星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

the pillows OOPARTS TOUR@なんばHatch 2日目(2/7)



昨日の日記で、もうこの日のレポはいいかな?と思ってしまいました。


最後に、ダイブでつぶしちゃったお客さんに謝る前の、悲しそうなさわおさんの目が忘れられません。



でも、ライブの一部分だけを書いて公開するのは何かと誤解を受けるので(以前体験した)、やっぱりいつものように書いておこうと思います。



(下にセトリあり。MCの記憶も、もはや曖昧です)





初めての同じハコでの2days。1日目がとても楽しくて、当然この日も期待してなんばHatchへ。


入場してから2ブロック目の真ん中あたりに向かった。

前日いた場所より少し後方。


2日目だから少しセトリ変えるかな?とワクワクしてきた。


開演。


大歓声とともに、2ブロック目でも強烈な押しがきた。なんとか踏ん張る。<セットリスト>


01.Dance with God
02.ビスケットハンマー
03.Walkin'On The Spiral
04.YOUR ORDER
05.FOXES
06.Lemon Drops
07.メロディ−
08.Kim deal
09.Rodeo star mate
10.ターミナル・ヘヴンズ・ロック
11.Curly Rudy
12.Sleepy Head
13.Like A Lovesong(Back To Back)
14.ジョニーストロボ
15.Beyond the moon
16.LIFE SIZE LIFE(The bag is small,and I don't enter)
17.Primer Beat
18.この世の果てまで
19.No Surrender


En1

01.雨上がりに見た幻
02.TRIP DANCER


En2

03.Poison Rock'n'roll



モッシュは苦痛じゃないけど、後ろの方から前に上がってきたひとりの男の子が一緒に歌いだす。

フルコーラスではなかったが、ジャンプしながらデカイ声で歌うので、息が切れて音程がはずれてさわおさんの声が聴こえない!

曲が終わるとワーワー騒ぐし。



3曲目くらいまでがまんしていたが耐えられず、同じブロック内を右後ろ(Peeちゃん側)に下がった。


下がったところには最近(でもないか)知り合った方たちがおられて、声をかけてくださったので、そこにいることにした。


そこには合唱もなく、みんなそれぞれが自分の楽しみ方で楽しんでおられる居心地のいい場所だった。




さわお「昨日来なかった人・・・(半分くらい手が上がる)久しぶりじゃないか!


昨日も来た人・・・(これまた半分くらい手が上がる)久しぶりにリンスしたので、(自分の髪を触りながら)こんなにサラッサラになりました!いやー、リンスって凄いわ〜」(笑)


さわお「(Peeちゃんを見て)来た人と来なかった人が半分ずつって感じだね。」


Peeちゃんうなずく。


シンちゃんのTシャツは白い『Primer Beat』Tシャツ。

宣言どおり、ピンクじゃない!(笑)



●曲と曲の間に「さわおー!」「シンちゃーん!」とメンバーの名前を呼ぶ声が続く。

「Peeちゃーん!」「淳くーん!」


・・・・なんでさわおさんだけ呼び捨てなんだろ?

さわおさんは呼び捨てにされるのと、「がんばって!」って言われるの、キライなのにな。



何度も呼ばれたさわおさん、「黙っていただけますか。」とか、「しつこいとつまみ出しちゃうぞ〜」とか、「警告しましたよ。」と、冗談めかして返されていた。


そんなふうに返されて嬉しいのか、「さわお〜」の声は続く。




●どの曲のあとだったか・・・


「Peeちゃーん!Peeちゃーん!」と上の方(2階席?)から子供の声で連呼。


無言でチューニングするさわおさん。


「Peeちゃーん!Peeちゃーん!」

10回以上は呼んだと思う。


わたしたちもイラッとして、「誰!?子供?」と友人と小声で話した。



「Peeちゃーん!Peeちゃーん!」


さわお「(うんざりした顔でPeeちゃんを見て)こんなに言ってんだから抱いてやれよ!」(笑)


Peeちゃん苦笑して、「え?俺が?」みたいなしぐさをしてさわおさんを見る。


そのとき別の男性客から「抱いてー!」と声が飛んだ。さわおさん素早く声のほうを指差して、


さわお「お前は俺が抱く!」(爆)


絶妙のかけ声とさわおさんの反応に、みんな爆笑して嫌なムードが和んだ。


この「抱いて」はおもしろかった。声かけるのって難しい・・・




さわお「えー、新曲出ました!ディズニーの『スティッチいたずらエイリアンの大冒険』のオープニングテーマで、スティッチ率いるバンドが演奏をしているという。」


このときシンちゃんはドラムの下にもぐって姿が見えず。


さわお「そのバンドのドラムスが、なんとアロハ着たデブです!」


と、シンちゃんすくっと立ち上がる。アロハを着て(笑)


シン「生着替えや、沖縄に行って買った云々の話を昨日話したので、もう話すことがないので、着ちゃいました。アロハを着たジャンバです!」(爆)



さわお「じゃあその曲を。ライブだとテンポが速いけどついて来れるか?」


おおー!!


さわお「ロデオスターメイト!」



もう、すっごいライブ映えする曲だね!スティッチの仲間たちになった気分で踊った。


●そして久しぶりの“ターミナル・ヘヴンズ・ロック”!


“Curly Rudy”


“Sleepy Head”



“Sleepy Head”のイントロの淳くんのベースがめっちゃかっこよかった!

お客さんも大盛り上がり!




“Sleepy Head”が終わった。

息が弾んでいる。呼吸を整えようすると、「ヒューヒュー♪」とかすれた口笛(指笛?)が。結構長く聞こえた。



さわおさん、ステージに向かって左側(しもて)、その口笛を吹いた男性の方をキッと見て、


さわお「目立ちたいんなら自分がここでライブをやれ!」



さわお「今口笛を吹いたやつ!謝れ!


(客みんなのほうに左手を広げて)俺のかわいいバスターちゃんが、迷惑するんだよ!

謝らないなら帰れ!」


客「すいません


さわお「もっと大きな声で謝れ!」


客「すいません」



最初は冗談かと思ってクスクス笑っていた客も、あまりのさわおさんの剣幕にシーンとなる。


さわお「・・・なんてなー」


軽く笑いが起こるがすぐまたシーンとなる。



さわお「どうすんだよこの空気!」(笑)


「・・・キミたちは名脇役じゃなきゃいけないんだよ。主役になろうとしたらまとまりがつかなくなってしまうだろ。」


「普段もちょっと言われただけで、俺、すぐ気分悪くなるから。」


さわおさん前の(ステージ下の)スタッフさんが笑っていたらしくて、


さわお「さっきから俺の前のアライちゃんがコッチ見て笑ってんだよ(笑)なに笑ってんだよ!」(笑)

シンちゃん後ろで爆笑(笑)




「俺たちはなんていうかなあ、ライブで、完璧な演奏とかそういうのを目指したのは10年前までだ。

そのあとはもっと上の・・・球を投げたら投げ返す、キャッチボールみたいな、そんなライブをやりたいんだ!・・・わかるかな・・・・」



うまく表現できずにもどかしそうに話すさわおさんに、拍手が起こった。


言いたいこと、わかるよ。みんなうなずいていた。



「俺はキミたちが楽しそうだと楽しいし、


退屈そうだといいライブなんかできない。


失礼なやつには失礼で返すんだ!」



そして次の曲は・・・“Like A Lovesong(Back To Back)”



 最初で最後の これはプレゼント
 今は誰よりも 近くに感じてるんだ
 キミの欲しいモノ ボクが持っていたとして
 放り投げるから うまく受け止めて




叫んでいるんじゃないのに、叫び声が聞こえた。


わたしの欲しいものを、放り投げられたような気がした。


涙があふれてきて止まらなくなった。



そして“ジョニー・ストロボ”



 永遠じゃなくたって 価値がある夜



今がその夜だ。


タオルで涙を拭いたら、右目のコンタクトがずれた。


どこかのライブでさわおさんのコンタクトがずれて、始まりかけた曲をストップして楽屋に戻った話を思い出して、泣きながらニヤついてしまった。



“Beyond the moon”




さわおさんの歌、凄かった・・・胸が痛くなった。

  


●メンバー紹介。


淳「西のツアーが2週間ほど前から始まって、僕は温泉・サウナ・サウナ・温泉・サウナと入って、痩せるかな、と思ったけど・・・痩せません。」


さわお「おまえ、ムチムチしてるよな?」(笑)


淳「人に言われるとムカつきます!」(笑)


さわお「ムカつくってどういうことだよ?」


淳「いや・・・自分にね?鏡みながらああ・・・って。」(笑)


さわお「おまえ、楽屋で着替えてたよな。ぴっちりしたシャツを着ていて、1サイズ大きいシャツに着替えただろう(笑)おまえ極端なんだよ!激やせしたりするし。」


淳「知らない人もいるかもしれないけど、1年で体重が10キロくらい変わります。」


ええーっ!それはしんどい・・・



Pee「ギターの真鍋吉明です。ムチムチ大好きです!(笑)

なんばHatch 2days最終日なので、最後まで全力でがんばります!」





シン「昨日来られていない人にはわかりにくいですが・・・大阪ではピンクのシャツと決めていましたが、今日は真っ白な気持ちで白いシャツを着てきました!

でも、これでは今日だけ来られた人に申し訳ないので、今度来るときは家でうっかり赤いものと一緒に洗ってきます!」(爆)


さわお「“うっかり”も予定に入っているのか!」(笑)




●「さっき、やんわり言ったつもりだったんだけどな。もう来るなよって。

口笛吹いたやつも悪気があってしたわけじゃないと思うんだけど。」



曲の途中でさわおさんは時々、お客さんの方を指差すことがあるんだけど、後半はその男性客の方を意識して指していたようだ。

さわおさんなりの気の使い方にじーんとした。




さわおピロウズは21年目に入りました。


音楽的にはまだまだ満足はしていないんだけど、商業的にはもう・・・満足してしまっているんだ。」



「(Tシャツの胸のロゴをとんとん叩きながら)“LIFE SIZE LIFE”、等身大の人生って書いてある。

等身大でいきたいんだよ。」



「似合うTシャツを着て、


似合う音楽をやって、


お似合いのキミたちと出会えたんだ!」



・・・武道館のストカメ前のMCが蘇ってきて・・・また泣きそうになった。



“LIFE SIZE LIFE”




●アンコール。


“雨上がりに見た幻”のときの照明がきれいで、曲を聴きながらみたび泣きそうになる。


そして“TRIP DANCER”

久しぶりに聴けて嬉しい。




「途中変な感じになっちゃったけど・・・


仲良くしたいんだ。

うまく付き合ってくれよ。


そしたら・・・心の底から楽しいと思えるような、いい曲つくるから! 」




●ダブルアンコール“Poison Rock'n'roll”


今日はこの曲しかないよね?


イントロのときにさわおさん、ギターを横にしてマシンガンみたいに抱えて、ダダダダってお客さんを撃っていた。


もうとっくに撃たれてるよ。



そしてこの曲のアウトロで淳くん前にいたさわおさんの姿が消えた。


ダイブした!?

ダイブに慣れていないバスターズ、何人かつぶれてしまったようだ。


慌ててスタッフやローディーさんが出てきて、さわおさんを引き上げる。

続いてギターが戻ってきた。


さわおさんの下敷き?になった人がなかなか起き上がれなかったらしく、ステージに上がったさわおさん、イヤモニをはずしてからもう一度自分がダイブしたところのお客さんの方に行ってフロアを覗きこんだ。


その場所から遠かったので声は聞こえなかったが、

「大丈夫?大丈夫?ごめん。ごめん。」と言われて、右手をあげて何度も何度も謝っておられた。


その光景にフロアから温かい拍手が起こった。

でも、さわおさんの表情は硬くて顔色は蒼白で、とても悲しそうな目をされていた。


そして、半身でお客さんのほうに片手を上げながらステージを降りて行かれた。




最後のダイブは、さわおさんの頭の中が真っ白になっちゃったのだろうか。

それとも、変な雰囲気になってしまったライブへのお詫びの代わりだったのだろうか。







以前のFCの会報でさわおさんが書かれていた言葉。(一部抜粋)


誤解のないように言っておくけど、全員で振り付けのようなお約束ばかり望んでる訳じゃないぞ?当たり前だが。


でも気分が合うのは大切だ。オレにとっては。あぁ〜難しいな。難しい!聴いてほしいのに騒いでる、逆にノッてほしいのにボンヤリしてる、歌ってほしいのに歌わない、黙っててほしいのに歌ってる、泣きそうになってるのに笑われてる・・・。


気分が合わないライブは孤独だ。

さわおさん、孤独だったのかな・・・


昔からピロウズのライブを観てきた友人が、「それでもライブを続けてくれた。昔はステージ降りちゃったこともある」と教えてくれた。


うまく言えないけど・・・


自分の気分で怒ったんじゃないと思う。何度も何度も警告されていたから。


あのときの、「俺のかわいいバスターちゃんが迷惑するんだよ!」って言葉に、はっとなったのはわたしだけじゃないはず。




「仲良くしたいんだ。

うまく付き合ってくれよ。」



客にこんな言葉が言えるひとは、きっとさわおさんしかいない。

それを受け止めることができたら、きっと素晴らしいライブになる。


よね?きっと。