札幌からライブ遠征中の友人Wさんと待ち合わせして、シャングリラへ。
Wさんとは数年前のスリーピーの札幌ライブのときに知り合った。
そのあと二人ともロストも好きだということがわかって、今年7月のtacica/ロストの帯広〜札幌ライブのときにご一緒させていただいた。
彼女とは、会った回数は少ないのに、何も言わなくてもお互いわかりあえる気がする。
ロストとスリーピーが好きという時点で(笑)
そんなふうに思うのは錯覚かな?
海北くんの言葉を借りれば、同じ音楽に共鳴する、または共振する(強振ではないよ 笑)ということは、お互い理解しあえる要素を持っているということだと思う。
・・・最近はライブハウスで、その気持ちが揺らぐときが多いけど(笑)
それでも、そういうことを信じたいと思えるような、温かいライブだった。
感動しすぎると言葉にならないということも知った。
(以下ネタバレあり。MCはうろ覚え、思い出したら追記します。長いです)
シャングリラはとても好きなハコだ。
最初は、外にあるヤシの木や赤い壁、シャンデリアなどに違和感を覚えたけど、今はそれがシンボルみたいな(笑)
なんと言ってもステージが高く、フロアは後方が階段状になっておりどこからでも見やすい。さほど広くもないし。
ひそかに真ん中にあるドリンクカウンターが一等地と思っているけど(笑)
以前、あるバンドのボーカルさんが言われていたけど、フロアに段があるからステージからもお客さんの表情がとてもよく見えるそうだ。
海北くんは、お客さんの想いを感じて歌うシンガーだと思うので、ロストはシャングリラがとてもよく似合うバンドだ、と思う。
関西でのロストのライブは、OTODAMAや対バンライブがいくつかあったけど、ワンマンは3月のトライシクルツアー以来だ。
そのときも、ここシャングリラだった。
最近はバンドの状態が安定しているので、わたしの精神状態も安定している(笑)
この「線路の上」をツアーにしてくれて嬉しかった。
レコ発でないワンマンは、いろんな曲が聴けるので本当に楽しい。
シャングリラに着いてたくさんの友人に出会ったが、遠征組もおられて、前日の名古屋ライブから流れてきた人も多い。
わたしの友人だけでも札幌・東京・千葉・滋賀・京都・大阪・神戸・福岡・・・
気づいたらすごいことになっていた(笑)
開演を待つお客さんはみんなそわそわして、客電が落ちたら大きな拍手が起こった。
メンバー登場。
1曲目は“線路の上”<セットリスト>
01.線路の上
02.証し
03.告白
04.はじまり
05.教会通り
06.イロノナイセカイ
07.誰かはいらない
08.列車
09.然様ならば
10.一つだけ
11.木蘭の涙(カバー)
12.忘れもの
13.合い言葉
14.キャラバン
15.花
16.8月7日の夕焼けを君は見たか
17.通り雨
18.ココロノウタ
19.希望
20.ひとりごと(新曲)
21.ハローイエロー
En
01.勲章と傷(新曲・仮タイトル)
02.ひだまり(新曲)
03.旅立ち前夜
04.昨日の事
05.約束
・09〜11はアコースティック
・アンコール01〜03は海北くん弾き語り
1〜3曲めまで連続して。
“線路の上”はじまりで早くもうるっとしてしまったのに、次が“証し”
ああ言葉よりも もっと心の近くで僕は歌いたい
この歌詞が大好きでどれだけ繰り返し聴いたかわからない。
後半部分でパラパラと拳が上がった。みんな自分なりの聴き方で。
そして“告白”
隣にいたWさんとほとんど同時に小さな悲鳴をあげた。
それでも僕は歌が歌いたい
今ある全ての思いを託して
バンドにいろいろあって苦しい頃によく歌っておられた曲。
変わらずに応援してくれているひとに向けて歌った曲(と、思っている)
・・・もう、わたしが下手な文章書くより、歌詞を書き連ねたほうが想いが伝わる気がしてきた(笑)
最初のMCはなんて言われてたっけ?
「今日はたくさん曲をやります。
大阪でしかやらない曲も持ってきました。」
いつもの様に夢を断ち切る音
わあ〜〜、“はじまり”だよ!
Wさんも同じ反応されたのでおかしかった。
この出だしの海北くんの声がとても好きだ。
“教会通り”
この曲を聴くたびに、昔からロストが好きで、実在する教会通りを見に行ったと言われていたOさんを思い出す。
「意外と短かったんよねー」
その言葉を思い出して少し笑った。本当にロストが好きなんだなあ。
“イロノナイセカイ”
最初は何の曲かわからなかった。
こんなにベースラインのかっこいい曲だったっけ?
以前自分が行けなかったライブでこれをやったって書かれた友人の日記に、「もう4年近く聴いてない!」ってコメントしたのを覚えている。
初めてロストのライブを観た2005年のBIG CAT以来だ。
“誰かはいらない”
失くした感情のいちばん奥に 僕は恋焦がれた
『きのうのこと』収録の曲が続く。
“誰かはいらない”から連続して耳慣れないメロディが。
“列車”だった。
アレンジされたイントロ、ライブバージョン。
間奏の三井くんのギターに見惚れる。
気づいたらのけぞって弾く三井くんと同じ体勢になっていた自分(笑)
ツアータイトルの『線路の上』
人生は線路の上を走る列車みたいなものだな。いいタイトルだ、と改めて思った。
ワンマンなので、いろいろやります。セットチェンジに少々時間がかかります。
「しばしご歓談を。」(笑)
スタッフさんが出てこられてアコースティックライブへの転換を。
椅子やキーボードが登場。
「源ちゃんのブログでおなじみのセイトンさんです!」
と、器材準備中のセイトンさんを紹介され、大きな拍手が起こる。
「こうやって手伝ってもらえる人がいるのはいいですねぇ・・・でも最初は全部自分でやるんだよ。」
と、海北くん。
「東京では時々アコースティックライブをやっているのですが、大阪でも・・」
“来て!”と女性の声が飛んだ。
「来て、と言われたらできるかも・・・って先に言われちゃったな。」(笑)
来て欲しい!ぜひ!
そして、海北くんのキーボード弾き語りから始まる“然様ならば”
ギターの出番を待っている三井くんは、今日もマイクレスで口ずさんでおられて、それを見てまたじーんとした。
続いてカホーンが登場。源ちゃんが海北くんと三井くんの間に置かれたカホーンに座られて、3人が横並びに。
海北「アンコールでは源ちゃんもこうやって前に出ることがあるけど、こんなに早くはあまりないよね?どう?」
源ちゃん「(後ろのドラムを指さして)あそこでもお客さんの顔が見れないのに、こんなに前で・・・緊張してます!」(笑)
“一つだけ”
3人が時々顔を見合わせて、とても楽しそうに演奏されていた。
それだけで嬉しくなった。
「カバーやります。とても好きなバンド、というかグループであるスターダストレビューの“木蓮の涙”」
うわーー!聴きたかったんだよ。関西では初演だよね?
海北くんが歌うと海北くんの歌になる。
三井くん、源ちゃんのコーラスもめっちゃ綺麗で・・・すごく良かった!
そのあともう一度セットチェンジしてバンドへ。
“忘れもの”
ベースとギターの掛け合いのようなイントロが好きだ。
久しぶりに聴く気がする。
「(何かを話し始めてから)・・・言うことをわすれちゃったりしてさ。
“さ”ってよく言ってるな、て自分で思うんだけど(笑)
上州弁なんだって。群馬や埼玉の。
言葉で伝えるのは難しいけど・・・それでも・・伝わるものがあると信じたい。“合い言葉”」
この空の青さをあの雲の白さを
君にどうやって伝えよう
ロストの曲の中でも1・2番を争うくらい美しい曲だと思う。
9月のOTODAMAで、初めてロストのライブを観た次男が、OTODAMAが終わったあとでこう言った。
「今日、ロストが一番よかった。凄い伝わってきた。」
思わず次男をハグしたくなったよ(笑)
大丈夫だよ。ちゃんと伝わっているから。
“キャラバン”
歌詞を聴きながら、いろいろ思い出してしまって泣きそうだった。
前のワンマンのときよりお客さんのノリがよかったように思う。
1曲ずつに大きな拍手と歓声があがっていた。
「暑いねー」(海北くんすでに汗びっしょり)
「寒くなりましたね、って言うつもりだったのに、暑いね。」(笑)
「来るとき車の中で寝てて、寝汗かきました」(笑)
お客さんから、“夜は寒いよ!”という声が飛んだ。イントネーションが関西弁だったらしく(普通なので気づかなかった)、
「それ!“寒いよ”が大阪だな、って」(笑)
それと時々MCしながら、「オチはないです。」と言われてみんなにウケていた。
関東より北の人間は、関西に来ると気になっちゃうそうです(笑)
“花”
がまんしていた涙がこぼれた。
もう二度とあの日と同じ 花は咲かない
切ない、絶望的な歌詞だと思っていたけど、
だから、今を大切にしなきゃ、と思えるようになった。
今咲いている花を大切に。
少しはわたしも成長したかな?
“8月7日の夕焼けを君は見たか”
ああ、ほんとにかっこいい曲だ。
しばしセンチメンタルを忘れて彼らのグルーヴの中を漂う。
源ちゃん、天井を突き抜けて空に飛んでっちゃいそうだな。
アウトロが消えるか消えないかのうちに次の曲が。
海北くんのベースから・・・これは・・・
“通り雨”だ!!
一度乾いた涙がまたあふれてくる。
海北くんのベースは、激しいけど温かい。
もう・・・言葉なんていらないよね。
ただ・・・“通り雨”を聴きながら、LOST IN TIMEというバンドから離れないでよかった、と心底思った。
どうしたら、この気持ちが彼らに伝えられるんだろう。
“ココロノウタ”
この曲は何度かライブで聴いているけど、今でも忘れられないのはちょうど2年前のSCHOOL OF LOCK!LIVE TOUR 「YOUNG FLAG」のとき。
Zepp Osakaというだだっ広いところで、共演はレミオロメン、チャットモンチーという中で、完全アウェイだった(笑)
わたしは仕事が終わってから駆けつけたので最後の2曲半しか聴けなかったけど、“ココロノウタ”に泣いた。
これれからも、いくつになっても“ココロノウタ”に感動できる自分でいたい。
“希望”
最近のライブでは最後のほうで歌われることが多かったので、この曲になると「もう終わっちゃうよー」と、条件反射的に寂しくなる(笑)
あとで友人Mさんが、「“希望”は段々よくなってくる。最初聴いたときはそれほどでもなかったのに。」と言われていた。
「曲を作っていると、どうやったら伝わるのだろう、と考えてしまって・・・
それは自分を嫌いになる作業でもあって・・・」
曲を作ったことはないけど、「自分を嫌いになる」というのはわかる気がする。
「うまくいったりいかなかったり、重い荷物を背負ってしまったり・・・
でも、あなたが重いと感じている分、誰かが軽くなってるのかもしれない。」
「共鳴して、共振して・・・強く振るの強振じゃないですよ。(笑)
・・今笑った人は、野球の好きな人だ(笑)」
と言われたのもこのときだったかな?
「ひとりごとみたいな僕の歌も、伝わったとしたら、それは君の歌です。」
いつもは「あなた」と言われるのに、「君」と言われてどきん、とした。
新曲“ひとりごと”
初めて聴いたというのに・・・泣いてしまった。
目の前のキミに語りかけるような歌。
「聴こえるかい」という歌詞が心に残った。
もっともっと聴きたかった。
ラストは“ハローイエロー”
それでもこの声は 君に向かってるんだ
この歌詞と、最後の源ちゃんの「ワン!ツー!」を含めて名曲です。
アンコール。
海北くんひとり、アコギを持って登場。
再び新曲を。
仮タイトルは“勲章と傷”
何曲か新曲ができているけど、三井くんは仙台に住んでいるし、自分のバンドもあるので、なかなかバンドの練習もできないけど、
「この曲は半分くらいアレンジができています。」と。
「今度バンドで“新曲です!”ってやったとき、“あ、その曲聴いた!”と言わないように!」(笑)
「知らないうちに心の傷が治っている」「勲章をぶら下げて いったい誰に見せるんだ」
という感じの歌詞。すごくいい曲だった。早くバンドで聴きたい。
“ひだまり”
「ロストインタイムには、結婚式で歌えるような曲がなくて・・・」
の言葉にめっちゃウケて、しばらく笑いが止まらず。(失礼なやつ)
「唯一“羽化”が・・・あれは知り合いの結婚のときに作った曲だし。」
そして高校時代の仲のよかった友達の結婚式で歌える曲を、と作ったのが“ひだまり”
実際に式で歌ったら、新郎のお父さんが号泣されて、挨拶のときに新婦に向かって「うちの息子を選んでくれてありがとう!」と泣きながら言われたそうだ。それを見た他の参列者も号泣だったと。
確かに・・・わたしももう一度結婚したくなる曲だった(え)
「あなたの隣のひだまりに・・・」
のところしか覚えていないけど、「あなたの隣」というのがいいなあ、と思った。
そして、しばらく時間をかけてチューニングしながら、
「何やろうかなあ。今の気持ちは・・・」
と迷いながら、
「こらからもがんばろう!と思っているひとに。そして僕自身にも向けて。」
“旅立ち前夜”
もうすぐここを旅立つ君に
さよならじゃなくこの歌をうたう
この曲がくるとは思わなかったので、ふいをつかれて号泣。
3年前にえのもっちゃんがバンドを脱退されたあと、半年近くライブができなくて、本当に久しぶりにギター1本持って心斎橋のApple Storeに弾き語りに来てくれたことがあった。
すごく痩せて、表情もきつくて、「お騒がせしましたがー、僕は元気です〜♪」とか歌いながらもちっとも元気そうじゃなくて。
そのときの1曲めにこの曲を歌ってくれた。
「今だから歌える、今しか歌えない曲です。18歳の頃作ったこの曲に、今の僕が背中を押されています」
と言いながら。
当時のことを思い出し、あのときの曲と同じ曲なのにまったく違って聴こえて感無量、涙が止まらない。
いろんな苦しいこと、辛いことを乗り越えて、今があるんだよね。強くなったね。
・・・すっかり母目線(笑)
「そろそろふたりを呼ぼうかな?ひとりづつ・・・プレッシャーかけたりして。」(笑)
仙台に住んで、自分のバンドTHE YOUTHもあるし、他でもサポートされていて忙しいから、「もう(ロストのサポート)やらない」って言われるんじゃないかとヒヤヒヤしているけど、いつもさらっと「やるよ。」と言ってくれる、と三井くんを紹介。
「オンギター!三井律郎!」
いつものように手を合わせて、でもいつもより笑顔いっぱいで三井くん登場!
はい、ロストファンは仙台には足を向けて眠れません!(笑)
三井くんはいきものがかりの曲も何曲かサポートでギターを弾かれているそうだ。要チェック!
「今日、僕らは終わったら東京に戻るんだけど、三井くんは明日も東京で仕事、あさっては仙台に戻ってTHE YOUTHのライブです。」
すごい、ハードスケジュール!!細いのに!(←関係ない?)
続いて源ちゃん。
最近はグッズのデザインにも関わっているそうで、
「ブログ見てたらライブ以外は飲んだり食べたりしているみたいだけど、そんなことないです。」と紹介(笑)
「オンドラムス!大岡源一郎!」
さらに大きな拍手と歓声。
源ちゃん、三井くんのほうを見て、
「三井くんは明日も仕事ですが、僕は飲み会です!」(爆)
せっかく海北くんがフォローしてるのに〜〜(笑)
そして源ちゃん満面の笑顔で、
「本日は俺のためにお集まりいただきありがとうございましたーー!」(爆)
と、ガッツポーズ。源ちゃん大好きだーーー!
「昨日の事」
と海北くんが言われとき、会場中から「ほ〜っ」というような大きなため息が。
思わず手を合わせて、「ありがとうございます」と拝んだのはわたしです(笑)
ステージの3人の姿を胸に焼き付けることができるように、涙をしまってしっかり聴いた。
本当にありがとう。
「うまくいくことも、うまく行かないこともあるけど、これからも一緒にがんばろう・・・
“がんばろう”とは違うな。
これからも一緒に歩いていきましょう・・・今、噛んだ?」(笑)
かっこいいとこなのに(笑)
“約束”
今年の4月、3年ぶりに神戸スタークラブに来てくれたときに、
「“また会いましょう”、の約束がやっと果たせました。」
と言って、この曲をやってくれた。
今日は・・・“一緒に歩いて行きましょう”と約束するんだよね?
やってくれた1曲1曲に、こんなに思い入れがあったなんて自分でも思わなかった・・・って今さらかな?
ライブ後はいつものように、物販とサインをもらう長い列。
並んで待って、何かを海北くんに伝えたかったのに、何も言えなかった。
「ありがとうございました。言葉になりません。本当にありがとう。」
とだけ言うのがやっと。
MCで海北くんは、
「三井くんも忙しいし、来月は下北沢で3週連続ライブがあるし、もしかしたら関西にライブしに来るのは今年は今日が最後かもしれないけど、歌う場所があったら僕ひとりででも来ます。」
と言われていた。
「最近全然行けていないところもたくさんあるし。
九州とか、関西でも京都とか、神戸とか。広島や岡山も。」
いろんな街をまわって、たくさんのひとと出会って、そのひとたちの想いを感じて。
そうやって曲を作ってきたのがロストだもんね。
そしてきっとこれからもそうだよね。
いつだって待ってるよ。
また会いに行くよ。
本当にありがとう。
何度言ったかわからないけど、
やっぱりありがとう、だね。
【追記】
このツアーから会場&UKPモバイルサイト通販で販売開始されたアコースティックCD、『Acoustic Live at La Cana 2009 立秋』
楽しくて温かいです。特に8曲めの「!!!」なんて(爆)
『木蓮の涙』も収録されています。
チャンスがあればぜひ、聴いてみてください。