夜光虫”


これもundercover時代の曲。

おそらくお父さんに対する心情を吐き出した曲。


 大嫌いだった 声も性格も
 笑えるほど今は似てきたよ


この曲を初めてライブで聴いたのは、確か3年前の新宿MARZでのワンマン。

あの頃はまさかこんな日が来るなんて想像もしていなかったよな、と思うと涙があふれてきた。




そして“リリィ”

undercover時代の大名作(と思っている)


 再びいつの日か 君に出会えるとするなら
 たわいもない話をしよう 笑い声を聞かせてよ



ずっと泣きながら聴いていたら土屋くんと目が合ったような気がしたので、タオルで目の下を覆って聴いた。(かなり怪しい風貌になった)



それから懐かしい曲や最近の曲を混ぜてやってくれて、大好きな“世界”


この曲はシングル『銀の砂 時の窓』のc/w曲。

なのでアルバムには入っていないけど、大好きな大好きな曲。


止まっていた涙がまたあふれてきた・・・のに。


慎平くんが、2番の歌詞をすっ飛ばした(笑)



あとで、「歌詞飛ばしちゃって・・・バレバレだったよね?」(笑)


ハイ、バレバレ(笑)



“世界”の歌詞の、


 思えばあの日の一歩 半歩違えば
 あなたに会わずに ずっとずっといられた
 存在のタイミング 人生のタイミング
 思えばきりがない 数え切れぬ後悔が巡る



の部分がとても好きなのです。


解散しちゃうともう聴けなくなっちゃうね・・・




MCでは結成当時の思い出話を。



undercover時代、慎平くんとギターのオノデンと一緒に路上ライブもやっていて、アコースティックなので用のないベースの土屋くんはビラを配ったりしていた。


一度土屋くんがどうしても外せない用があるからふたりで行ってきてくれと言われて、ふたりで路上ライブをやった帰りのこと。

通りの向こうから、飲み会帰りのほろ酔い気分で歩いてくる男性に遭遇した。

よく見るとそれは大事な用があったはずの土屋くんで・・・ふたりは寒い中かじかむ手で路上ライブをやった帰りで・・・



ふたりに気づいた土屋くん、思わず、

「違うっ!これは違う!」(爆)



今思い出してもバツの悪そうな土屋くんだった。





オノデンの髪型が変わっていてかっこよかった。

C-999水嶋ヒロ」とお客さんに呼ばれていた(笑)




サポートドラムの方は、「今日はメンバーになる!」と、かなり気合の入った演奏だった。




後半の曲は“ハムスター・ホイール”や“海底6マイル”など、懐かしい曲を織り込んで。

お客さんも拳を上げたり飛んだり盛り上がっていたが、それでも最後だと自分が思っているせいか、なんだか「厳か(おごそか)」な感じがした。

表現はおかしいけれど、みんながこの「時」を大切に大切にしようと思っている気持ちが伝わってきた。



今さらながら“海底6マイル”の曲の素晴らしさを感じ、“ジークレフ”をライブで聴けなくなるのはイヤだ!と思った。

どんなに素晴らしい曲を持っていても、それでバンドを続けられるわけじゃないんだなあ。


そんなの当たり前?

解散の理由なんて知りたくもない。


でもこれからも彼らが音楽を続けて行くのかどうかは知りたい。




“セイリング”でわーっと盛り上がって本編終了。




アンコールで再登場した彼ら。

慎平「絶対アンコールがある、みたいな退場の仕方をしちゃって・・・」(笑)

と照れ臭そう。



アンコールではいつもオノデンのMCから、ということで、喋ろうとしたオノデンに「ヒロ〜〜(はーと)」の黄色い声援が飛んでみんな爆笑。



「いや、そんな、やめてくださいよ」と言いつつ嬉しそうなオノデン(笑)



アンコールは3曲。“銀の砂 時の窓”が久しぶりに聴けた。


このときだったか、もっとあとだったか慎平くんが、

ここに来てくれた人や、来たくても来れなかった人への感謝を言われて、

そしてこの場にいるお客さんに、

C-999というバンドが存在したことの生き証人になってくれて嬉しい!」

と言われた。


本当に終わってしまうんだね。


あちこちですすり泣く声が聞こえた。





Wアンコール。


慎平「Wアンコールありがとうございます。

それでは・・とうとうCDにならなかった曲、“リセット”」



2年前のミナホで初めて聴いて、音源になるのを楽しみにしていた。

なのにこのまま幻の曲になっちゃうの?悲しすぎる。


また泣けてきて、これでこのライブが終わったら辛いな、と思った。




そしたら慎平くんが、


「笑って終わりたい。


最後に、C-999が・・・名前が変わる前ですけど、一番最初に出した曲をやります。

盛り上がる曲じゃないけど(笑)


“咲かない花”」




笑顔で聴こうとしたけど、変な顔になっただけだった。



最後にサポートの方も入って4人で並んで手を繋ぎ、お客さんにご挨拶。

大きな拍手。




終わった。


でも、ほとんどのお客さんが立ち去りがたくぐずぐずしていた。


もう一度感謝の気持ちをこめて拍手をした。そしたら・・・



3人でステージに出てきてくれた。


「ここでまたがーっとやれたらかっこいいけど、持ち曲がもうなくて」(笑)


土屋くんが慎平くんに「何か言えよ」というふうにジェスチャーで促して、

慎平くんもマイクに向かったが・・・


「・・・・・もう、ありがとうとしか出てきません・・」


それ以上言えば泣き出しそうな顔。


お客さんから、「再結成はいつー!?」「undercoverに戻ったらー?」の声が飛んだ。


慎平「(これですぐ戻ったら)怒られちゃうよ(苦笑)」


「怒らないよーーー!」とみんな口々に叫ぶ。


ここまで来ても、解散がまだ信じられない。


こんなに凄いライブができるのに。


でも、バンドを続けることとはまた別なんだね。(しつこく何度も繰り返す)


今わたしたちが言えるのも「ありがとう」だけ。



ありがとう。

8年間お疲れさま。






 悲しくて叫んだこの想いは 
 綺麗な優しいつぼみとなって
 いつまでも揺れる
 それは僕の心に咲く花



タイトルは“咲かない花”だけど、咲いているんだ。


バンドの存在は消えるけど消えないんだ。


そんなふうに思った。




またいつかどこかで会えたらいいな。


音が鳴り響くあの場所で。








【覚え書】


今までに観たC-999のライブとその記録。

とうとう最後まで“ムービースター”が聴けなったのが残念。


◆2006.07.08 心斎橋DROP http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20060708/p1

◆2006.09.09 新宿MARZ(ワンマン)http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20060910/p1

◆2006.10.06 shinsaibashi FANJ(ミナホ2006)http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20061006/p1

◆2006.10.07 神戸VARIT. http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20061007/p2

◆2007.10.27 心斎橋AtlantiQs(ミナホ2007)http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20071028/p1

◆2008.06.26 神戸VARIT. http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20080628/p1

◆2009.05.30 下北沢Club Que(解散ライブ)http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20090531