sleepy.ab “paratroop tour”ファイナル@札幌・道新ホール(1/30)
スリーピーのファイナルが「どうしんホール」であると聞いたとき、「童心」かと思ったら「道新」だった。北海道新聞社関係のホールのようだ。
何かのインタビューで成山くんがそこを選んだ理由に、「天井の高いところでやりたかった」みたいな意味のことを答えられていて、これはもう行かなくちゃ、と札幌行きを決めた。
土曜日というのもありがたい。
1月中頃から、北海道は豪雪だというニュースを毎日聞いていて、無事に札幌に飛べるか心配で陸路の行き方まで調べていたが、当日は天気が回復して久しぶりに暖かな日になった。(と言っても−1℃)
14時過ぎにホテルにチェックインして、旭川から来られる友人を待つ間に道新ホールへ下見に行った。
札幌駅から徒歩10分くらい、時計台の斜め向かい。北海道新聞社の隣にあるビルの8階。
エレベーターを降りたらすぐにホールの入り口で、スタッフさんが忙しそうに準備をされていた。
(お願いしてロビーの写真を外から撮らせていただいた)
また札幌駅に戻って友人と合流し、駅ビルのお店で食事をしてから再び道新ホールへ。
スタンディングでないのがやや不満だけど、イスあり指定席は早くから並ぶ必要もなく、荷物を預ける手間も要らないので楽だ。
それでも開場5分前に着いたら入場を待つ列ができていて、みんなの期待の大きさが伺えた。
わたしたちも並ぼうとしたら列の前のほうに、東京から来られた方の姿が見えて再会の挨拶を。
遠征組もたくさんおられるようだ。
道外だけじゃなく、同じ北海道でも帯広や旭川から札幌に来るにはかなりの時間がかかるので、遠征と呼んでもいいかもしれないけど。北海道はスケールが違う。
わたしの席は前から2列目、成山くん側の右端。
偶然にも札幌の友人がわたしのまん前だったので驚いた。
広くて天井の高いステージには、上から白くて薄い布のようなものが天井から垂らされていた。
その布、向かって左側は床まである長さだけど、中央から右側は短くなっている。
カーテンをビリビリに破ったみたい、いやあれはアートやろ?、と友人と笑い合った。
札幌ファイナルはストリングスと共演する、ということがわかったのは最近のこと。
2008年のコンカリーニョでのライブを思い出す。
あのときはsleepy.ac(アコースティックVer.)だったが、今日はバンド編成で共演なので、どんなふうになるのかとても楽しみ。
道新ホールはキャパ約700人らしく、正直言ってそんなにお客さん入るのかな、と心配していたが、開演直前に振り返ると9割がた席は埋まっていた。(いやホント、心配なんかしてごめんなさい)<セットリスト>
SE.mori
01.ダイバー
02.四季ウタカタ
03.inside
04.夢の花
05.アクアリウム
06.インソムニア
07.ナハト・ムジィク
08.雪中花
09.メロウ
10.ドレミ
11.メリーゴーランド
12.メロディ
13.arcadia *
14.Scene *
15.flee *
16.unknown *
En1
01.賛歌 *
02.メトロノーム
En2
03.24
(*は、ストリングスと共演)
東京キネマ倶楽部と同じVJ(映像)が映されていたが、斜めから見る形になるわたしの位置からは、はっきり見えなかった。
ただ、あの破れたカーテンみたいな布が青いライトで照らされたとき、深い森の中で演奏しているみたいに見えて、とても美しかった。
スリーピーは青い照明が似合うなあ。
●「札幌から来たスリーピーです。よろしくお願いします。」
うん?
「・・・帰ってきました。」
と、すぐ言い直した成山くん。
お帰りなさい。
って、わたしが言う立場にないけど(笑)
それぞれ1位、2位の地名を上げてから、
「でも、初めて食べたら思ったよりおいしい!ってことがあるから・・・
やっぱり函館が1位!」
って言って、山内くんが「No1!」みたいに人差し指を高く掲げて胸を張った姿を見て大笑いした。かわいかった。
7曲目までは今までのセットリストと同じ。
やっぱり“インソムニア”がかっこよくて、イスから立ち上がって揺れたい衝動を抑えながら聴いていた。
あとで聞くとそう思っていた人が多かったようだ。誰が最初に立つか?だったのかな。
今までは“ナハト・ムジィク”の次は成山くんがアコギに持ち替えて“unknown”だったので、いつまでもギターを替えない成山くんを見て、「あれ?」と思った。
そしたら次は“雪中花”
あ、セトリ変えてる!
と思ったら、“メロウ”から“メロディ”までまた同じ。
う〜ん?と思って聴いていたら、“メロディ”の終盤にあのステージ左側に長く垂らされたカーテンの後ろに、ストリングスカルテットの方たちが入ってきて座られるシルエットが見えた。
緊張してきた(笑)
“メロディ”が終わると長いカーテンの部分が上がり(←上がったのか落ちたのか開いたのか覚えていない)、成山くんの歌から始まった次の曲は・・・
いつか 見た光は 今
君を 夜を照らしていく
あ、アーケイディア!!
長いことライブで聴いていない!(コンカリーニョ以来だった)
曲調のせいか、この曲を聴くとぐっと体感温度が下がる感覚に襲われる。
いやそんなことはどうでもいい。
ストリングスが入った“arcadia”は、それはそれは美しくて身体が震えた。
そして“Scene”
これまたぞくぞくしながら聴いた。会場が寒いのか?
“flee”
CDに収録されているこの曲にもストリングスが入っているが、ライブで聴くとさらに凄い。
表現できない。
最後まで鳥肌が立ちっぱなしで・・・札幌まで来てよかった。
今この瞬間で音が消えてしまうのがもったいない。
この場にいるわたしたちの頭の中だけに残るなんてもったいない。
DVD、ムリならなんとか音源に残して、今日ここに来れなかったひとたちにも聴いてほしい。
心底そう思うくらい素晴らしかった。
●「ツアーまわってて札幌札幌って言い続けて・・・“妬けるのであまり言わないでください”って言われました。」(笑)
そういえば初めて札幌のペニーレーン24でスリーピーのライブを観た後、東京の友人とそんな話をしたわ。
「わたしらは愛人やね。札幌が本妻!やきもち妬いちゃったわ〜」って。
今も同じ状況やね(笑)
“unknown”
いわゆるダークサイドの曲のあとの“unknown”
なんだか・・・ひどく敬虔な気持ちになってしまった。なぜだろう。。。
あっという間に本編が終わってしまった。
アンコール。
成山「札幌ではアンコールの曲は変えようと思っていました。“賛歌”」
あああああ、ありがとう。
ストリングスの音もひそやかな感じで、美しさに泣けてきた。
そうだ、コンカリーニョでもこの曲で声を殺して号泣したのだった。
終わってからしばらく放心状態だった。
このあとストリングスとVJを札幌でも映してくださっている方の紹介を。
ストリングスの4人の方はここで退場。大きな拍手で見送った。
そして、千歳から札幌まで帰る車の中で、4人の気持ちが確認できた話を。
決意表明。
成山「これからも札幌で・・・ずっと長くやっていこうと・・・」
“メトロノーム”
ワンマンの間何度も聞いた話だったけど、「長く」という言葉と、札幌でこの言葉を聞けたことで、イントロからすでに涙・涙・・・
こちらがそう思って聞くからかもしれないけれど、札幌での言葉のひとつひとつは、今までとは違った気がした。
真実味が増したというか・・・うまく言えないけど。
Wアンコール。
「全国で話題沸騰」のケンスペバッジの話。
この日もテルミンの照美さんが山内くんの後ろでみんなを見守っていた。
成山「照美さんは、アコースティックのときしか使わないんだけど、みんなの守護神だよね。」
そっか、守護神。うん。(何)
「今日誕生日のひと」は3人くらい手が上がり、山内くんが立って照美さんで“HAPPY BIRTHDAY”を演奏。
この前の(東京での?)演奏は不本意だったらしく、丁寧に演奏されたが・・・後半がちょっと・・・(笑)
“24”
いま 生きる意味を 教えて夢のように
その瞬間を 許し合える
数字のカウントに入る直前のこの歌詞に、ぶわっと鳥肌が立った。
そしてカウント。
山内くんは「17!」で立った。
立ったら終わっちゃうから立たないで!と、わけのわからないことを思った。
山内くんのギターの最後の音が消えた。
大きな拍手。
立って拍手をしようとしたが立てなかった。
そういえばスタンディングでスリーピーのライブを観ているとき、魂を抜かれたあとの抜け殻になったみたいに、何かにつかまりたくなったり、しゃがみこみたくなったりする。
なのに、座っていたら立ちたくなるのはなぜ?
そんなふうに感じるのはわたしだけかな?誰か教えてください。
終演。
長かったツアーが終わった。
本当にお疲れさま。
ライブ前に買ったケンスペバッジ、サイズが大きくなっていた。
ほらね。
前のが売り切れたのかな?
友人とロビーで話していたら、女の子のふたり連れが「照美さんのバッジ、もうなかったんです〜」と残念そうに話しかけて来られた。
ご、ごめんなさい、2個も付けてて(汗)
外に出て空を見上げると大きな満月がビルの上に浮かんでいた。
(ひと月のうちに満月が2回あるとき、その満月を『ブルームーン』と呼ぶ)
1回目は1月1日だったそうで、実家にいて大雪だったから見れなかった。
2回目の満月は目の前にあった。
見つめることで君の形 なぞって
忘れないように 月に描いた まぼろし
“ドレミ”の歌詞そのままに、今日のことを忘れないようにしよう。
そう思った札幌の夜。