星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

鳥になれるまで手を伸ばして

もう10年以上も前のこと。

子育てしながらバリバリ仕事をしていた先輩が、突然仕事をやめられると聞いた。


びっくりして理由を尋ねると、


「毎日帰りが遅くて親がいないから、子供の友達が家に集まるようになって・・・それはいいんだけど、最近家から物がなくなるようになったの」



また別の同僚の話。顔に青タンを作って出勤してきた彼女の、顔を殴ったのは息子さんらしい、といううわさがあったことも。


そういう彼女たちの話を聞いて、もし子供の様子がおかしかったら仕事をやめよう、と腹をくくった。



幸い保育園でも学童保育でもいい先生に出会い、親だけでは与えられなかった愛情をたっぷり注いでもらいながら大きくなった息子たち。先輩たちのような心配は一度もせずにすんだ。


おかげで仕事が続けられたわたしは本当に幸せ者だ。






今日は次男の卒業式だった。


どうしても仕事が休めず行くことができなかった。


最後まで親らしいことができなかった・・・・もう大学生になったら親が学校に行くなんてことはないだろうに。




そして次男は友達と遊んでくる、とメールをくれて帰りが遅く、長男はバイト、ダンナは残業。

珍しくわたしが一番に家に帰った。



真っ暗な部屋は寒々しく、ひとりで食べる晩御飯はわびしい・・・


ああ、今まで子供たちにこんなに寂しい思いをさせていたんだ。



今頃気づくなんて遅すぎ。情けない・・・


反省して嘆いてみても、この生活はこれからも変わらない。



せめて次男が帰ってきたら「卒業おめでとう!」と言って、長男が帰ってきたら「今までありがとう!」と言って、ぎゅっと抱きしめてみようか・・・



「何すんねん!!」と、ケリを入れられるのがオチやな(笑)






タイトル曲:sonarsleepy.ab