少し欠けた大きな月が出ていて、思わず携帯で写真を撮った。
でも写真だと、月もネオンもビルの明かりも車のヘッドライトも同じに見える。
肉眼で見るとはっきりわかるのに。
昔ならトラブルメーカー。今はクレーマー?モンスターナントカ?
人と人の間に起こるトラブルは無数。
20年以上、人が相手の仕事をやってきて学んだことは、起こるトラブルの多くは誤解・曲解・行き違い、お互いの理解不足からできているということ。
トラブルを起こすことを楽しみにしている人も、いるにはいるけど。
今、クレーマーと呼ばれる人が入院されている。
以前入院していた他の病棟のスタッフからの情報では、対応にとても苦労したということだ。
スタッフはみんな腫れ物に触るような対応を、ピリピリしながら行っている。
先日、ひとつのトラブルが起こった。
スタッフみんなで話し合ったが、いい対応策が出ない。
こういうときはどうするか。
あってはならないことだが、医療者だって人間。
できるだけ関わりになりたくない、と思うのは本当。
でも、逃げれば追われる。
追えば逃げられる。
恋と同じ(笑)
いっそその人の懐に飛び込んでしまえ!
ということで、その人に入ってもらって一緒にカンファレンスをした。
最初はスタッフに対する不平・不満を言われていたが、辛抱強く聞いているうちに、
「今回初めて先生から病気がだいぶ悪くなっていると言われた。
怖いんや。
明日には死んでしまうかもしれない、と思ってしまう」
と。
そしてスタッフが、その人に対して今後どうなってほしいか、どう考えてこの処置を行っているか、などこちらの気持ちも伝えることができた。
話し合いが終わってからひとりのスタッフが、「ただのクレーマーじゃなかったんですね」とつぶやいた。
これですべてが丸くおさまったとは思わないが、少なくともその人の本当の気持ちを知ることができたのは大きな収穫。
フィルターを通してでは、見えるものも見えないんだね。
月が見たかったら自分の目で見なくちゃいけない。
目を閉じてしまいたくなることもあるけど。
そんなこんなでストレスだらけの日常に、光をくれるのは、音楽。
もうすぐPaperBagLunchboxに会えるよ。
ドキドキしながら待っているよ。