星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

スムルースワンマンライブツアー2008〜2009「HOME-HOME-RUN」@なんばHatch(1/17)


冬になれば“冬色ガール”が聴きたくなる。

1年に1〜2回しかライブに行けないけど、大好きなバンド、スムルース


それが、去年の3月、ちょうどsyrup16gの解散ライブの直後に、ナカジことドラムの中嶋くん脱退のニュースが飛び込んできた。自分が思っていた以上にショックが大きかった。

愛すべきキャラのナカジがいないスムルース・・・

その発表のあと、何度かイベントでのスムルースを観る機会はあったけど、なんとなく足が向かなかった。


それでもワンマンのお知らせが来るとチケットを取ってしまう。もはや習慣?(笑)

ギリギリまで気が重かったんだけど・・・


去年の暮れに発売されたミニアルバム『UNITE』(ユナイト:つながり)がめっちゃ良くて、どの曲もスムル節があふれているのに新鮮。

“盾と盾”がどうしてもライブで聴きたくなって、ワンマンへの期待が盛り上がってきたのでした。

UNITE

UNITE



一緒に行くはずだった次男が行けなくなり、チケットを引き取ってくださった愛媛のお嬢さんと待ち合わせして、なんばHatchへ。



(この下にセトリ&ネタバレMCあります。超長いです)





なんばHatchに着いてまず驚いたのが、だいたいいつも開場前に使えるロッカーが使えなかったことと先行物販がなかったこと。

スムルースのグッズは、ボーカルの徳田くんのイラストの入ったかわいいグッズや、凝ったアイテムなどを販売していて人気が高い。なのに先行物販がない?


これってもしかしてお客さんが少ないってこと?


なんばHatchの開場待ちで、いつも待たされる屋外のスペースを使うことなく、しかも開場から開演まで30分しかない。Hatchのキャパでは通常30分で客を入れるのは難しいと思うのに。


ここ数年毎年Hatchでワンマンをやっているけど、今回ばかりはハコが大きすぎたんじゃあ・・・と思ったのは隠さない。




チケットには17:30開場、18:00とあるのに、17:15から開場が始まった。(あとでオフィシャル見たら、17:15開場になっていた)


中に入ってロッカーに荷物を入れようとしたら、ロッカールームに鍵がかかっていた。

みんなで軽く混乱。結局エスカレーターを上がってフロアの入り口にあるロッカーを使った。この事実にますます不安になる。


遅れて来られたサイトウさんと並んで徳田くんのマイク前7列目くらいに場所を取る。


最初は少ないと思ったお客さんも少しずつ増え、2階にもそこそこ入っているみたい。

ちょっと安心(笑)


いつもと違うことはもうひとつあって、Hatchでのライブのときにはステージに何かの飾り物(人形など)が置いてあるのに、今日はなし。楽器だけのシンプルなステージ。



ボーカルマイクの前には最初からキーボードが置かれていた。


あれこれ考えすぎ、気を揉みすぎな自分に苦笑しながら開演を待った。

サイトウさんも「妙に緊張する」と言われていた。




10分くらい遅れて開演。



<セットリスト>


00.無念夢想3(インスト)
01.地図を描いて
02.LIFE イズ 人生+
03.非常にイェイね
04.ボクチャーハン 
05.ダイビング深海魚
06.冬色ガール
07.失恋温泉
08.カナメ詩
09.雨はもうやんでいた
10.ドミノ
11.虹色の予感
12.ともだちファミリーレストラン
13.帰り道ジェット
14.インストールラバー
15.ヒマワリサン
16.盾と盾


En
01.スーパーカラフル
02.よるをつないで



・登場するなり“無念夢想3”

キーボードを弾く徳田くんを真ん中に、その後ろにドラムさん、左のこいちゃん(ベース小泉くん)と右の回陽くん(ギター)は背中合わせで外を向いて、4人で円を描くよう。

あれれ?なんだかかっこいいぞ!(笑)



終わってすぐにキーボードが片付けられ、徳田くんはハンドマイクでステージの端から端まで動きながら“地図を描いて”

みんなで手拍子して最初から大盛り上がり。それまで抱いていた不安はどっかにいっちゃった(笑)




・“LIFE イズ 人生+ ”

徳田くん、客席に背中を向けて妙なサングラスをかけている。

振り向くと、白い紙?で作った文字がサングラスを覆っている。

向かって左に「踊ら」右に「ナイト」


またまた大受けしていると、流れてきたイントロは“LIFE イズ 人生+”

飛んだり腕ワイパーしたり。腕ワイパーは嫌いだけど、スムルースのは許す(え)


曲の間奏でサングラスにくっつけた文字「踊ら」をおもむろに外した徳田くん、何するんかなと見ていたら、違う文字をくっつけた。


「ユ」


「ユ」「ナイト」の出来上がり。大喝采〜♪




“非常にイェイね”

めっちゃ飛ばす徳田くん。ハンドマイクでステージの端から端まで走る。

わたしたちも「1・2・3♪」と指を突き上げ応戦。



・ウェーブしたのはここだっけ?

「ちょっと早いけどウェーブできるかー!」


早っ!(笑)


何回やったかわからんくらいやって、疲れてきて最後は波も小さめ。

徳田くん3曲めにして汗びっしょり、肩で息してる。


息切れしながらもDJ風に「ボクは高松出身〜今住んでいるのは高槻〜大阪人だと思っている〜♪」と歌って大受け。

思わず「おっさん、がんばれ!」(おっさんは徳田くんの愛称)

と叫んでしまったわたし(笑)




・そして早くも逆さ書道。


『ユナイト』が『歌』に。

これを見なくちゃね。




・初めて見るサポートのドラムさん。

「去年、ドラムが抜けまして」とサポートしてくださっているドラムさんを紹介。


笑顔の優しいえーっと・・・髪の毛が遠慮がちな方で、ナカジが少し年取ったらあんな感じになるのかな、と思うような素敵な方だった。43歳らしい。


・他のメンバーも簡単に紹介。

徳田「スムルースを見た人は、まずボクを見るでしょ?

それからちょっと花のある回陽くんを見るでしょ?

そして最後にこいちゃん(笑)

こいちゃんを語れるようになったらスムルースのコアなファン」(笑)


小泉「マニアックファン専門でーす」(爆)




・HOME-HOME-RUNというツアーの名前から、みんなでできる新しい振り付けを考えたという。

「ツアーも残り3つになってからやけどね」(笑)


「HOME-HOME-RUN!」と言いながら妙な振り付けをする徳田くん。(文字で表現するのは無理 笑)


えーーー!何それ!?とお客さんには不評。


「これは、サザエさんのエンディングテーマで、サザエさんが笛を吹きながら家族を家に連れて入るアレ、あるでしょ?みんなが家に入ったらその家が揺れてぼよよん!ってなって戻るでしょ。あの家!」


爆笑!

家の形態模写!?でもなぜかみんなで理解した(笑)国民の共通理解を生むサザエさん(笑)


回陽くんに、家に入るサザエさんを真似させたけど、笛を吹いている姿がどう見てもくわえタバコ(笑)


こいちゃんが動きをちょっとアレンジして、「HOME-HOME-RUN!」が完成。


徳田「で、これをどこで使うかっていうのが決まってないんだけど」(爆)


「(セトリの紙を見て)これからどんどんマジメになっていくからな・・・

アンコール!アンコールで・・・(客のほうを見て)アンコールしてくれはるやろ?」(爆)


「アンコールで“うおーっ!”と盛り上ったら“せーの”って言うからやってくれる?」

みんな大笑いしながらうなずく。そしてちょっとだけ練習した。




そして、「これで本編終わり!」

えーっ!3曲で!?


「これからアンコールで2時間やるから」(笑)





・「ここはライブハウスという家。ハウスって言うでしょ?みんな家族。

今回はつながりがテーマ。だからみんなでつながりたいと思います。

みんな家族!」



・「お料理しましょ」→“ボクチャーハン”

電子レンジのチン!の効果音のためにか?自転車などに使うベルがマイクにひっかけてあった。



・“ダイビング深海魚”

イントロが流れてくると大歓声が起こった。まさかこれが聴けるとは。
すぐにはタイトルが思い出せなかった。



・“冬色ガール”

これこれ!この曲が聴けなけりゃ、スムルのライブじゃない。



・「お料理したら、今度はお風呂に入りましょ」→“失恋温泉”


・“カナメ詩”聴きながら、徳田くんはめっちゃ歌うまいよなー、としみじみ思った。
MCとのギャップが大きいのも魅力。



・新しいアルバムから“雨はもうやんでいた”“ドミノ”

アレンジもかっこいい。このミニアルバム、全曲好きだ。



・徳田家の正月恒例行事の話。

徳田くんのお父さんの仕切りで、家族全員が鏡餅に向かって新年の抱負を言うらしい。

それを聞いたお父さん、「うむ」と言ってから歌舞伎調に、

「とくだ〜けんじ〜○○才〜願い〜叶え〜たまえ〜〜〜」

って言うんだって(笑)

そして鏡餅を両手に持って、徳田くんの頭に当てて「おりゃーー!」と気合を(念を?)入れるそうだ。


お母さんはそのあとお酌しながら必ず、「今年はええ年になるえ〜」と言われるらしい。


「この話をしていて、徳田家だけ変なのかなと段々思ってきて(笑)

でもこういうことやっている家、あるでしょ?(みんな否定)

いや〜、ここでは言えないだけで・・・帰ってからブログに書いといて。“実はうちも”って」(爆)


ないわ〜〜〜(笑)


それを、「今やってみよう」とひとりのお客さんとドラムさんにやってみた。

ボクチャーハンで使った“チン”のベルが鏡餅がわりでした。

客の男の子の抱負は「彼女をつくる」、ドラムさんは「健康でドラムが叩けるように」

最後徳田くんが「おりゃーー!」と言ったら、母親代わりの回陽くんがペットボトルでお酌する真似をして、「今年もええ年になるえ〜」と。

息もぴったりで大爆笑。




・「メンバーが抜けて、アルバムは1年半ぶりで、ワンマンは1年ぶりで・・・

スタッフの人にな、今回はハッチは無理ちがう?って言われました。

でも、ソールドアウトにはならんかったけど、それに近いくらい来てくれて・・・


小さいライブハウスは小さいなりにええとこがあるんやけど、ハッチはすごいんや。

拍手や声が、こう、わーーっと降ってきて・・・

僕ら10人くらいのお客さんからライブを始めて、ここまで来れて、

ここに立つといろんなことが思い出されてな・・・」


あちこちから「お帰りー!」の声が飛んだ。


「・・・ただいま!

次に歌う曲はいつも拍手をくれるみんなに向けて作った歌、と。“虹色の予感”


 愛しあえるかな わかりあえるかな
 ずっと きっと 少しずつ
 答えはあるのに 知っているはずなのに
 いつも きっと 少しずつ
 でも手をつないだら ジーンとまとまる これは愛でしょう



徳田くん、涙を堪えて顔をゆがめながら歌っていた。

みんなそれぞれの想いを胸に、聴いていた。



・日記を読む。「なぜ自分は歌を作り始めたのか」というテーマの日記。

高校時代、身体を壊して野球をあきらめて、甲子園という夢を捨てた。

そんなときできた彼女に自分は依存していた。

歌を作れば彼女のことがわかると思ったがわからなかった。

最初にできた曲は“恋人はエイリアン”(笑)


曲が出来たとき、初めて人に理解されたような気がした。

理解されたとき、人はつながることができる。



という言葉をかみ締めるようにして読む徳田くん。


そのあと歌った“ともだちファミリーレストラン”はヤバかった。


“ファミレス”で泣ける曲を作れるのは徳田くんだけだと思う。



この曲から“帰り道ジェット ”へと続く流れは一番よかった。


 暗い夜ほど星はまたたき
 窓の灯りひとつひとつに絶世のうた


の出だしだけで泣きそうになるほど好きな曲。


 うちにかえろう
 ちいさなあかりをともすあいのうた
 こころやすめて
 あなたがわらえばしあわせなのです
 こんやはとくにゆめのよう


「こんや」は「いま」だな、と思った。

家族になれたかな?



・“インストールラバー”は久しぶりすぎてタイトルがわからず少し冷静になったが、
これまた大好きな「ヒマワリサン」


本格的に泣きそうになるが耐える。先に徳田くんが泣きそうな顔して歌っている。


 人は人らしくキズツキ
 人は人らしくガンバリ
 人は人らしくダキア
 ヨクバッテ生きていきましょう


数年前のわたしのテーマ曲。



・もう一度出てきた逆さ書道の道具。


『ウタ』が『心の盾』に。“盾と盾”だ。


後半感極まって徳田くん、歌えず、「ごめんな!」と叫ぶ。

これほど今のスムルースに必要な歌があるだろうか。


周りにたくさん泣いている子がいたが、ここでも耐える。

先に泣かれると泣けないタイプ(笑)


 傷跡は幸せを知るために


歌詞が染みるよ、徳田くん。



・アンコール。

お約束の「HOME-HOME-RUN!」(笑)

「1回だけ」の約束なのに、3回もやった。


感動して泣いたあとの「HOME-HOME-RUN!」

ってどやねん(笑)


これがスムルースのライブ。



“スーパーカラフル”をみんなで踊った。



そしてラストの“よるをつないで”

イントロが始まるなり「うっ、うっ」と声が聞こえたので前を見ると、

徳田くんが、タオルに顔を埋めて号泣していた。


歌えそうもない。

徳田くん、顔をあげてお客さんに「みんな歌える?」とマイクレスで。


歌詞あやふやだけど歌うしかない。

近くの女の子がバッチリ歌えていたので、その子について歌った。




 キミを守る この家は
 精一杯のボクの器です
 ずっとずっと呼吸して
 吸って吐いて「ただいま」



みんなで大合唱。


徳田くんが歌えたの、途中のワンフレーズと最後のほうだけだった。



アウトロが消えかかる寸前、いきなり徳田くん、

「大切なものはなんですか?

(お客さんのほうに手を広げて)

ボクはみんなが大切です!」


叫んだあとまた号泣。



クサいやろ〜〜とツッコミながら、ついに泣いてしまったわたし。

本当に本当に嬉しかったんだろうな。

たくさんお客さんが集まってくれて。

2階の人まで「HOME-HOME-RUN!」やってくれて。


いや、人数じゃないよね。みんなとつながることができて、嬉しかったんだよね。

なんばHatchじゃ大きすぎるやろ、って思ってごめんなさい。


キャパとか客の数とか、なんやねん、それ。


でも音楽を続けて行くには、たくさんの人に聴いてほしいよね。


わたしたちには何もできないけど、こうやってまたライブに来よう。



好きな音楽とつながっていられたら、それだけで幸せです。





写真は最後にステージからメンバーが投げたペットボトル。

隣のサイトウさんが見事キャッチされました。回陽くんのサイン入り!


「今年はええ年になるえ〜♪」