海北大輔 ひとりはみんなのために弾き語る@大阪・POTATO KID(9/20)
(右は、POTATO KIDのドアの前に置かれたじゃがいもの形をした石)
海北くんがひとりで弾き語りをするライブは、全部で何箇所だっけ?
『ひとりはみんなのために弾き語る』とタイトルがついているのが6箇所、それ以外に対バンやゲストで弾き語りをするライブもある。
京都は仕事で行けず、前日の大阪Legatoも家の事情で行けなかったので、わたしが行けるのはPOTATO KIDだけ。
なので、集中して聴こう、楽しもう、お酒もいっぱい飲もう、ロスト仲間とたくさん語ろう、と決意してPOTATO KIDへ。
POTATO KIDは、東梅田にあるスパニッシュ&ポテト料理のお店。
時々ライブが開かれていて、去年海北くんも一度ここでライブをされている。(わたしは行けなかったけど)
わたしは7月の『見放題』というイベントでこのお店に来たことがあったので、そのときと同じように一旦umeda AKASOに行って、そこからお店にたどりついた。(遠回りだが、そうでないと行けない)
すでに数人のお客さんがお店のあるビルの前に集まっていて、その中には友人やロストのライブでお見かけしたことのある方もおられて、みんなで喋りながら開場を待った。
開場。ほぼ時間通りにお店の中に入れてもらった。
テーブルの周りに椅子があって、普通に食事も注文できそう。
カウンターの前にマイクと椅子とギターがセッティングされている。
お客さんは、ざっと数えて30人くらい。
ドリンクとオムレツを注文して椅子に座った。
みんなのドリンクの注文が終わってからお料理を作るようで、こりゃ開演に間に合わないなと思ったが、まあそれもしかたない。カウンターの中には二人しかおられないようだし。
(下にセットリストあります。MCはウロ覚えです)
椅子に座って周りの人と喋っていたら、お客さんみたいにドアから海北くんが「こんばんは〜」と言いながら入って来られて拍手が起こった。
「今日はゆっくり1曲ずつやりますので、食事をしたり飲んだりしながらまったり聴いてください。」みたいなことを言われて、
「この前も“その(料理の)お皿が届いたら次の曲やります”って感じでした(笑)ここは食事もおいしいんですよ!僕もあとで食べます!」と。
途中休憩を挟んで2部構成でやります、と説明された。
そして始まった曲は“合い言葉”
海北くんの声が、狭い店いっぱいに響き渡る。
彼の声で心の膜が震えるようだ。
〈第1部〉
01.合い言葉
02.その名前を
03.勲章と傷
04.スピンオフ
05.所在なき歌
06.然様ならば
07.あなたは生きている
08.夢
(休憩)
〈第2部〉
09.虹のしずく
10.なくした歌
11.グレープフルーツ
(※即興曲3曲)
12.青より蒼く
13.進む時間 止まった自分
14.誕生(1番のみ)
15.陽だまり
En
01.ひとりごと
11月にリリース予定のアルバム『ロスト アンド ファウンド』が完成しました。いいものができたと思います。なので今日は新曲を中心にやります、と。
1曲ずつ説明しながら丁寧に唄う海北くん。
ときにはトチって初めからやり直したり、自分で「あ〜〜!」と情けなさそうに手のひらで頭を叩いたり。
アコギ1本の弾き語りなので、歌詞がはっきり伝わって、だからミスもはっきりわかって(笑)
●「ひとりでやってて、みっちゃん(三井くん)のギターがあったらなあ、源ちゃんのリズムがあったらなあ、と思います。
・・・そう思えただけでもよかったなあ、って。」
●「アルバムタイトルの『ロスト アンド ファウンド』のロストは“落し物”や“失くし物”という意味で。ファウンドは“探す”。
ロスト アンド ファウンドは落し物係という意味もあるらしいです。
落し物って、気づいて探した時点で“落し物”になるんだな、って。」
●前半途中で海北くんがチューニングされているときに、注文したオムレツが来た。(5人くらい料理を注文していて、お店の方がライブの邪魔にならないタイミングで持ってこられた)
ちょうど譜面を見ながら「ちょっと練習」とギターを弾いていたとき、「今だ!」とみんな一斉に食事し始めたので笑ってしまった。
その練習していた曲は、「ダメだ!思い出せない!あとにしよう!」と後回しにされた様子。
●“スピンオフ”という曲の前に、言葉の説明を。
スピンオフには脇役という意味もあるらしい。
「みんなが主役」ってよく言うけど、例えば『桃太郎』でみんな桃太郎だったら成り立たないよね?
おばあさんがいなかったら、桃は海まで流れて行っちゃうしね(笑)
あなたがあなたにとっての主役なら僕は脇役なわけで。
僕はあなたの名脇役になりたい。
そんなMCでドキンとさせたあと、出だしをとちってずっこけ!(笑)
「う〜〜!もう1回やり直していいですか?いい歌なんだよ〜」
うんうん。
「桃太郎は・・・」(爆)
え?そこから?(笑)
結局イントロからやり直した。
ほんとにいい曲。歌詞をじっくり読みたい。
次の“所在なき歌”も、すごくいい歌詞だった!
●前の曲もと、“然様ならば”と“あなたは生きている”
“あなたは生きている”は、ギターでほとんどやったことがないんだよね、と言いながら。
新曲を聴くときは直前のMCとリンクさせて、歌詞を耳でなぞって集中して聴くのだけど、
前の曲を聴くときは、その曲をいろんな場所で聴いたことや、その頃のロストの状況など、いろんな想いがごちゃまぜになって泣きそうになった。
●“夢”という曲の前では、「いつまで夢見てもいいのかな?」と。
「僕はプロ野球選手になりたかったんです。
どこでどう間違って歌っているんだか。」
って言われたのはこのときだっけ?
メロディがとてもきれいだった。バンドで早く聴きたい。
ここで第1部終了。拍手に送られて海北くんは一旦退場。
ドリンクをおかわりしたり、食事をしたり、約20分の休憩。
近くに座った初対面の人と妙に話がはずんだ。
ロストを知ってからまだ1年経たない人も、たくさんおられた。
新しいファンが増えるのは嬉しいことだな。
第2部。
●“虹のしずく”
「もう会えない友達の歌です。」と。
寂しくて振り向いたら
そのときは虹を架けてよ
最後のほうの歌詞。(ウロ覚えなので違うかも)
歌詞がとてもよかった。(なんとかのひとつ覚えの表現でスミマセン)
海北くんの作る曲の中では、「友達」への歌が特に好きだ。
●「ロストインタイムの曲は暗かったり、失恋の歌が多いのですが」珍しく恋の歌を。
“グレープフルーツ”
次のアルバムには入っていない。もったいない・・・
●ここで即興曲を。
「夕暮れレトロニカの岡田ピローくんがやっていたことがおもしろかったので」と、お客さんから3つの言葉をもらって即興で曲を作る、というコーナー。
落語の三題噺だね!
「ちなみに京都では、京都・メガネ・カフェで、これしかないよね?」
じゃらん、とギターを弾いて、
くるり〜♪
(爆)
この日は3曲やってそのお題は、
・「ポテト」「夕焼け」「映画」
・「お酒」「おじいちゃん(またはおばあちゃん)」「甲子園」
・「誕生日」「スケッチブック」「パーマ」
2番目がおもしろくて、
「僕のおじいちゃん ランニングシャツ〜
甲子園で阪神が負けて ヤケ酒を飲む〜♪」
みたいな感じで(笑)
おもしろかった!
1曲目と3曲目はかなり長い曲になっていた。
そのあとまた新曲を。
バンドで聴いたことのある曲も、弾き語りだとまた違って聴こえておもしろい。
●なぜだったか年の話になって、
「僕はもう30です。この年になると・・・って言ったら僕より年上の方もおられるので怒られるけど・・・」
ぎくっ!(笑)
自分より少し上の世代の人は、ブルーハーツがとても好きという人が多くて、という話になり、“誕生”という曲を「時間がないので1番だけ」
この曲は、もうずいぶん前からライブでやっていて、音源になるのを今か今かと待ち続けているのだけれど、
歌詞に、ブルーハーツのある歌の1フレーズとタイトルが出てくるので、音源化するのは難しいのだろうか?
でもでも、本当に素晴らしい曲になっていて(曲が出来立ての頃から少しずつ変わっていっているような気がする)、1番しか聴けなかったのに、涙ぐんでしまった。
音源にするのがムリなら、もっとライブでやってほしいな。
●そして最後は“陽だまり”
友達の結婚式で何か唄ってくれと頼まれて、ロストインタイムの曲には結婚式で唄うような曲がなくて愕然として、なら新しい曲を作ろう、とできた曲だそうだ。
あなたの隣の陽だまりが〜♪
だったっけ?
素敵な曲で、海北くんの声も心に迫ってきて再び涙ぐむ。
こんな素敵な曲を唄ってもらえるなら、何回結婚式をやってもいいな。(おい)
●アンコール。
もう、あの曲しかない。大好きなあの曲。
でも、この曲は、「会いたいという気持ちが強すぎたら、逆に会えなくてもいいや。」と思ってしまう曲だそうだ。
いや、「会いたい」は「会いたい」だよ?
でも、言いたいこと、わからないでもない。
これだけ好きだという気持ちが強いなら、会えなくても大丈夫!みたいな?
いや・・・やっぱり「会いたい」だろ?
とかなんとかグルグル思いながら、“ひとりごと”
それまで押さえていた涙がこぼれた。
この曲を聴くためだけでも、CD買うよ。
終演。
そのまま帰った人もいれば、飲み足りないので残った人もいた。
前からのロスト仲間や初めて会った人たち、みんな同じテーブルでワイワイ喋りながら飲んだり食べたり。
翌日は仕事だったので早く帰るつもりが楽しすぎて席が立てず。
それでも神戸の自宅の最寄り駅までの終電に乗るために、みんなに挨拶して先に店を出た。
が!久しぶりに飲んだ酒が足に来て、乗るはずだった阪急電車に乗れず、JRの駅まで小走りで急いでなんとか間に合ったが、三ノ宮からの私鉄の終電はすでに出たあと。
結局、ライブ1.5回分のチケット代分くらいかかるタクシーに乗って帰り着いた。
とほほの結末だったけど、楽しかったから差し引いてもまだプラスです(笑)
ホントにもうこのアルバム、楽しみすぎる。

- アーティスト: LOST IN TIME
- 出版社/メーカー: DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT
- 発売日: 2010/11/10
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