sleepy.ac /w strings quartet@コンカリーニョ(9/26)
去年1月の難波ロケッツでのライブで成山くんが、
「ワンマンでなきゃイヤって言われる方は、ぜひ札幌か東京へどうぞ!」
と言われるのを聞いて、ライブのために札幌なんて行けるわけないやん!と少し腹立たしく思ったのを今でも覚えている。
それがなぜか今年2回目の札幌行き。
これはスリーピーに取りつかれているとしか思えない。
うん、きっとそうだ。
大嫌いな飛行機にも少し慣れたけど、この日は風が強くて着陸時にかなり揺れて、生きた心地がしなかった。
なんでこんな思いをしながらわたしはここに・・・・
雨が降ったりやんだりの気まぐれなお天気も、わたしが外を歩くときには雨が上がっていたので、少し気をよくしながらコンカリーニョのある琴似へ。
いつもスリーピーのイラストをいただいている、旭川在住のななおさんと待ち合わせして、ライブ前に食事をした。
ななおさんとは、今年4月のスリーピーのワンマン(ツアーファイナル)のときに初めてお会いした。
そのななおさんからも、「まさか今年2回も会えるとは思わなかったわ〜」と言われ、もう本当にスミマセン、となぜか謝る。
そのあと別腹に入るおいしいケーキを食べてからコンカリーニョへ。
今日は椅子ありなので、あまりおなかいっぱいになると、スリーピーを聴きながら気持ちよくなって眠ってしまいそうだね、と二人で笑い合う。
コンカリーニョ=「con carino」 とは、“ 愛をこめて ”という意味のスペイン語。
コンカリーニョは、大きなコミュニティ形成の拠点を目指して活動されているNPO法人の団体で、芸術文化の可能性の拡大、地域コミュニティの活性化、人材育成と地域の特色づくりなどに貢献すべく、さまざまな活動をされているそうだ。
(詳細はこちら→http://www.concarino.or.jp/npo/)
そして建物としてのコンカリーニョは、生活支援型文化施設として「まちとアートをむすぶ」劇場づくりを目指して、お芝居やコンサートなどにとどまらず、さまざまな催しものが行われているようだ。
そしてこの日はsleepy.ac(スリーピー)とストリングスとの共演によるアコースティックライブ。
sleepy.abではなくてsleepy.acなのは、ac=アコースティックという意味らしい。
思わず「ダジャレか?」と思っちゃったわたしは関西人(笑)
で、ふだんabは読まないのでacも読まない?
意味ないじゃーん(笑)
開場時間になり誘導されて中に入ったら、そこは座席の真下。
フロアに高いやぐらが組んであり、ひな壇になった床に椅子が並べてある。
入った途端そのひな壇の下だったので、思わず中学校の文化祭の裏方になったような気分だった。
その入り口から壁伝いにぐるっと回ると、視野が開けてステージが見えてきた。
ステージと最前列の椅子の近さに驚く。わたしは真ん中より後方、右側の席。
まさか札幌にまた来れるとは思わなかったので、HP予約が終わってから一般でチケットを取った(友人に取ってもらった)から後ろのほう。でも高くなっているので、ステージがよく見える。
ステージ前列にスリーピー弦の3人、成山くんの斜め後ろにドラム(カホーンとシンバル)があって、いつもよりかなり右寄り。
田中くん、山内くんの後ろ(ステージ左側)に、ストリングスの方が並ばれるようだ。
それで全員に椅子が用意されている。いつもと違った雰囲気。
客電が落ちて、ステージに全員が静かに登場。
え!?
真っ先に目を引いたのが、成山くんがボーダーじゃなかったこと。
細かいチェックのボタンダウンシャツで、一瞬「誰!?」って思った(笑)
田中くんもいつものTシャツ・キャップじゃなく、白シャツに黒っぽいネクタイとハット(っていうのか?)
山内くんと津波くんはいつもどおりです、はい(笑)
左後方にはストリングスの方々。
全員女性で左から、第1、第2バイオリン、ヴィオラ、チェロの4人。(エルピチカートス?と言われるらしい)
そして成山くんの座っている前に机があって、そこに小さい鍵盤が置かれている。気になる・・・
10数分遅れで開演。
<セットリスト>
(opening)
01.写真
02.夢の花
03.sonar
04.メロディ
05.inside
06.自由の果て
07.賛歌
08.メリーゴーランド
09.palette
10.only in dream
11.まっくら森の歌(NHKみんなのうたのカバー)
12.arcadia
13.雪中花
En
01.(新曲)
02.ねむろ
(01〜04と09〜13はwith strings quartet。05〜08とアンコールはsleepy.acのみ)
opening、山内くんとストリングスで短いフレーズを演奏。さながらクラッシックコンサートのよう。
1曲目に“写真”が聴こえてきたとき、「ああ、ここまで来てよかった・・」と思った。
「誰!?」と思った成山くんは、最初こそ緊張気味だったものの、どんどん声が前に出てきて、アコースティックだから余計によく響いてとても綺麗な声。
“メロディ”が終わったあと、一旦ストリングスのみなさんが退場されて、しばらく4人で。
「sleepy.ac」の「ac」は、「アコースティックだからacだね」と、メンバーで飲んでいるときに話していただけなのに、本当に情報誌に「sleepy.ac」と書かれたときは、「間違ってる!ナイわ〜!!」と思ったそうだ。
周りからも「間違ってましたよ」と声をかけられ、結構な騒ぎになったとか。
成山「sleepy.abのab(abstract=抽象的)は読まないんだから、acも読まないんだよね?
そもそも誰がabは読まないって決めたんだ?」
って。そこからですか?(笑)
「抽象的だから、はっきりしたものに憧れる」とも。意味よくわかりませんが(笑)
でも、バンドのスリーピーも好きだけど、アコースティックもいいなあ。
“メロディ”は何度かアコースティックで聴いたことがあるけど、“夢の花”や“sonar”、“inside”は新鮮で、アレンジもおもしろかった。
ギターの山内くん、ドラムの津波くんが楽器を持ち替えていろんな音を出してくれた。
“inside”での津波くんが鳴らしたツボみたいな形をしたウドゥーという楽器の音が素敵だった。
6曲目が始まる前、田中くんがベースからアコギに持ち替えた。
そして山内くんのギターのイントロが始まったが、田中くんのギターにトラブル発生。成山くんが曲を止めた。
慌ててギターを調整する田中くん。
成山くん少し間をおいて、
「落ち着こう!落ち着かないと、ほんとにみんな、果てまで行っちゃうよ?(笑)
・・・“自由の果て”」
うまいっ!静かな笑いが起こる。そして仕切りなおして“自由の果て”
この曲、ライブで聴くの、わたしは初めてだ。
去年の冬、眠る前に毎日この曲を聴いていた。
その頃の日記に「スリーピーの音と成山くんの声に包まれていると、自分の中のカチカチに凍った氷が溶けていくような気がする。」という意味のことを書いていたなあ。
仕事が忙しすぎて、眠っても眠っても疲れが取れなかった頃。
そんなことを思い出しながら聴いていた。
気づくと涙があふれて落ちそうになっていた。
あれ?あれ?
成山くんの声、凄かった。こんなところで泣かないように少し離れようとしても声が迫ってくる感じ。
今日は椅子に座っていて隣の人が近いから、泣いてるのがバレちゃう、しかもまわりはみんな知らない人だし。
でも座っててよかった、スタンディングだとへたり込んでいたかもしれない、成山くんの声に負けて。
泣くのがイヤだったから、頭の中をぐしゃぐしゃして、そんなことを考えているうちに曲が終わった。止め切れなかった涙をぬぐった。
でも・・・・
次の曲が“賛歌”
すっかり弱っていたダムが決壊(笑)もう涙が止められない。
出るなら出てしまえ。
“賛歌”中、泣き続けた。あほみたい・・・席が後ろでよかった。
特別自分の想いにリンクしてしまったわけじゃない、ただ感動しただけ。
泣くほど感動できることに出会うって幸せだなあ、とあとから思った。
そのときはただ泣いて、曲が終わるとすっきりした気分になった。不思議だね。
“メリーゴーランド”
山内くんが持っておられた楽器、カリンバというそうだが、オルゴールのような音が出てきれいだった。
でも演奏している山内くんは、どう見てもゲームボーイで遊んでいるみたいだった。
どの曲だったかな?久々にマトリョミンのテルミ(照美)さんが登場。
マトリョミンを操っている山内くんは、やっぱり魔法使いに見える。
そのあと再びストリングスのみなさん登場。また8人で。
2年くらい前に札幌Artparkでやったアコースティックライブ(今日のようなストリングスとの共演)がとても好評で、またやってみたくなって今日の企画が持ち上がったとか。
札幌ArtparkのときのライブCD、ライブハウス限定で販売されSOL OUTになったが、また今日から再販されるそうだ。
そのCD、ライブ盤と思えないくらい音が澄んでいて、それを聴いて今度同じような企画があったら絶対ライブに行くぞ!と思っていた。来れてよかった。
“palette”では、バイオリンの方が弦を指で弾いたり(なんていうんだっけ?)、山内くんがいろんな音を出してくれて楽しかった。
paletteというよりおもちゃ箱って感じ。
“only in dream”では、成山くんがあの気になっていた鍵盤を弾きながら歌ってくれた。
この曲自体、ライブでやるのは初めてだとか。
慣れない(?)鍵盤ってことで、成山くん緊張気味。見ているわたしも緊張気味(笑)
終わってから田中くんに、「緊張してたね?」って突っ込まれてた。
「曲を作ったとき、自分でやると思わなかったから」と成山くん。ダメぢゃん!(笑)
「カバーをやります」と、NHKみんなのうたで20年くらい?前に流れていた曲を。
成山くん、こういう暗くてちょっと怖い曲が好きな子だったそうだ。わかる気が(笑)
その曲“まっくら森の歌”、みつけてくれた人がいたので、下に貼ってます。
谷山浩子さんだったんだ!“ねこの森へは帰れない”の頃好きでよく聴いてた。
成山くんとちょっと記憶がリンクしたようで嬉しかった。だいぶ世代が違うけど(笑)
成山くんの歌う“まっくら森の歌”、凄くよかった!
短い曲の間、呼吸したっけわたし?と思うほど聴き入っていた。
ぜひまた歌ってほしいな。
そして“arcadia”〜“雪中花”で、あっというまに終わってしまった・・・
アンコールではsleepy.ac4人で登場。
ここでだったかな?今日ボーダーを着ていない事情を説明。
「今日はボーダー着るなと言われて・・・ボーダー禁止令!(笑)
この機会に脱ボーダー宣言しようかな?(笑)
それでいつもと違う服を着てみようかって・・・でもひっくん変だよね?はしゃいじゃいました!って感じで」
白シャツにネクタイの田中くん、「え・・・・」
成山「あ?怒った?」
田中「いや、そうじゃないよ・・・(笑)」
山内くんはいつもの茶系の柄物シャツとズボン、津波くんも普段どおりの黒いパーカー?とアーミーパンツだったけど?
それでも成山くん、「ボーダーじゃないから緊張してダメだ〜」って言われてたから、次のライブはきっといつもどおりでしょう(笑)
時々成山くんに話を無茶ブリされて、戸惑ったふうの山内くんがかわいかった。
一回無視?して、成山くんに「あ!無視?新しいワザ覚えたんだ!」と言われていた。
最後にも「山内、なんか言うことある?テルミンで話したら?」
って成山くんに言われた山内くん、
「うまくいくかなあ・・」とマトリョミンのテルミさんをマイクの前に持ってきてテルミさんに何か喋らそうとされた。
そしたら成山くん、「違う違う、そのテルミンのマイクで山内が喋ったら?って言ったんだよ?(笑)」
えーーー!わたしもテルミさんを喋らせて、って言ったと思ったよ?
「ようこそ」とか。(ナイか?)
あんまりMCで山内くんをいじると、あとでお客さんに「成山さん!山内くんをいじめないでください!」って叱られるそうです(笑)
仲がいいんだか悪いんだか、MCがうまくなったんだかそうじゃないんだか、sleepy.acでも相変わらず微妙な4人だった。
でもそういうところも好きだったりする(笑)
アンコールで新曲を。
「昨日も作っていた」ということで、まだ形が変わるかもって言いながら聴かせてくれた。
メロディが印象的な曲。歌詞も。期待してください。(おまえが言うな!)
そしてこの日のライブも11月頃にはCDになって発売される予定だって!
「何曲入るかわからないけど」って。期待しててください!(笑)
ラスト。
今日は“ねむろ”が落ち着いて聴けた。
もう終わっちゃうんだ、という寂しさが勝ってたな。涙は“賛歌”で出し尽くしたし。
すべて終わって4人がステージの前方に並んでお客さんにご挨拶。それもぎこちない(笑)
大きな拍手。
Wアンコールの拍手が続いたけど、アナウンスが入って終わっちゃった。
物販見て久しぶりに会えた友達と話をして外に出たら、成山くんが他のお客さんと話をされていた。
それでわたしたちも少しお話をさせてもらって、ありがとうございました、と握手をして別れた。
そのあとななおさんともお別れして、dollyさん、KAORIさん、NORIZOさんと食事をした。
そのあとNORIZOさんは家に帰られて、3人でバットルズへ。
そこでも東京、栃木、稚内からいらしたお嬢さんたちと一緒になって、ひとしきりさっきのライブの話を。
みんな生き生きとして楽しそうだった。
みんなの顔を見ていたら、この前の研修で聞いた話を思い出した。
「感動は目に出る、疲労は肌に出る」って(笑)
いえ、みなさんお肌もきれいでしたよ!
わたしの場合は肌はともかく、いっぱい感動をもらって、とっても幸せな1日だった。
今年はこれでもう札幌には来ないだろうけど、またいつか、ここでスリーピーの音を聴きたい。
そのためには心と身体のメンテナンスだね。生き生きと生きられるように。
不慣れな土地で、いつも親切にしてくださるみなさま、ありがとうございました!
またお会いしましょう!
ななおさんにいただいた(強奪した?)sleepy.acのイラストです。
ななおさんいつもありがとうございます!
とっても素敵。よく似てる〜
成山くんがボーダーじゃない貴重なイラスト(笑)
“まっくら森の歌”谷山浩子