星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

plenty presents『今日は秋分の日』vol.2@心斎橋クラブクアトロ(9/23)

ゲスト:PERIDOTS (peridots バンドVer.)


心斎橋クラブクアトロのあるパルコビルが、老朽化のため今月限りで建て替えになるらしい。

20年の歴史に幕を閉じるクアトロが、新しいビルに入るのかどこか違ったところに移転するのかは不明。



音響がいまいちで、ここに文句を書いてみたりもしたけど、最近は改善されていたので閉館がとても残念。

このクアトロにわたしが来るのは今回で21回目。(+ミナホのときに5〜6回?)


前回来たのは2010年12月4日の小林太郎くんのワンマンだった。

ずいぶん間が開いちゃったな。



初めて来たのはいつだろう、と調べてみると、2005年4月28日、syrup16gのワンマンだった。

この日のperidotsは大文字表記なのでバンドバージョン、おそらくドラムは中畑大樹さん。

最初も最後もダイキちゃんに会えるのかー、と思うと灌漑深い。



パルコビルに入るとサヨナラセールが行われていて、エレベーターにも「サヨナラ」の文字が。




クアトロのある8階に上がってライブハウスの前の写真を撮った。

ここのライブで初めて出会ったひともたくさんいるなあ。できるだけ早くどこかで再開してほしいな。

開場前に狭い非常階段に並ぶのも今日が最後か。ちょっとしんみりした。







plenty 主催の『今日は秋分の日』のイベントは去年も行われたらしい。


もらったフライヤーにはメンバーのコメントが書かれていて、


「(秋分の日は)昼の長さと夜の長さが等しくなる日らしく、ツアーマンで同じ時間ずつライブをやるにはピッタリだと思ったからです。」


なるほど。


「それでは皆さん、家に帰るまでが秋分の日です。気をつけて帰りましょう。」


そりゃそうやろ(笑)



などとツッコミを入れながら開演を待った。




PERIDOTS


01.リアカー
02.My Mind Wanders
03.Head to Toe
04.Nothing is Coming
05.Raining,raining
06.follow the stars(in your heart)
07.メトロ
08.オールライト
09.長かった一日が終わろうとしている
10.労働
11.どこへ



いつものように白シャツのタカハシさん。

女の人のベースでペリを観るのは初めてだ。


おお、「リアカー」始まり!




1曲終わって「ペリドッツです!最後まで楽しんでください!」とタカハシさん。



終盤までMCなしで。



「Raining,raining」を聴くのが久しぶりで、すぐにタイトルが出て来なかった。




「follow the stars(in your heart)」のあとタカハシさん、無言でダイキちゃんのほうを向いて、始まったのは「メトロ」

この流れがとてもよかった!どちらもすごく好きな曲。





ペリドッツです。はじめましての人は、はじめまして。


・・・メンバー紹介をします。

えー・・・最近痩せた、山田タカミ君。ギターの人です。(笑)

・・・最近太ったダイキちゃん。ドラムの人です。(笑)

体型が全然変わらない、タバサちゃん。ベーシストです。(笑)」



まんまなメンバー紹介(笑)


はじめましての人に、タカハシさんは名乗らず(笑)




「plentyさんとは今回初めて会って、一緒にやるのも初めてなんですけど・・・

みなさんと全然関係ないところで繋がりがあって。

ペリドッツでやってた人スタッフやディレクターが今plentyでやってたり。

plentyさんとは、まだはっきりとは言えないんですけど今後深く繋がることがあって・・・一緒になるとかじゃなくて。


・・・聞いててイラッとするでしょうけど(笑)」


はい、イラッとしました(笑)



「僕、他の人が歌っているのを聴いて、キー高っ、って思うことはほとんどないんですけど(笑)珍しいですね。」


とplentyの江沼くんのことを。確かに。



「今日は打ち上げもあるんです。打ち上げって、毎回あると思っている人もいると思いますけど、そうじゃないんですよ。

終わったら“お疲れさま〜”って帰っちゃうことも。

今日は打ち上げもあるので楽しみです。これもみなさんとは関係ないことですけどね。(笑)」




「オールライトという曲を。」


わたしの周囲にはペリドッツファンのひとが結構いて、「おお」とみんな思わず声が出たのに・・・


イントロでタカハシさんのギターが間違って早く入りすぎて苦笑い。



タカハシ「もう一回お願いします!(汗)」


タカミ「オールライッ?」(爆)


うまい!(笑)




「長かった一日が終わろうとしている」この曲聴くのは1年ぶり?いやもっとかな?


高い声がのびやかに出ているタカハシさん。




「心斎橋クアトロは、9月で閉店ということで。

前回出たのはいつだったかなと考えてみたら、キマグレンとの対バンでしたね。

今クスッと笑った人は、何なんでしょう。(笑)



またどこかに、形を変えて現れるんでしょうけど、最後に出ることができて良かったです。ありがとうございました!」



そういえば、キマグレンとの対バンのフライヤー見たことあった。すっかり忘れてた。

平日で行けなかったけど、「これまた色違いな組み合わせ」と思ったんだった。




「どこへ」


 花のぬくもりに埋もれて
 星の軸足に触れていた
 夏が今過ぎ去ったのは
 もう誰の目にも明らか



この歌いだしの歌詞が大好きな曲。


ああ、peridots(アコースティック)でもPERIDOTS(バンド)でもいいから、また関西でワンマンをやってください!



そう願いつつステージを下りるタカハシを見送った。




plenty


01.空が笑ってる
02.最近どうなの?
03.からっぽ
04.普通の生活
05.明日から王様
06.大人がいないのは明日まで
07.拝啓。皆さま
08.少年
09.枠
10.終わりない何処かへ
11.待ち合わせの途中

En
01.あいという(新曲)
02.人との距離のはかりかた



(セットリストはいただきものです)



去年の11月、GOING UNDER GROUND主催のイベントで初めてplentyを観た。


友人に「リンコさん、絶対好きだから!」って予言され、ボーカルの江沼くんについては「バインの田中くんを若くして毒気を抜いた感じ」「スリーピーよりMC下手だから」って説明された。(失礼なヤツ! 笑)


初めて観たplentyの印象は、若い!声が高い!カーディガン着てる!(←謎)



そのあと何枚かのCD買って、その年のミナホでも観ようとしたがすぐに規制がかかっていたので断念。なのでそれ以来のplenty。

最近ドラムの方が脱退されて、サポートの方らしい。




1曲目からいい感じで入り込めた。

前に聴いたときと何か違う。なんだろう?

江沼くんの声が少し明るくなったような・・・





2曲くらいやったところでMC。


「どうも、plentyです。

今日は秋分の日です・・・次の曲いきます。」


え?もっと話すのかと・・・(笑)




曲の間にお客さんが静まり返っていたら、「なんか・・静かだね。」と江沼くん。

それに勇気づけられて、メンバーの名前を呼ぶお客さん。

そして“江沼くん明日、お誕生日おめでとうございます!”


「あ、ありがとうございます。

・・・みんなよく知ってるねそんなの。(笑)


明日で・・・にじゅうに・さんになります。(え? 笑)


23に、なります。


・・・でもこういう雰囲気になっちゃうと、お祝いのためにパーティーを開いたみたいになっちゃうから・・・やめよう。(笑)」


「去年はね、打ち上げのときにサプライズで祝ってもらって・・・だからたぶん今年も・・・(笑)


(ベースの新田くんを見て) 去年は何だっけ、プレゼント、新田はTシャツをくれたよね?

・・・どう、こういう話されるの恥ずかしいでしょ。(笑)」


(新田くん笑いながら頷く)




前方の客が“江沼くんピックください”と手を挙げた。

「え?今から使うんで・・(爆)」


「こういうの、大阪っぽいね。ものを欲しがって・・・しょうがない人たちだ!」(笑)


がめつくてごめんなさーい(笑)




そのあとも“昨日の広島の(ライブの)話して”“何食べた?”と質問が飛んで、


「おととい台風の中新幹線で広島に向かったら、静岡で台風に会っちゃって・・・

15時間かかって・・・辛かった・・・」


とか言いつつ、「これじゃあトークショーじゃん!」(笑)




「今月いっぱいでこの心斎橋、クアトロがなくなっちゃうんですけど・・・『秋分の日』はこれからも続けていくんで。(拍手〜)


1回目のゲストがPeople In The Boxで、今回がPERIDOTSで・・・

・・・で、ぼくらがplentyで。

なんか『P』のつくバンドばっかになってるんだけど、べつにPしばりとかはないんですよ。僕らが好きなバンドを呼んでいるわけで(笑)


まあ、次回誰を呼ぶか・・・Pの付くバンドを探します。」(笑)




最後の曲の前に新田くんに「何かある?」と聞く江沼くん。

新田「楽しめました。」


“もっと喋ってくださいー”



「大阪に来るといつも、お客さんのペースになっちゃうんだよ!

もう帰る!」(←ちょっと拗ねて)


“えーーー”


「(にこっと笑って)じゃあねっ!」




アンコール。

手拍子がいつのまにか「HAPPY BIRTHDAY」の合唱に。


江沼くんひとり登場。


「・・・誕生日ってそんなに嬉しい?


サプライズって・・・あまりうれしくないんだよね。」



おっ、ツンデレか?(笑)



ひとりでギターをチューニングする江沼くんに、“ひとり?”と客から声が飛ぶ。

その言い方が「彼女ひとり〜?」ってナンパしてるみたいで爆笑!

ツンデレされてもメゲない大阪の客。さすがだ。



新曲のお知らせを。江沼くん楽屋のほうを見て「どこまで言っちゃっていいの?」と確認。

あとでチラシ配るけど、とそのチラシをスタッフさんに持ってきてもらって読みながら。


今までにない新しいメディアの形態で曲をリリースするらしい。

ショートフィルムに、曲が埋め込まれてる感じの。今からその曲をやります。


「曲は出来て、撮影はこれからするんですけど。 なんか、俳優さんが出演してくれるらしいですよ。」


“江沼くんは出ないのー?”


「出ないよ。僕が出ても見たくないでしょ?」


“えー!見たーい!”


「今見とけよー!!」(笑)


すっごい投げやりな感じが・・・大うけ!(笑)

MC、うまくなったよね?間(ま)が素晴らしい(笑)




ギターを準備しながら、ぼそっと「なう・・・」とつぶやく江沼くん。ん?


ツイッターって・・・気をつけないといけないよ。」


んん?


「時間と言葉を落っことすから。」


うん、わかるわかる。


「・・・まあ、いいんですよ、自由なんですけどね・・・自由っていうのもあれだな・・・説教みたいになっちゃうな。まあ、いいです。(笑) 」



その新曲、「あいという」


タイトルはあとで配られたチラシで知った。


今アレンジした、今日しか聴けない曲、と。


弾き語りのせいか江沼くんの声がとてもよく通って、美しい曲だった。

これはぜひ買わなきゃ。12/7のリリースらしい。



最後に新田くんとドラムの方も再登場。


「何か言い残したことはありますか?新田選手。」


いつの間に選手に?(笑)


11月3日になんばHatchであるワンマンライブの紹介を。

もうハッチでやるのね?



「新曲もそのときに演るかも・・・演らないかも。

・・・新曲を演るか演らないかは、あなた次第です。」(←言いながら照れてる 笑)


ラストは「人との距離のはかりかた」



 人との距離のはかりかた
 僕自身イマイチわかってないけど
 君とはずっとはからなくていい距離を見つけたいんだよな
 そう思うんだよ
 信じたいんだよ
 寄り添いたいんだよ
 僕の声が
 届くといいな




CDで聴くより、ずっとずっと良かった。うん。いつまでも江沼くんの声を聴いていたかった。




江沼くんの歌は、ぶっきらぼうのようで繊細、繊細なようで突き放される。

やわらかい笑顔を浮かべながら、後ろ手にナイフを隠し持っている感じ。



ワンマンに行ってずっと聴いていたいような、それはしんどいような、不思議な感覚。


この『秋分の日』が続くならまた行こう、と思った。





終演後、ドリンク片手にフロアを出ようとしたら、前を歩いていた友人が振り向いてつぶやいた。


「さよなら、クアトロ。」



わたしも振り向いて、今いたフロアとステージに「ありがとう」とつぶやいた。