星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

「夜明け、ウタカタ。」空中ループ x sleepy.ab ツーマンライブ@京都府立文化芸術会館(10/12)




sleepy.ab、メジャーデビュー決定』のニュースに、なんともいえない複雑な気持ちになったのは前の日記に書いたとおり。


この日、久しぶりに会う友人とその話になって、

「でも、本拠地は札幌のままだよね?

メジャーデビューより東京に行きます、と言われるほうがショックかも。だからいいじゃん!」

という結論に落ち着く。

どないやねん(笑)



正直言って、わたしたちがライブに行くなら札幌より東京のほうが便利。

でもスリーピーは札幌にいなきゃ、ダメなんだ。

本拠地を東京に移したら、音楽が変わってしまいそうな気がする。

そしてわたしの札幌に行く口実が減る。

なんて身勝手なファンの言い分。


とにかく5ヶ月ぶりのsleepy.ab(スリーピー)のライブ。




そして、去年のミナホで初めてライブを見て以来急速に好きになった空中ループ

彼らもまたスリーピーの音楽が好きで、関西でのスリーピーのライブのたびに来られているのを見かけて、さらに空中ループが好きになるという(笑)


自分が好きなものを好きなひとが好き、というわかったような、よくわからんような。


そのふたつのバンドが、いつか対バンしてくれたらいいなあ、と夢のように思い描いていたが、夢じゃなかった。


夢じゃなかったんだよ。



いつものライブハウスとは違う場所で、ちょっとだけよそ行きの顔をして会場に入った。


来る前は緊張していたが、スリーピーの好きなひと、空中ループの好きなひと、そのどちらも好きでわたしと同じように「夢みたい」と思っているひと、たくさんの友人たちに会えて、かなり和んだ。


ただ、指定席でいつもと勝手が違い、それでもスタンディングするときもあるけどここは無理そう。


それならば座ったままで、ゆったり音楽の中を漂うことにしよう。



「まもなく開演です」のブザーとアナウンスが流れ、緞帳が下りたステージから流れてきたのはスリーピーのいつものSE。






sleepy.ab


01.アクアリウム
02.ドレミ
03.四季ウタカタ
04.unknown(新曲)
05.メロウ(新曲)
06.メロディ
07.メトロノーム(新曲)
08.sonar
09.flee(新曲)
10.ねむろ



いつもの登場の仕方、成山くんは変わらずボーダーでほっとする。

山内くんも、田中くんも変わらない。津波くんは会うたびに髪型が変わってる気がするけど(笑)


何が変わるって思っていたんだろう。


最近のライブでよくやっている、アクアリウム・ドレミも入れたら、半分以上が新しいアルバムから。

攻めのセットリスト(笑)


ドレミで最近見た月を思い浮かべていたら、四季ウタカタ。


 変わりたい自分を 受け入れるために


のところでドキドキし始めて、


 もう一度会いたいな 全てが変わっても


で、見透かされた気分になって手のひらをぎゅっと握った。



「こんばんは。札幌から来たスリーピーです。」

何を言われたかはあまり覚えてない。


「unknown」と次にやる曲をつぶやくように成山くんが言われて、始まって曲は・・・


メロディがとても優しく美しく、歌詞はよくは聞き取れなかったのに、ぽろっと涙がこぼれてしまった。


そのあとも新曲が続き、そしてメロディ。

歌詞をかみ締めながら聴いた。


メトロノームは5月のワンマンで聴いたよな。

そのときのことをぼんやり思い出していたら、次はsonar


心憎いセットリスト(笑)


ああ、やっぱり立って揺れたい。素敵な会場だけど、やや欲求不満。


津波くんのドラム、すごいなあ。と見惚れる。


sonarでゆらゆらしていたら、次はまた新曲。

一瞬、ナハトムジイク?と思ったけど、違う。


何これ!?めっちゃかっこいい!


田中くんが気持ちよさそうにベースを鳴らす。


山内くんはいつものように椅子に座ったままだけど、ギターが踊る感じ。

今さらだけど、うまい!(ほんと、今さらだ)



ライブ後友人たちと、あの曲はなんだ!?と盛り上がった。

顔見知りの女の子に、あの曲は「flee」だと教えてもらった。





MCでは、アルバムが11月に出るのでツアーがあります、対バンツアーはこの近くでは京都磔磔と、神戸VARIT.

対バン相手は空中ループtobaccojuice

空中ループの名前は初めて発表されたので、うわーー!と叫びそうになった。


そして磔磔とVARIT.

全然タイプの違うハコなので、続けて観たらおもしろいだろうなあ。

でも平日の真ん中なので、京都までは行けないな、残念、と思った。




最後のほうで成山くんが、

「僕らは札幌、空中ループも京都でずっと活動しておられて、空中ループの存在自体がかなり励みになってます。

これからも、音楽をやっていく上で、空中ループとともに行きたい・・・何処に?って話だけど」(笑)



こらっ!

感動するところだよ、そこ!

ひとりノリツッコミしなくてよろしいがな(笑)


と心で成山くんにツッコミを入れながら、嬉しくて胸が熱くなった。





ラストはねむろ。


イントロが流れてきた途端にまた涙が。(条件反射か?)




 遊び疲れて眠れるように
 夢から覚めても泣かないように

 
 心の奥に閉じ込めた想いを
 一つ一つ諦めてきた いつも


成山くんの温かい、包み込むような声を聴いていたら、「大丈夫だよ」って言われた気がした。


そしてまた泣いた。


音楽がどうこうとか、わかったような顔をしながら、一番周りのことを気にしているのは自分だった。


スリーピーの音楽が好きなら聴けばいい。

そうじゃなければ距離を置けばいいだけのこと。


これからも彼らの歩く道を見続けよう。



鳴らしてくれた音楽は圧倒されるくらいに素晴らしかった。

けど、退場時に山内くんが帰る方向を間違えそうになって、成山くんが「こっちこっち」と合図して、ほっこりした笑いの中でライブが終わった。


このギャップが彼らの魅力(笑)




緞帳が閉まり、20分ほど開いて空中ループの登場。


また緊張してきた。




空中ループ


01.カゲロウ 
02.16 night 
03.goodbye,moon
04.海鳥 
05.夕方
06.小さな光
07.Stand Alone
08.imago
09.光年ループ

En.その光



ワンマンのときのように、カオリさん、森くん、和田くん、そして松井くんが順に登場。


1曲目は・・・カゲロウ!

うん、気合入ってる!


続いて16 night。音の響きがとてもきれい。


アウトロで松井くんがドラムのカオリさんのほうを向いて、右手を上げたらそのままgoodbye,moonへ。

goodbye,moonへの入り方がめっちゃかっこよかった!

この曲のイントロで、また立ち上がりたくなった。(いっそ立てばよかった)


椅子に座ったまま上半身を大きく揺らしてしまって、かなり怪しいひとになった。(と思う)


和田くんも時折口ずさみながら、楽しそうに、でもいつもよりちょっと緊張してギターを弾いておられるようだ。



そして連続しての4曲目、海鳥。



 僕が見えるかい 見えたら叫んで
 僕の名前を 声にして叫んで


の唄いだしのところで、松井くんが向かい風に抗って立っているように見えた。


きっとこれからも、彼は向かい風の中をうつむかずに歩いて行くんだろうな、と思ってじわっとした。


カオリさんがとても楽しそうに叩いておられた。

途中メロディが少し失速気味になるところもバッチリ決まって、思わず泣きそうな顔で笑ってしまった。(ますます怪しい)



美しい曲、夕方。


そして、小さな光。


口パクで一緒に唄った。両手のひらで包み込みたくなるような儚くも美しい曲。

でもこの手に握ると強くなれる気がするよ。



Stand Alone

森くんのベース、かっこいい!

ああ、もう立っていいですか!

その葛藤だけが、集中力を少し弱めた。

やっぱり座って聴くのは欲求不満だーーー(笑)



imago。

楽しい!


ステージのうえの4人が、とても楽しそうに見えて、ちょっと妬けた。



光年ループ。


もう終わっちゃう!

このステージに上がるまで、空中ループのみんなは、どれだけ大変な思いをして走り回っておられたことだろう。

よく知っているわけじゃないけれど、その様子を聞いたり垣間見たりして、素晴らしいなと思う。

困難に立ち向かって夢を叶えようとする真摯な姿は、わたしたちに勇気をくれる。


あきらめるな!夢は叶えるもの。


ステージの4人も、音楽もキラキラ輝いて、まぶしかった。





アンコール。


「今日で終わるわけじゃないけど、これからも続いていくけど、今日で終わるみたいな気持ちで今日を迎えました。」


僕らみんなスリーピーが好きで、関西に来られたときはライブを観に行って・・・今日も素晴らしいライブでした。


という意味のことを言われた松井くんは、いつものように、対バンしてくれたスリーピーに、照明や音響の方に、物販をやってくれた方に、ひとりひとり名前をあげて感謝の拍手を送って、最後に今日ここに来てくださったみなさんに、ともう一度拍手をして。




その光。


イントロだけで、また涙。

泣き過ぎですね(笑)



間奏部分でみんなで静かな手拍子を。そして、


 
 僕はただ手拍子のする方へ



と唄って。


激しくギターかき鳴らし、そのあとギターを置いてハンドマイクを持って、ステージの端から端へ、お客さん全員の顔を見るように動いて。


そしてアウトロでエアバイオリン。


心が震えた。



最後は4人でステージに並んで、手を繋いでお客さんに礼。

ぎこちないところがまたいい(笑)



3人が退場したあとも松井くんが残ってお客さんに、「ありがとう!」と。


温かい大きな拍手が長く長く続いていた。





会場を出てからも、出会えた両バンドの何人かのメンバーさんにご挨拶したり「ありがとう」と言ったり。

みんな立ち去りがたくてぐずぐずしていたね。

おかげで帰りの電車、特急が終わってしまって、神戸に戻る頃には日付が変わろうとしていたけど(笑)


幸せな幸せな一日でした。本当にありがとう。