チケットを取りながら、前日の名古屋のライブに行けなかった。
自分でも思っていたよりショックが大きく、ちょっとぐれそうになった。
チケットは人に譲ることができてムダにならずに安心したけど、実際にチケットを郵送するときに心が痛かった。
でもまあ、行きたいライブに全部行けるわけでもなく・・・まだ大阪のライブに行けるし・・・
と、自分に言い聞かせたが、大阪は魔の月曜日。仕事が終わらなかったらどうしよう、スリーピーのツアーで、1回も自分がライブに行けないなんて想像したこともなかった。
考えてみたら贅沢な話で、行きたくてもいろんな理由で行けないひともたくさんおられるだろうから、もし行けなくても取り乱さないようにしよう。
なんて、しょうもないことを悶々と悩むほど、スリーピーはわたしにとって大切なバンドなのです。
当日、これ以上にないくらい真剣に仕事をして(←おい)、無事に開場時間前にシャングリラに着いたときには、心底ほっとした。
今月はラッキーなことに3回も彼らのライブが観れるが(うち1回は成山内)、このあとまったく予定がない。CDJには行かないし。
なので、今日はしっかりスリーピーの音と遊ぼう、と思った。
開場前からちらほら友人・知人の顔が見えて落ち着いてきたが、いつのまにスリーピーのライブに来るようになったん!?と思うようなひとにも出会って驚いた。
お客さんもたくさん集まってきて、そういえば彼らの大阪初ワンマンはここだったなあ、と思い出した。
大阪のワンマンに限って言えば、
2008.3.7 梅田シャングリラ
↓
2009.5.19 福島 LIVE SQUARE 2nd LINE
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2010.1.16 umeda AKASO
↓
2010.11.29 梅田シャングリラ
意味もなくそんなことを反芻したりして、ちょっと自分のテンションがおかしいな、と感じた。
開演。
SEは、初めて聴くピアノの曲だった。<セットリスト>
01.アクアリウム
02.夢の花
03.四季ウタカタ
04.インソムニア
05.spinal code
06.(新曲・仮タイトル/ゴジラ)
07.街
08.なんとなく
09.君と背景
10.メロディ
11.(新曲・仮タイトル/どんぐり)
12.sonar
13.遊泳スローモーション
14.かくれんぼ
En
01.雪中花
02.ねむろ
“アクアリウム”から始まって、続いて“夢の花”
5月の大阪城野音で、マイクテスト的にこの曲のワンフレーズを成山くんが歌ったとき、初めてスリーピーを観る友人が、「すごい声!ぞくっとした!」と言っていたのを思い出した。
久しぶりに聴く“夢の花”だ。
そのあと「こんばんは。札幌から来ましたスリーピーです。」と成山くんが短いMCをして、4曲連続して。
“四季ウタカタ”でゆらゆらして、“インソムニア”でダークな世界へ。
そして“spinal code”
とても好きな曲。これもすごく久しぶりだ。最初、タイトルを「脊髄」って覚えた曲だ(笑)
生かされるこの身よ 深く沈めるまで
永遠に踊ろう 気が触れる
↑この部分のメロディが背中を這い上がって、その気持ちのよさに昇天しそうだった。
ゆらゆらが大きくなって倒れそう。
で、次の曲。
聴いたことない!新曲だ。
ちょっと“インソムニア”に雰囲気の似た、ダークな曲。
タイトル、言ってくれるかな?
この4曲で、すっかり汗をかいてしまった。スリーピーのライブでは珍しいこと。
●このあとだったか田中くんが、今アルバム製作中でもう少しでできあがる、という話をされて、
録音中、メンバー同士意見が合わないとギスギスした雰囲気になるけどそれはそのときだけで、
「実はスリーピーを11年(12年って言われたかも)やってきて、メンバーが仲良くなったのは最近です。」(笑)
そんな話から、昔津波くんのところに山内くんが電話をかけてきたときの話に。
津波「僕はインドア人間なので(笑)、ある日家にいてぼーっとしていたら、山内から電話がかかってきたんですよ、『今何してんのー』って。」(笑)
成山「なんて?」
津波「『美術館でも行かない?』って。」(笑)
成山「そんな言い方だったの?」
山内「(マイクなしで)ん?違うよー『美術館でも行く?』」
津波「そんな都会的な言い方じゃなかったよー。函館から出てきたばっかりだったろ?」(笑)
相変わらず山内くんは、本人は嫌がるだろけど、かわいい!(笑)
“街”
ありふれた日常に 心を委ねて
来年の今頃は 君はどこにいる
大好きな曲だ。
この前札幌に行ったとき、この曲をipodで聴きながら街を歩いたよ。
“なんとなく”
成山くんの声と山内くんのギターがとても美しく、気持ちよく響いた。
“君と背景”
この曲は、あまりの気持ちよさに意識が飛びそうになるときと、めっちゃ感動するときがある。
何気ない言葉に
見透かされて涙流れてゆく
・・・気づいたら涙目になっていた。今日は後者だ。
“メロディ”
そんな・・・畳みかけるように・・・(笑)
美しい曲やダークな曲、それから心を包むような曲。
いろんな曲に囲まれて、“メロディ”はいつも凛と立っていて、心を照らしてくれる。
堪えていた涙が落ちた。
●田中くんが、新曲のタイトルが決まる前にメンバーの共通認識のために仮タイトルをつけるんです、と言われた。
そういえば“ドレミ”も仮タイトルからそのままタイトルになったね。
田中「さっきspinal codeの次にやった暗い曲もまだタイトルがなくて、仮タイトルは・・・“ゴジラ”です。」(笑)
“ゴジラ”ぁ〜〜?(笑)
そのままタイトルになるかはわからなくて、いやそれは無いでしょ、と口々に言われて、
田中「いやいや。」(笑)
成山「・・・ほら、あれは?・・・・“キングゴジラ”!」(笑)
田中「ゴジラにこだわらなくても。」(笑)
どんなタイトルになるか楽しみ(笑)
成山「では次も新曲です。仮タイトルは・・・“どんぐり”」(笑)
これがまた・・・美しい曲だった。(少し歌詞覚えたつもりが、忘れてしまった)
ベースが、おもしろかった。跳ねてるみたい。
“sonar”
漂って漂って、自分が透明になれるような気がした。
この曲は絶対ライブで聴きたい曲。
“遊泳スローモーション”
きっと、体調悪いときにライブで聴くと酔っちゃうかも。
音に乗っかってうまく揺れると気持ちいい。
“かくれんぼ”
イントロのギターの音が印象的。
あれは何かを表わしているんだろうか。
木立の間を吹き抜けていく風のような。
ゆるーいテンポの曲なのに、「はっ」としてしまう。
●アンコール。
田中くんによると、新しいアルバムは2月発売予定で、そのあとのツアーはおそらく春になってから?
そんな・・・遠すぎるよ。
そして、僕らは普段曲を作るのに季節を意識しては作らないけど、みたいなことを言われて、
これは冬の・・・11月から始まる北海道の冬の曲。
“雪中花”
雪の舞う冬の曲。
でもわたしはなぜか、暖かさを感じてしまうよ。
「街の灯り」とか「夜が明けていく」とか、「朝を迎えて」という歌詞が、光を与えてくれるからかもしれない。
スリーピーの音楽そのものだね。
最後に“ねむろ”
この曲で何度泣いただろう。
そしてこれから、何度泣けるだろう。
出会えたことは幸せだけど、それは別れの始まりで・・・
つい最近、亡くなられた患者さんのことを思い出して、急に現実に戻されながらも、いや今ここでスリーピーの音楽と向き合っている自分も現実で・・・
なんてぐるぐるいろんなことを考えていたら、涙が止まらなくなった。
ああ、なんでいつもこんなになっちゃうんだろう。
でもきっと、音楽を聴いて泣けるのはとても幸せなことなんだ。
わたしはここで、いつまでもいつもでも、あなたたちの鳴らす音を聴いていたいよ。
終演。
まだまだ聴き足りないけど、終わってしまった。
ドリンクカウンターを取り巻くように、お客さんが並んでサイン会。
長蛇の列だったなあ。
わたしも2枚目の“かくれんぼ”を買って、サインをいただいた。
メンバーさんとひとことずつお話して握手してもらって・・・山内くんだけ遠くて届かなかったけど(涙)
最後に成山くんにサインをしてもらって、「春までは長すぎます!また来てくださいね!」と言うのが精一杯だった。
もっと何か、伝えたいことがあったはずなのになあ。
スリーピーのライブでもらったものは、
いつも心の引き出しに入っていて、
時々開けて手のひらに乗せてみると、
どんなに時間が経っていてもそれはきらきら輝いて、
曇ったわたしの瞳まで、きらきらにしてくれるんだよ。
スリーピーの音楽は、わたしのたからものです。
そんなふうに言えるわけもないので、ここにこっそり書いておこう。