星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

BUMP OF CHICKEN GOLD GLIDER TOUR@神戸ワールド記念ホール(6/21)

2004年11月1日。神戸チキンジョージ

建て直される前のチキンジョージに、BUMP OF CHICKENのライブを観に行った。“MY PEGASUS”TOUR。

それがわたしのライブハウスデビュー。



その頃のわたしは、ライブハウスなんて不良の行くところ、と思っていた(←懐かしいフレーズだ 笑)

なのになぜ行ったかというと、彼らのアルバム『ユグドラシル』にどっぷりはまってしまい、どうしても生の音、生きた声が聴きたくなってしまったからだ。

それ以来ライブ漬けの日々(笑)

彼らを知ったおかげでsyrup16gと出会い、the pillowsとも出会えた。



そしてその音楽を通してたくさんのひとと出会った。バンプの音楽がなければもしかしたら一生出会えなかったひとたちかもしれない。

同じ音楽のもとに集まる、それだけのつながりだけど、大切な大切なものになった。




「音楽を通して、どこまでも広がる大きな世界を知るきっかけをくれたBUMP OF CHICKEN

だから藤くんの顔を見ると“ただいま!”と言いたくなるんだ。」


と2008年3月6日の日記に書いたのは、大阪城ホールでの TOUR "ホームシップ衛星"のライブでのこと。



でも・・・


ここ数年関西や東京では大きなハコやホールでしかライブがなく、地方のライブハウスのチケットは取れない状態。

しかもライブ、というより目に見える活動の間隔が数年開いている。少しずつわたしの中に違和感が生まれてきた。


新しく披露される曲は相変わらずストーリー性があり美しく、聴くたびに心が震える藤くんの声も健在。だけど何かが違う。



一番嫌だったのは、数年おきにあるライブでの客の雰囲気が大きく変わってしまって、落ち着いて曲の世界に入り込めないようになってしまったこと。


静かな曲が終わって余韻に浸りたいときにもおかまいなしにメンバーの名前を叫び倒す人、曲が始まってもずっと「きゃーきゃー!かっこいい!」と黄色い声を上げ続ける人、かと思えば曲が始まっているのに連れと喋り続ける人。

MC中に名前を呼ばれたりすると、最初の頃は藤くんもむっとして不機嫌になっていたのに、だんだんそれを受け流すようになった。


象徴的だったのが2007年に大阪であったイベントに出演していたときのこと。

バンプ最高!!」って女の子が叫んだら、「お客さんのほうが最高だよ!」って藤くん。

お客さん?「おまえら」って言えよ!って思った。

「きゃ〜!」がうるさけりゃ「うるせえ!」って言えよ!って・・・



バンドがおとなになるってこういうことなのかな。なんだかなー。

そして、2008年のツアーでのライブのアンコールでの出来事。客から半ば強引にリクエストされた曲を、おそらく用意していた曲をやめて演奏した・・・ように見えた。メンバーの様子から。

「伝えたいこと」「届けたいもの」を大事にするのがバンプじゃなかったのか?エンターテイメントになっちゃったのか?



もうバンプのライブはいいわ。


と思った。




あれから4年。その間アルバムやシングルが何枚か発売されたが、違和感がぬぐえないままでいたわたし。



もうバンプのライブには行かなくていいって思ったのに、今回のツアーで初の神戸2daysの予定が。

神戸は大阪にゲキチカなので、神戸でライブしても客があまり入らないからスタッフに止められたの、って数年前にCoccoちゃんも話していた。(神戸国際ホールでのライブにて)


だから正直バンプのツアー日程を見たときにびっくりして、それならちょっと行ってみようか、と思った。

ワールド記念ホールならGOING KOBEやCOMING KOBEの会場なので(気持ちに)抵抗なく入れるし。


でもなかなかチケットが取れず、結局一番後ろのDブロックがなんとか取れて、友人とふたりで行くことになった。




当日は台風接近により大雨。


ブロック別にポートライナーの高架の下に並ばされて、スタッフの指示にしたがって入場。



(以下ネタバレあり。長いです)








Dブロックは最後列ではあるけれど、城ホールより大きくないのでステージがさほど遠い感覚はない。

2階とも近くて、お客さんの顔がアリーナからでもはっきり見える。



ワールド記念ホールは、アリーナをスタンディングにしたら1万人くらい入るらしい。

でも今回はブロックごとに仕切ってあって、間の通路が広めにとってあるのでそんなに入らないだろうな。(→7000人入っていたそうだ)



ラヴェルの『ボレロ』が流れる中、開演を待った。


ボレロ』の曲の終盤、徐々に音が大きくなって、やがてジャン!と音が止まると同時に客電が落ちた。


大歓声。



と、ステージに映像が映し出された。ステージの両脇には小さいスクリーンが設置されて、そこにも同じ映像が映っている。


映像はグライダーが飛んで、あちこちに降り立って、飛行士が光るものを見つけるっていう・・・(説明できん)



ハイテクのようでいて、何やら懐かしい感じのする不思議な映像だった。


そしてメンバーがステージに現れ、開演。

1曲目は大きく映し出されたメンバーのシルエットのまま演奏。<セットリスト>


01.三ツ星カルテット
02.宇宙飛行士への手紙
03.分別奮闘記
04.ゼロ
05.ギルド
06.66号線
07.Smile
08.グッドラック
09.R.I.P.
10.fire sign
11.embrace
12.星の鳥
13.メーデー
14.angel fall
15.supernova
16.beautiful glider
17.カルマ
18.天体観測



En1

01.スノースマイル
02.ガラスのブルース
03.真っ赤な空を見ただろうか




最近の曲はあまり聴いていないから、あやふやな頭のままライブが進む。

『分別奮闘記』は楽しくてこぶしを上げた。



で、『ギルド』!

今回は他会場のセトリを見ずに来たので、これは嬉しかった!



バンプの曲は、デビューからアルバム『ユグドラシル』までを?期、それ以降を?期と勝手に分けて呼んでいる。


?期の曲は、映画のタイアップもあってみんな大好きだと思うのだけれど、どしてもわたしにはしっくり来ない。

なぜだろうと思っていたが、ライブで聴いてみて、ああそうか、と思った。



うまく表現できないけど、ヒリヒリした飢餓感が少ないんだ。


それは年齢には関係なく(40過ぎても持っているバンドもある)あるものだと思うけど、最近のバンプの曲にはちょっと少ない、というか薄い気がする。



そんなことを考えていたら、『66号線』の歌詞が耳に飛び込んできてドギマギした。



 僕にだってきっとあなたを救える 今でも好きだと言ってくれますか



そう、今まで救われてきた。バンプの曲に。藤くんの声に。そうだった。


その言葉が頭でぐるぐるしていているうちに、何曲かが終わって突然ライブが止まった。




ふと見ると、アリーナのフロア後方、わたしたちがいるDブロックとC-3ブロックの間くらいにあったスペースにスタッフの方が楽器を準備されていた。


え?そこでやるの!?



驚いて見ていたら、楽器を乗せたままその特設ステージが上に持ちあがった。

ひえー!そんなしくみになっていたのか!



メンバーがステージを降りて、ブロックごとに仕切られたロープの間の通路(花道?)を通ってその特設ステージに歩いてきた。

通路側のお客さんたちは手をいっぱい伸ばしてメンバーとハイタッチしたり握手したりしている!(ステージのスクリーンに映っていた)


いいないいなーーー!!(←やっぱりミーハー)



ステージに上がった4人。めっちゃ近いやん!!

ステージが結構高くて、上手側の2階のお客さんとも近くなっている。みんな大騒ぎ。

少しでも近くで見ようと、Dブロックではこの日初めてのモッシュが起きた(笑)


一番後ろで伸び上がってなんとかステージを観ていたのに、めちゃ近くに藤くんがいる!表情もはっきり見える!


思わぬサプライズに、みんなとてもいい笑顔でステージを見つめていた。



ちゃまのしょーもない(ごめん)「質問クイズ」があってから(昨日食べたもので一番おいしかったものは?とかなんとか)アコースティックVer.で曲が始まった。



  誰かの為に生きるという 思いを込めた旗を抱き
  拾ってきた笑顔の中に 自分の笑顔だけ見当たらない



ええ!?『fire sign』!!

この曲は確か、増川くんの誕生日に藤くんが作って送った曲だったよね?



 微かでも 見えなくても 命の火が揺れてる
 風を知って 雨と出会って 僕を信じて燃えてる



バンプのことが大好きで、ブログのURLだけでなく、携帯やEメールアドレスにもバンプの曲タイトルを使っているんだよ。



 旅立つ人よ その行く先を
 照らす明かりは 君の中に



あらら、なんだか泣けてきちゃった・・・



曲が終わって、またちゃまのしょーも・・いえ、おもしろいMCが。

特設ステージの演奏中は会場のライトは暗くならなくて、そのせいか、ちゃまはそのステージのことを「恥ずかし島」と命名したと。

お客さんにもすごく近いしね。なんだか学祭のノリ?(笑)



そしてもう1曲そこでやってくれると。


「このツアーで初めてやる曲です!」


うわっ!

みんなでざわざわ。



 隠れてないで出てこいよ この部屋は大丈夫
 鼓動の音は ふたつ ふたつ以上も以下もない



『embrace』!

本気で泣けてきた・・・


 この眼が視力を失くしても 僕は君を見るだろう
 体中の細胞 フル動員で 君を見るだろう



もうずーっとそこで歌っていてほしいけど、それは無理な話。

4人はまた花道を通って大きなステージに戻っていった。



『supernova』では、あんなに嫌いだった腕ワイパーを一緒にやって、一緒に歌った。




『beautiful glider』で、



 手を振ったあなたの無事が 今でも気にかかる
 夜明け前



の歌詞のところで藤くんが右手を上げて振ったら、それに合わせてみんなが手を振りかえして、

それがグライダーに乗って大空を飛んでいる藤くんに手を振っているように見えて、

みんなの手がとてもきれいで、また泣いた。




なんだか、昔と変わってないね。


本編ラストの『天体観測』


これには思い出がありすぎるのでここでは省略(笑)

嬉しかった。



アンコールは『supernova』のラララ〜をみんなで歌って、それに合わせたゆっくりの手拍子で。



4人が大きな歓声に包まれて再登場。



あ、そうそう。神戸でライブするのは8年ぶりだってちゃまが言ってた。

ということは、わたしが観た2004年のチキンジョージ以来ってこと?

ずいぶんご無沙汰じゃないの!でもバンプのライブ自体が、4年ぶりだもんね。





「季節はずれですけどいいよね?」と藤くんが言ったときの客の小さい悲鳴とざわざわがすごかった。


スノースマイル


うん。この曲も好きだった。




そして『ガラスのブルース


いつぞやの日記に、「この曲を大事に歌い続ける限り、わたしはバンプを好きでいよう」って書いたっけな。




もう1曲・・・何かな?


『真っ赤な空を見ただろうか』


うわー!!嬉しい・・・・



 夕焼け空 きれいだと思う心を どうか殺さないで
 そんな心 馬鹿正直に 話すことを馬鹿にしないで



そう、この歌詞大好きだ。そういうことを大事にしたいって思ってたよな。




 たった一度の微笑みに こんなに勇気を貰うとは
 ここまで喉が震えるとは



なんだか変わっちゃったなーと、ここ数年バンプのライブで感じていたけど、本当に変わったのはわたしかもしれない。


大切なことを思い出さなくちゃ。


(この曲に関する思いはこちら→http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20061127/p1
自分が忘れないために)





終演後、外に出るとさらに大雨になっていた。

ビニール傘もあまり役に立たない冷たい雨だったけど、さっき藤くんが歌った夕焼け空が見えた気がした。







一番後ろのブロックだったからかもしれないけど、モッシュもなく、かといって盛り上がらないわけじゃなくてみんなで楽しんで、

曲の間でメンバーの名前を叫ぶ人もいるにはいたけど、きちんと曲が終わってからで、また始まるときはみんなステージに集中していて、

ここ数年で一番雰囲気のいいライブだった。



同じ時間を共有した方々、ありがとうございました。


バンプのみなさまには、また数年間、なんて間隔を開けず、せめて1年ごとにライブをしていただきたいと思います。

ええ加減にせんとわたしがおばあちゃんになっちゃうやんか?(笑)

この次もぜひ神戸でのライブをお願いしときます。