星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 祝春一番2010@服部緑地公園 野外音楽堂




体調がイマイチなのはこの日も同じだったけど、6日・7日の京都のカフェライブへは行けないので、今日観ておかないと7月までロストが観れないかもと思い、身体にムチ打って緑地公園へ。


駅を降りて公園へ向かう歩道の緑の美しさに、「ああ、来てよかった」と思った。



会場に着いたらとっくにライブは始まっていて、ステージを横目で見ながら友人たちのいる場所を探して近づき、挨拶をした。

その友人の中には、去年の「春一番」で初めて出会った人もいて、「ああもう1年経ったのだな」と感慨深かった。

1年経っても同じ顔ぶれでライブが観れるのは幸せだね。



わたしは去年からしか知らないけど、この「春一番」ほど歴史があって、ゆるいイベントは他にないと思う。

出番まで間があるアーティストや、出番を終えたアーティストが、観客席でビールを飲んだり他のバンドのライブを観たりしているもの。


わたしが着いたとき友人が、「さっきまであそこで海北くんが、こっちで源ちゃんがライブ観てたよ。」と近くの席を指差して教えてくれた。



ステージを中心にすり鉢状にイス席が並んでいるが、ステージまん前には少しスペースがあって、自分のお気に入りのバンドや歌い手さんが登場したらそこに移動したり、みんなで踊ったりできる。


バンドによって入れ替わる客を嬉しそうに眺めながら、ステージの端のほうでずっと踊っておられるのは、関係者の方だろうか。(なかなか年齢が高い方が多い)

車椅子の方もたくさん来られている。

そこにいるみんなが春の訪れを喜び、好きな音楽やひとに出会えたことを喜んでいるのがわかる。

開催がゴールデンウィークになると、毎年参加というわけにはいかないかもしれないけど、できるだけ来たいと思う。

それだけ気持ちいいイベントだ。




わたしが着いてから4組めくらいでロストの登場。

友人たちとステージ前のスペースへ。


最初からそこで座って観ておられる方も多かったので、わたしたちも体育館座りをして観ることにした。

去年よりたくさんのお客さんがロストのライブのために、前に来ているみたいだった。




lost in time


01.合い言葉 
02.柊
03.一つだけ
04.足跡
05.呼吸



(アコースティックなので、バンド名は小文字表記です)


●「僕ら、初めてここに呼んでもらったのは22歳の頃でした。今年30歳になりました。」


と、海北くんが言うと、「おめでとうー!」と野太いおっちゃんの声が聞こえて大きな拍手が。



●「こんな暑い日なのに、僕ら暗い曲しかできなくて・・・

涼しくなってください(笑)


声には北向きと南向きがあると聞いたことがあります。

僕は東北生まれなので、どうしても北向きなんでしょうね・・・」


ものすごく納得!(笑)


“柊”が聴けるとは思えなかった。嬉しかった。




●「これからも来たいので、また呼んでください!」


大きな拍手。


風太さん(ハルイチ主催者)が好きだと言ってくださった曲を最後にやります。」



“呼吸”



聴けば聴くほど好きになる曲だなあ。

アコースティックライブには欠かせない曲だね。




ところで、わたしの斜め後ろに高校生くらいの男の子がひとり座っていたのだけど、その子に見覚えがあった。

去年ここで初めて会った子。

ロストが初めて春一番に出演した頃彼は小学生で、その子がもう高校生!って去年MCで海北くんが驚いておられた。


気になって時々振り向くと、彼はまっすぐにステージを見つめて、どの曲も口パクで歌っている。


ああ、本当にロストが好きなんだなあ、と胸が熱くなった。




ライブはあっという間に終わってしまったけど、満足して席に戻った。



会場の隅っこのほうに、何かオーラの違うひとがいる!と思ったら、出番を終えた三宅伸治さんだった。

気づいたお客さんが声をかけて話をしたりサインをしたり、あくまでもゆるい雰囲気で。


ステージではレゲエのバンドが演奏中で、ゆらゆら踊る人多数。



そのあと何組かのライブを観て、曽我部恵一さんや押尾コータローさんも観たかったけど、自分の体調と翌日の仕事を考えて撤退。


帰るとき、観客席におられた源ちゃん・三井くんにご挨拶したら、「僕ら曽我部さん観てから帰ります。」と三井くんが。

いいなあ。

でも、ここは無理せず撤退だ、やっぱり。


帰る道すがら、祝春一番のHPにあった、福岡風太さんの詩を思い出した。


 ケータイあったら 何にもいらん
 ぜーんぶできる 何でもできる
 そーんな生活あきません
 ほんまに いるもん 持ってますか?



祝春一番HPより)



春一番に来ると、忘れていた何かを思い出す。そんな気がした。