星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

peridots Acoustic Live “Echoes & Walls”2010@umeda AKASO(6/2)




最近は「PERIDOTS」と表記されることが多いが、オフィシャルには「peridots」とも書かれていて、何かそれぞれに意味があるのだろうか?


peridots」は、タカハシコウキ(高橋孝樹)さんのソロプロジェクト。

2007年にFM802の「MUSIC FREAKS」でDJをされていて、関西での知名度が上がったように思う。

ライブは今年2月に渋谷クラブクアトロで開かれた「QUIET ROOM」以来だが、関西でのライブは1年3ヶ月ぶりだ。



平日だというのに、開場前からお客さんがたくさん集まっていた。

わたしも、指定席なので開演直前に来れば十分なのに、そわそわ落ち着かず早めに到着してしまった。

一緒に来るはずだった友人は、この日をとても楽しみにしていたのに体調を崩して来れなかった。

彼女の分までしっかり聴こう、そう思った。



開場。

入ってびっくり。後方はゆったりした背もたれつきの椅子だが、フロアの前方2/3はただの丸椅子。その上に「A列-3」というふうに書いた札が置かれている。

う〜ん、丸椅子・・・(笑)


丸椅子は、前方のフロアは横に16個。真ん中は通路としてスペースが開けてある。
1列めがA列で、最後尾がS列?
後ろ1/3は椅子が大きめだから16個もなかったかもしれないが、ざっと計算して約250〜260個くらい?

ほとんどの椅子が埋まっていたように思う。
久々の関西でのライブで、お客さんの期待の大きさを感じた。


(↓下にセットリストあります。5日の東京公演に行かれる方はご注意ください)





客電が落ちたのでステージを食い入るように見つめた。

と、SEもなく誰かがひょいひょいひょい、という感じで飛ぶように小走りで登場。

タカハシさんだ!

思わぬ登場の仕方に、拍手の前にくすくす笑いが起こった。

黒シャツにジーンズ。

不精っぽく(違?)少し伸びた髪。わたしが一番好きな髪型だ。


1曲目は“鳥”



音源にはなっていないけど、You Tubeで公開されている曲。


アコースティックなので、タカハシさんの声が伸びやかに響く。

歌い終わって囁くように、「こんばんはペリドッツです」

みんなニコニコしながら大きな拍手を。

(以下、MCはうろ覚え・順不同です)<セットリスト>


01.鳥
02.“shoulder”
03.follow the stars(in your heart)
04.I want to be to be
05.話を一つ
06.ナッシングイズカミング
07.Head to Toe
08.オールライト
09.eyes
10.smile
11.労働
12.リアカー
13.春風、吹かれたら
14.どこへ


En

01.長かった一日が終わろうとしている
02.秘密
03.メトロ



「まさかの丸椅子!眠くなったらひっくり返っちゃうよね!」(笑)

同じこと、思ってた(笑)



2曲目、“shoulder”


大好きな大好きな曲。

最近も落ち込んだときに何度も聴いていて、静かに癒され、励まされている。

歌詞をかみ締めて聴いていたら、ここに来れなかった友人の顔が浮かんできた。



 花が咲くのは明日が美しいから
 空が青いのは明日が新しいから
 大切なことはふとした中にあった
 大切な人は点した灯の中で 笑った



なんて美しい歌詞だろう。

気づいたら泣いていた。


歌い終わったタカハシさん、ペットボトルの水を飲んで、

「今この瞬間に・・・口内炎が出来た気がする。」(笑)


泣き笑いして変な顔になった自分。




“follow the stars(in your heart)”


音源になっていないから、ライブで聴くしかない曲。
そんな曲が多すぎるよ。
本当に素晴らしい曲なのに。


「この曲は最初、サビ以外ラップにしようと思ってました。

(ラップ風にちょっと歌って)

でも、大人だし、考えて・・・“ない!”って。大人でよかったです。」(笑)


ラップ風もかっこよさげだったけど・・・ないわ〜(笑)




「大阪久しぶりです!
・・・この辺は、ゲットーな感じなんですか?(笑)
さっき奇声をあげてる人がいたけど。」


この界隈はなかなかの雰囲気の街だもんね!
通りの入り口にはガールズバーがあったり(笑)



弾き語りが好きだって言ってくださる方もおられるけど、曲を作っているときは「この曲はバンドで」「この曲は弾き語りで」って思って作ってないです、と。

「弾き語りの何がいいって、こうやってダラダラ喋れること。
バンドだと、こんなことしてたら段取りも何もなくなっちゃうよね。」


MCのときのゆる〜い、ダラダラした感じと、歌っているときのギャップが素敵です(笑)




ペリドッツの曲では珍しく楽しげな曲をやります。よく読むと歌詞は暗いけど。」(笑)


“I want to be to be ”


トビーはトビー・マグワイアのトビーという意味もあるそうだ。

「トビーになりたい」っていう意味?

スパイダーマンとかに出ている俳優さんで、すごく好きだった時期に作った曲です。」と。

イントロは思わず手拍子をしたくなる感じ。



「最初やるつもりはなかったけど、セットリストを作っている時にスタッフからリクエストされたので。」


“話を一つ”



「3曲続けて憂鬱な曲をやります・・・全体に憂鬱だけど。」(笑)

た、確かに(笑)


“ナッシングイズカミング ”


もうずいぶん前からライブでやっている曲。

音源になるのはいつの日か。



「去年の9月・・くらいから、YouTubeに次々と曲をアップするという嫌がらせみたいなことをやっていました(笑)
最初は違う企画で、今までの曲をやろうと思ってたんだけど、曲ができていったので。

ペリドッツにとって、曲が出来るって言うのは、詞ができるっていうことなんです。メロディはたくさんあるから。詞ができた時に、新しい曲ができたって。

あの頃は、次々と曲ができていた時期なんです。でもある日友達に、『おまえ、2ちゃんに最近詞がつまらなくなったって書かれてるぞ!』って言われてズッ、って(笑)
2回転半くらい、ズッコケたけど受身を取っていたので、今ここにいるわけですが。」(笑)


「その頃の曲の中から、自分でも気に入ってる曲を。」


“Head to Toe


 寿司でもとろっか
月が綺麗だから


で始まる、とてもおもしろい歌詞。



“オールライト”

MCなしで。

peridotsとの出会いの曲。

いつかきちんと音源にしてほしい、と願い続けている曲。

どうしてこんな素晴らしい曲たちが、陽の目を見れないのだろう。

きっと何かが間違っているんだ。



ペットボトルの水を一口飲んでから、「先に呼び入れてから飲めばよかった」と「キーボードの村田さん、どうぞ!」


キーボードの演奏とハンドマイクのタカハシさん。“eyes”だ!

タカハシさんの声に空気が震える。

伝わってきた声に心が震える。

声ってこんなふうに伝わってくるんだ。

そしてこんなふうに響くんだ。


ずっと呼吸を止めて聴いていたかのように、最後のピアノの音が消えるのを待って、大きな深呼吸をした。



続いてギターの光太郎さんが呼ばれて、3人で“smile”



死にたくて死ねなかった人の歌が
生きたくても生きられない人の心を打った
つたない手紙のように



初めて聴いたこの曲に、涙が止まらなかった。




村田さんが一旦退場し、光太郎さんがアコギをエレキギターに持ち替えて、

“労働”


光太郎さん再びアコギを持ちギター2本で“リアカー”


ものすごく贅沢な時間を過ごしている、と感じた。

静かで、でもとても力強いタカハシさんの音楽。


1年前の東京のワンマンのときに、「音楽を辞めてしまおうかと思った」と言われたそうだ。

「このままだと本当に音楽のことが嫌いになってしまいそうで。
いっそのこと音楽を辞めてしまおうかと思った。」

って。

歌い続けてくれてよかった。本当にありがとう。




“春風、吹かれたら”

“どこへ”


最後の2曲は、嫌がらせみたいにYouTubeにアップされている曲(笑)

その前に村田さんをもう一度迎えて。

「むらっちゃん、むらっちゃんって言ったことないんだけど。」(笑)


“どこへ”のメロディの美しさに、みたび泣きそうになる。

こんな・・・メロディはたくさんあるって言ってたよね?

もっともっと繰り返し聴きたいよ。




アンコール。

再登場してギターを抱えて、腕時計をちらちら見たタカハシさん、

「皆さんこのあと、どっかいくんですか?」(笑)


ゲットーのこの街で、どこへ行こうかな?(笑)


アンコールありがとうございます、あと何曲かやります、と言って、

「自分でやっていて泣きそうになる曲を2曲続けてやります。」


“長かった一日が終わろうとしている”


ワンフレーズめで歌詞を間違えて、「間違えると思った!」(笑)



「季節を無視してやります。」


“秘密”


「この曲は、『僕は君のことが本当に好きなんだよ』、というその一箇所に、ウッとくるんですよねー。ウッと。オエっと。」(笑)


「本当はこの場で、何月何日にアルバム出します!って言う予定だったんだけど・・・できなくなりました。」

え!?

ペリドッツのことですから、遅れます。」(笑)


笑いながらも胸が痛い・・・


「こんな中途半端な時期にライブをやって・・・こんなにたくさんお客さんが集まってくれることを、当たり前だなんて思っていません。

本当に支えられてるなって・・・そんなことを今日ずっと思いながら歌ってたということを感じてもらえれば・・・今頃言われてもって感じですよね?」(笑)


1年ぶりのライブだった2月の渋谷でも、「ご心配おかけしたんだなあ」って言われてたよね?


タカハシさんが歌い続けてくれることをみんな願っているし、ライブで会える日をずっと待っているよ。




最後は村田さん・光太郎さんも登場。


ふたりとも、「着てきたよー」って上に着ているシャツをはだけてperidotsの新しいTシャツを見せびらかせてくれた。

タカハシさん、嬉しそうに笑って、「聞いた話によると、こういうライブTシャツってライブの時しか着ないんでしょう?そうじゃなくて、普段にも着れるようなデザインにしています。」と。


と、突然光太郎さんが、「さっき、リリースの発表が遅れるって言ってたの、全部僕のせいです!」

光太郎「タカハシくんはちゃんと曲を用意してくれているのに僕が・・」

タカハシ「そんないきなり懺悔を聞かされるとは!(笑)

どのアーティストが悪いとか暴露しちゃいましょうか。いや、冗談ですけど。」(笑)


いや、冗談に聞こえませんけど?(笑)


アルバムは遅れても、曲ができているって聞いて一安心。

歌い続けてくれればそれでいいです。



最後の最後は“メトロ”

ああ、もう、どうして。

こんな曲がもっとたくさんのひとに届かないのかな。

好き嫌い以前に、何か間違っている。



終わっても拍手が鳴りやまず、もう一度出てきてくれたタカハシさん、

照れくさそうに笑いながら、「ご挨拶に出てきました。」と。


「詳しくは言えないけど、今年中にライブやります。また1年後とかじゃなくて(笑)大阪にも来ます!」


きっと、きっとだよ。


物販は光太郎さんと村田さんが着ておられたTシャツが残りわずかになっていた。

でも、どうしてCDを売らないんだろう。昔のミニアルバムをほしい人もいるだろうに。

peridotsの素晴らしい音楽に浸れて、贅沢で幸せな時間を過ごしたけれど、なぜかもやもやしてしまう自分がいた。



タカハシさんに見えたかな?今日の客席の様子が。


遠くからはるばる遠征してきた人、親子で楽しみにしてやってきた人、仕事を終わらせ駆けつけた、ビジネズバッグを持ったサラリーマン。

本当にいろんな人がタカハシさんの歌に心を震わせ、目をうるませていた。

そしてチケットを取りながら、どうしても来れなかった人もいる。

そういうみんなの想いがタカハシさんに届いたら、きっとまた会えるよね?

またね。




peridots“smile”

http://www.youtube.com/watch?v=15kTq5_tiWE