星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

THE NOVEMBERS “Misstopia” release tour “find a pilica”@心斎橋クラブクアトロ(5/8)





午前中、近くの病院を受診した。

連休中から咳とノドの痛み、鼻水が止まらない。おとといは38度の熱が出た。


そこのドクターに「このところ、花粉や黄砂のために咳のひどい患者さんが多いんですよ。」と言われた。


急に暑くなったりまた寒くなったり、花粉が飛んだり黄砂が飛んだりの不安定な気候の中、健康を維持するのは大変だ。

こんなときツアーを回るのは大変だろうな。特にボーカルは。


高校時代に田舎の市民会館に見に行ったあるバンドのコンサートで、女性ボーカルがノドをやられて公演が中止になったことを思い出した。

ギリギリまでやりたかったに違いない。中止と発表されたのは、開場後だった。


集まったたくさんのお客さんを前にして、バンドメンバー全員が2階に上がる階段に並んでお客さんに頭を下げられた。ボーカルの女性の泣き出しそうな顔を今も覚えている。


そして、3年前の神戸でのピロウズのライブ。

さわおさんの声が出なくてセトリを替えて曲数減らして、中断しながらなんとかやりとげたライブ。


それから、大阪のセカンドラインでのライブ前に成山くんに外ですれ違ったとき。

成山くんは大きなマスクをされていて、尋ねると、「ノドをやられたら大変だから。」と言われていた。


ボーカルにとって、ノドは交換できない唯一無二の楽器だものなあ。




去年の11月に梅田シャングリラでノベンバーズのワンマンがあった。

が、チケットを取りながら、体調を崩して入院してしまったため断念した。

なので、今回のワンマンをとても楽しみにしていた。

なのに、おととい熱が出たときには、目の前が真っ暗になったよ。

なんでまたこのときに、って。

ノドが痛くなったときに前の症状と似ていたのでどきっとしながらも、一番に心配したのが今日のライブに行けるだろうかということだった。

たいしたことなくて、行けることになってよかったなあ。


そんなことを思いながらクアトロへ向かった。






クアトロに着いたら非常階段のところに入場待ちの列ができていた。

その中に、よくノバンバーズのライブで顔を合わせる東京の男性を発見。ご挨拶をした。


開場。


去年のカウントダウンのときに友人が取ってくれたチケットだったので、番号が早く少し右よりなら最前列に行けたが、やっぱり小林くんの表情が見たかったので、ボーカルマイク前3列目に行った。

さきほどあった彼もいたので、開演待ちの間にあれこれと話をした。


彼は昨日の名古屋ワンマンにも行ってきたそうだ。

小林くんのノドが不調そうだった、と。

さっきまで考えていたことを思い出した。

普段から、絶叫したり高いキーで歌ったり、自分の身を削るような歌い方をする小林くんなので、心配だ。


でも、こうしてライブが行われるので、大丈夫なんだろう、きっと。


SOLD OUTにこそなっていなかったが、会場はお客さんでいっぱいだった。

遠征の人もたくさんおられるようだ。




開演。


1曲めが“ウユニの恋人”で、ちょっと驚いた。

大好きで最近ずっと聴いている曲。<セットリスト>


01.ウユニの恋人
02.pilica
03.she lab luk
04.Figure 0
05.アマレット
06.ブルックリン最終出口
07.Exit
08.僕らの悲鳴
09.パラダイス
10.keep me keep me keep me
11.philia
12.sea's sweep
13.Gilmore guilt more
14.dysphoria
15.こわれる
16.dnim
17.バースデイ
18.Misstopia

En1
01.最近あなたの暮らしはどう
02.tu m'

En2
03.白痴




ノドが不調、と聞かされれば、確かに高音部分が苦しそうだけど、いつものように絶叫して、いつものように間奏のときケンゴさんのほうを見て叫ぶ小林くん。


最近のノバンバーズのライブ、お客さんが増えて前に行けなかったけど、久しぶりに小林くんの爪まで見える位置だ。

伸びた金色の髪の毛が歌い始めるときに口に入りそうになって、くちびるを尖らしてふっと吹いたり、歌っているとき頬がピクピクするのまで見える。

今日はワンマンだから、ノベンバーズの世界を堪能できる、といまさらながら気づいてドキドキしてきた。



(以下、MCは順不同。だいたいです。)


●2曲終わって、「こんばんは。ノバンバーズです。僕から見たら『大阪』な曲をやります。」


“she lab luk”


なぜ『大阪』?

う〜〜〜ん・・・わからん。



そのあと“Figure 0”


初めてライブで聴けた。早くも壊れそうになる。

赤色が中心の照明だったが、この曲の最後のほうで1拍休符のあと一斉にガンっと全楽器が鳴る瞬間だけ緑色の照明に変わった。めっちゃかっこよかった。



●「あらためまして、ノバンバーズです。よろしくお願いします。」

と言ってからギターをチューニングする小林くん。

じっと見守る客。


「今日は僕らしか出ないから、みんな僕らを観にきたんですよね?」

って、なぜ確認を?あたりまえじゃん!(笑)



ノベンバーズの曲のノイズがとても好き。

ギターを乱暴に扱っているように見えて、実はとても繊細に弾いている。小林くんもケンゴさんも。


小林くんの姿勢がきれい。



ギターのネックや弦が巻いてある付近をはじいて音を出しているんだ、へえ!

近いといろんなものが見えて、特に小林くんがギターを弾くところがよく見えて、すごくおもしろかった。


●「静かな曲をやります。」


“keep me keep me keep me”

左右後方から小林くんに照明が当たって、後光が射したみたいになって金の髪がキラキラ光った。

この世のものではないくらいきれいで、息が止まりそうだった。


続けて“philia”


なぜだか風を感じる曲。


ここは音響がイマイチだと思うのだが、今日はそんなことは気にならなかった。

小林くんの表情がよく見えるせいか、伝わってくるものがあって、何度か胸が詰まった。



●じっと客のほうを見て、

「草食動物(だっけ?)じゃないから、(両手を身体の前、90度くらいに広げて)はっきり顔が見えるのはこのへん。

(両手を160度くらいに広げて)視野に入るのはこのへん。

でも、見えてます!」


左手をかみて後方のお客さんに向けて上げて、次にしもてのお客さんのほうに右手のひらを向けて。


こんなにお客さんを意識したMC、聞くの初めてかも。

心が開いている感じだ。



●小林「(ベース・高松くんのほうを見て)物販の説明を王子がします。

ご静聴お願いします。」(笑)


王子!?いつから!?(笑)


高松くん、手にステンレスボトルを持ってその説明を。

イマイチ要領が得ないけど、どうやらワンマンの会場限定のようだ。


高松「いろいろなものが入ります・・・ケンゴくんは何を入れますか?」

小林「薬用養命酒だよね?」(爆)


チューニングしていたケンゴさん、苦笑いしながら「・・・ダシ汁とか?」(笑)


小林「利尻昆布とか!?」(笑)




小林「みんなとしてはあと何が聞きたいのかな?曲じゃなくてMCね(笑)・・・僕としては、もうひと笑いほしいとこなんだよね。」(笑)


小林「昨日、名古屋で、すべったんで・・・これ以上ないくらい、K点越えするくらい(笑)

『KOBAYASHI』の『K』ね!」(爆)



客の反応を嬉しそうに見て満足そうに、

小林「じゃあ、好きな曲聴いてもらって・・・僕らは曲をやります。」


いつから小林くん、笑いを取るようになったんだ?そんなキャラだったっけ?でも、かわいい!(笑)




●小林「22日、また大阪に来ます。(RUSH BALL☆R)

音量制限のある野外で(笑)


(ケンゴさんを見て)セットリスト、どうしましょうか?」


ケンゴ「(右手で指折りしながら)白痴・白痴・白痴・白痴・・・」(笑)


小林「アコースティックで!」(爆)


(白痴→曲半分以上が絶叫する曲)




●“Gilmore guilt more”だったかな?

小林くんが激しく身体を揺らして、ギターを肩から降ろしてベースアンプの上に乗って、叫んで飛び降りた。

そしてハンドマイクで客のほうに向かって絶叫。

野生の動物みたいだった。しなやかできれいな。



●“dysphoria”〜“こわれる”〜“dnim”の流れは、発狂しそうだった。

カオス、なのに美しくて光が射す感じ。


そのあとの小林くんのMC。

「どうもありがとう、ノーベンバーズです。ほんと遅くまでこうやって残ってくれてありがとう。

僕、ほんとに大阪好きなんです。


今日、病院に行ってました。

お医者さんに、絶対叫ばないようにね、と言われたので、叫びませんよ〜、と言ってもらってきた2日分の薬・・

さっき全部飲みました。」


ええっ!?

叫びまくってたやん!!

「でも・・今日声が出せたのは・・・

ここにいるみんなの・・あなたがたの・・あなたのおかげです。


みんなのおかげやで!(笑)


・・・照れくさいのでネタにしましたが、

ほんとに感謝してます。ありがとう!」


なんでーーー!?そんなムリして・・・


思わぬ関西弁と話の内容に、小林くんをハグしたくなった。




“バースディ”


 ねぇ 窓を開けて 僕を見て
 何か素敵な話はある
 朝のミルク 子供達 幸せを形にしてみたい



やばい。泣きそうだ・・・



“Misstopia”



 ああ君の心の 柔らかいところで
 僕は膜になりたい すべてを許せるように



涙?

最後のほうで、小林くんの右頬をキラキラしたものが流れた。

多分汗だろうけど、一瞬涙に見えてドキッとした。

銀色に輝いていた。





●アンコール。

ノドのことを聞いてしまったので、アンコールを求めるのはどうなの?と思いつつ、客電が点かないことに甘えて手拍子を。


メンバー、再登場。


「アンコールどうもありがとう、ございます。

みんなほんとに遅くまでどうもありがとう。

今日は急遽(曲を)変更して、最近やってない曲をやろうと思います」



“最近あなたの暮らしはどう”


3年くらい前、まだ曲も知らない頃、初めてノベンバーズのライブを観て知った曲だ。

この曲なら・・・叫ばなくていいもんね。



“tu m'”


長い長い夢を見ていたようだ。

彼らの描き出す美しい世界に、すっかり溺れて。


 言葉は置いていこうかな
 心を見せ合うために




●Wアンコール。


ムリだったら、もう出て来なくていいよ。と、心で話しかけながら。


ライトが点いて、まず高松くんが低位置について、続いて出てきたケンゴさんが高松くんの頭を手のひらでくしゃくしゃっとして。

ドラムの吉木さんは、淡々と。


最後に出てきた小林くん。


「お医者さんから叫ぶのを止められているので、叫ばない曲を・・・」


みんな一斉に大きくうなずいた。


「“白痴”」


えーー!!

おおっ!



そのときの小林くんの、いたずらっ子のようなクリンとした目。

笑ってたよね?


やるからには、わたしも全力で楽しもう。



 何を知った?ねぇそれ何の血?
 ねぇそれ何の血?


小林くんの絶叫に合わせて全力でヘドバン。

会場に渦が起こった。



最後に、小林くん、「また来るで」って言われたらしい。

聞き漏らした!(笑)



福岡ライブのときにも書いたけど、曲のときと、MCのときのギャップが大きすぎる。

しかもMCで笑いを取ろうとするし(笑)


そのギャップが素敵すぎる。



今日は素晴らしいライブだった。

でも、ノドが心配。

次まで5日くらい開くので、しっかり治してくださいね。



そうだ、ダシ入れ買わなくちゃ。