LOST IN TIME TOUR 2010〜2011 “LOST & FOUND”@梅田 Shangri-La(12/9)
(下にセットリストあり)
名古屋や下北沢まで行ってライブは観ていたものの、関西でのバンドスタイルでのワンマンとなると、昨年10月までさかのぼる。
そのときもここシャングリラだった。札幌の友人と一緒に観た。
昨年の7月にはtacicaの対バンツアーに出演したロストを追いかけ、その友人と帯広・札幌のライブに行った。
また、帯広で出会ったロストファンの女性は、地元の方と思ったら関東からの遠征とわかりびっくりしたり、かと思えば数年前のリキッドルームでのライブのとき、ライブハウス前の歩道橋で大阪の友人とばったり出会ったりしたこともある。
LOST IN TIMEというバンドが好きであちこち旅しているうちに、たくさんのひととの繋がりができ、たくさんの思い出ができた。
好きなバンドの音楽を聴く・ライブを観る、ということと同じくらいに、ひとや街との出会いが楽しみで、あのときあの場所で聴いた曲を聴くと、当時の思い出が蘇ってくる。
わたしにとって、ロストの曲にはその曲の持つ本来の力以上に、大きな何かがあるのだ。
その何かって何?と聞かれてもうまく答えられないが、その何かに会いたくてまたライブに行くのだった。
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今までのロストのライブに比べて、男性のお客さんが多かったように思う。
自分の友人だけでなく、ロストのライブのたびに見かけるひとの顔を見てほっとしたり、仕事のあと駆けつけたらしいスーツ姿のひとを見て嬉しくなったり。
そしてここに来れなかったひとに思いを馳せたり。
ロストのライブ前はいつも、精神活動が忙しい(笑)
開演。
ステージかみてからメンバー登場。
緊張してきた(笑)<セットリスト>
01.ひとりごと
02.青よりも蒼く
03.勲章と傷
04.柊
05.合い言葉
06.イロノナイセカイ
07.忘れもの
08.ニジノシズク
09.一つだけ
10.グレープフルーツ
11.進む時間止まってた自分
12.夢
13.声
14.その名前を
15.スピンオフ
16.ココロノウタ
17.所在なき歌
18.なくした歌
19.希望
En
01.陽だまり
02.約束
En
03.線路の上
(※3曲目と4曲目が逆だった・・・かもしれません)
アルバム“LOST & FOUND”はもちろん聴いているし、そのほぼ全曲を9月の海北くんの弾き語りライブで聴いていたが、バンドでやるのを聴くのは初めてだ。
ああこの曲はこんな表情をしていたのかと驚いたり、イメージが少し違ったりしながらも、3人の演奏と海北くんの歌にどんどん引き込まれていった。
久しぶりに“柊”が聴けて嬉しかった。
5年前の11月、神戸の旧タワレコであったインストアライブが初めて観たロストで、その1曲目が“柊”だった。
そのときの光景がぶわっと蘇ってきた。
(以下、MCはうろ覚えです)
●「拳を上げたかったら上げていい。目を閉じたかったらしっかり閉じたらいい。あなたの好きな聴き方で、楽しんでください。」
●「CDを出したとき、聴いてもらえるか不安だった。
ライブでお客さんが集まるのか不安だった。
でもここから見る風景は・・・嬉しいです。」
そして、「お帰りなさい」という感じ、それはずっと見てくれているひとや、久しぶりに見にきてくれたひとにだけではなくて、
初めてロストに触れてくれたひとに、この場所に来て「ただいま」って言ってもらえるようになれたら、と。
そんな言葉のあと聴いた“合い言葉”、とてもよかった。
イントロの三井くんのギターと海北くんのベースがきれいだった。
“イロノナイセカイ”を聴くと、これまた5年前のBIG CAT、初めて観たワンマンを思い出す。
●“ニジノシズク”という曲について、「ラブソングのようにも聞こえるけど、実はバンド仲間を想って作った曲。」と言われて、
「この曲は3人でもできるけど、もうひとり・・・アコースティックギターがほしいので、ゲストをお迎えしました!」
紹介されて登場したのは、SOUTH BLOWのセキシン!
いつものように裸足で。
つい1週間前にゲストをお願いしたのに快く受けてくださったというセキシンは、前日あったライブの打ち上げにも行かず、「夜中も練習しました!」(笑)
そしてその成果はバッチリで、4人で演奏する“ニジノシズク”はとても素晴らしくて、サビの部分にコーラスを入れるセキシンの声もよく通って、
何より4人がとても楽しそうだった。
ただそれを観ていたつもりのわたしなのに、気づいたら泣いていた。
なんだ?この涙は。
数年前のロストは、対バンライブがとても楽しそうで、海北くんは自分達のことより対バン相手の宣伝をして、その相手もロストがとても好きなのがわかって。
そういうバンド仲間って、親友だったりときにはライバルだったり嫉妬の対象だったり。
でも結局、音楽を続けていきたいという気持ちはお互い分かり合っていて。
詳しくは知らないけど、SOUTH BLOWというバンドも、今までいろんな苦しいことがあって大変だっただろうけど、今こうやってセキシンは歌っている。
あの頃の僕が 辿り着けずにいた
光輝くあの場所に向けて 今やっと歩き出しているよ
君が走ってた 日々を追いかけて
寂しくなったら振り返るから その時には虹をかけてよ
ひととひとを繋げる、ロストはそういうバンドなんだね。
曲が終わるとセキシンは、海北くんとハグし合って、源ちゃんとハイタッチして、三井くんと2度握手をして、大きな拍手に見送られて退場。
そのあとステージはアコースティックセットに。
●“一つだけ”
3人とも座って(源ちゃんはカホーンに座って)、海北くんはベース、三井くんは青いギター(だっけ?)
源ちゃんと三井くんのコーラスがきれいだった。
“グレープフルーツ”
海北くんはギター。
曲をやる前に、片思いのあなたへ、みたいなことを海北くんが言われた。
切ないいい曲だなあ。次のアルバムに入るのかな?
そのあと海北くんはステージ中央に置かれた新しく買ったというピアノの前に座って、「高かったんだよねー(笑)でもいい音出るんだよ。次の対バンツアーも持って歩こうと思ってます。」と。
“進む時間止まってた自分”
源ちゃんがドラムに戻って、海北くんはピアノ、三井くんはブズーキ。
ブズーキはギターのような形をしているけど、4本の弦に複弦があって、8本の弦の楽器。アイルランドやギリシャの音楽に使われているそうだ。
この音がとても美しい。
ふくよかな音。寂しさと楽しさの両方を合わせて弾いているような。
「それでも毎日、僕らは夢を見ます。」という意味のことを海北くんが言われて始まった、“夢”
海北くんピアノ、源ちゃんドラム、三井くんがベース。
三井くんのベースは、間奏になったらベースの高音の弦を使ってギターのようなメロディを弾いて、おもしろかった。
“声”
海北くんピアノ、三井くんはギターに戻って。
「この曲を初めてピアノでやったのは大阪でした。
前の・・・バナナホール。
バナナホールの周りはゲイバーが多くて、それでバナナホールって狙ってるのかな?と思って聞いたら、“狙ってる”って!
さすが大阪!」(笑)
以前ライブを観ていたけどしばらく離れていて、久しぶりに観に来たひとも多かったのか、昔の曲になると「はっ」と息を呑んで空気が変わるのを感じた。
●“その名前を”からは従来のバンドセットに戻って。
“スピンオフ”がめっちゃよかった!
今 分かったんだ 意味の無い存在なんて 無い
この曲だけじゃないけど、三井くんのギターに惚れ惚れした。
ギターには人間性が出るよね?三井くんのギターは本当に素敵!
●「僕らがなくしたり忘れたりしたものを、見つけて預かっていてくれたのは、あなたです。」
“なくした歌”
再び泣きそうになった。
●「ここにいるみんなが、僕らの希望です。」
“希望”
拳を上げながら、涙ぐんでしまった。
以前からの曲と新しい曲が、違和感なく存在し合って心に迫ってきた。
ロストに出会ってよかった、好きって言い続けてよかったなあ。
●アンコール。
“陽だまり”
ロストには数少ない暖かい曲(笑)
こんな曲を結婚式で歌ってもらえるなら、何回でも結婚したいわ(笑)
「また会いましょう」の約束のために、
“約束”
Wアンコール。
“線路の上”
なぜだかわからないけど、この曲には大阪のイメージがある。
5年前、十三ファンダンゴで聴いて、とても感動した記憶がある。
そして初めて海北くんとお話して、サインをいただいたのもこのとき。
こういう記憶は薄れないなあ。
昨日食べたものなんてすぐに忘れちゃうのに(笑)
終演。
印象に残っているのは、周りのお客さんのライブ中の様子。
それぞれの楽しみ方ではあったけど、ひとりひとりの心がロストの音楽と向かい合っているのを感じた。
いいなあ。
この日は聴けなかったけど、大好きな“証し”という曲の歌詞が頭の中でリフレインしていた。
ああ 言葉よりもっと心の近くで
僕は歌いたい
出会えたひとそのすべてが 僕の歌う理由
また今日も会えたよ、見えない何かに。
ありがとう。