星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

『〜岩と海に苔が生えまして2011「冬」』@京都・拾得(12/2)



出演:岩海苔【岩崎慧(セカイイチ)× 海北大輔LOST IN TIME)】
/ OA.ロマンチップス



今年の7月、大阪ミナミで開かれた『見放題』というイベントに出演したロストの海北くんが、


セカイイチの岩崎慧くんと5年前に結成して、一度ライブをやって、音楽性の違いから無期限の活動休止になっていました岩海苔。

その復活ライブで(笑)飛び入りで1曲歌わせてもらいました。」


と言われていた。


そう、そのイベントのとき、digmeout ART&DINERで1曲だけシークレットライブをやったそうだ。

その情報に気づいたときはすでにわたしは他のライブハウスに入っていたので、観ることができなかった。



そもそも5年前リキッドルームで「一度ライブをやった」ときだって行けなかった。(2006年6月17日)

その頃の日記を読み返すと、ぐちぐち未練たらしく書いている。


当時スタクラにまで岩海苔をライブに呼んでください、ってメールを送ったような(笑)


何せこの数年、岩海苔のライブを観ることは悲願だったのだから。


大好きなLOST IN TIMEの海北くんと、これまた大好きなセカイイチの岩崎慧ちゃんのユニット(?)なんて、想像しただけでわくわくするのだった。



(以下、ネタバレあります。MCはだいたいです)






今回は東京・京都・名古屋をライブしてまわるらしい。


京都の拾得(じっとく)というライブハウス(カフェ?)も初めての場所なので、とても楽しみだった。


JR京都駅からバスに乗って15分くらい。堀川丸太町のバス停から徒歩で5分くらい。遠っ・・・でもSOLE CAFEより近いか・・・


拾得は昔の蔵をそのまま使ったライブハウスらしい。

開場して中に入って驚いた。


座敷がある!?


名古屋のTOKUZOとか木屋町のアバンギルドのような、居酒屋×ライブハウスのような雰囲気だが、客席の一部が座敷・・・すごいわー!!


一瞬座敷に座ろうかと迷ったが、今日は夜勤明けの身、眠ってしまったらいけないので、ステージ前のテーブル席に座った。



えーっと・・・入り口入ってすぐ左手に受付があって、その後ろに階段。2階が楽屋らしい。

少し進むと右手にステージがあり、その奥がテーブル席。もっと奥がドリンクカウンター。

そしてフロアの左側の壁に沿って座敷がある。(覚書? 笑)



おなかがすいたので、ドリンクと一緒におでんを注文して開演前に食べた。(カレーやピザもあった)





開演。



慧ちゃん、続いて海北くんがステージに登場。前説を。


慧「海さんや。」


海北「なんだい岩さん。」


って、いきなり掛け合い漫才?(笑)



岩海苔の久々の復活の話をして、

慧「拾得は僕らの部屋という設定にしてもらったので、みんな食べたり飲んだりトイレに行ったりしていいからね。」




それからオープニングアクトのロマンチップスの話を。

京都生まれ、大阪・堺育ちの慧ちゃんの、堺の後輩バンドらしい。


「初めて共演できて嬉しいです!」と慧ちゃん。


海北くんも、リハで聴いていたけど、ボーカルの声、好きな声だと。




大きな拍手に迎えられて、ロマンチップス登場。




ロマンチップス



3ピースのバンドで、ボーカル&ギターさんとベースさんが兄弟だとか。

今日はアコースティックVer.で。


・(新曲・・・らしい)
・魔法のソーダ
・ブランコ

・Hello the music


とにかく3人ともさわやかで、ボーカルの光(弟)くんの声が心地よく、まだバンド結成して1年半くらいらしいけど演奏もよかった!


そしていつもライブではほとんど喋らないらしいベースの光(兄)くんも結構喋ってて、

その光兄弟とお母さんの3人は顔がそっくりらしくて、バンドの練習に行くのに迎えに行って、間違えてお母さんを車に乗せてしまったことがある、とドラムの藤井くん。


藤井「あ・・・冗談ですよ?」


わかってるって!(笑)


で、光(弟)くんは家ではあまり喋らない、自分と同じ顔のおかんに喋る気がせんらしい(笑)




光(弟)「慧くんはさっきああ言った(初共演)けど、僕ら前、セカイイチと対バンしたことあるんですよ?慧くんはべろんべろんに酔ってたけど。」(笑)


ステージ袖にいた慧ちゃん、あわてて出てきて、「すみませんでした!」と直立不動から7・8回頭を下げたのでみんな大爆笑。



そのあとも光(弟)くん、「慧くんは昔から先輩から『なまいきだ』って言われてました!(笑)」と。



それから、初対面だった海北くんのことを、

LOST IN TIMEには昔から憧れていて、海北さんは怖い人ってイメージがあったんですが、楽屋で話したらとても気さくな方で・・・


ツイッター見てたら(両手を挙げて絵文字のマネして)『わ〜い!(ノ ´ ▽ ` )ノ』みたいな絵文字を使っておられて・・」(爆)


先輩をいじるの、うまい!(笑)



ラストの『Hello the music』では客とコール&レスポンスをしてみんなで歌って、温かい雰囲気でライブ終了。




そして、慧ちゃんと海北くんがステージに上がってギターのチューニングを始めた。


椅子に座った二人の間に小さい机が置かれて、その上に2本の瓶ビールと2個のグラス。


お客さんもそんな二人を見ながら喋ったりドリンクをもらいに行ったり。


慧「・・・そろそろ始めていい?」(笑)


海北「あ、トイレに行きたい人は行っていいからね!」(笑)


ゆるーい雰囲気で開演。





岩海苔


「岩海苔」というネーミングは、岩崎くんの「岩」と海北くんの「海」、そして二人とも髪がもさもさなのでその様子から「苔」・・・だったっけ?


まずは二人のテーマソングから。<セットリスト>


01.岩海苔のテーマ
02.合い言葉
03.あたりまえの空
04.あしたのおと
05.アンテナ
06.Goodbye Day (来生たかおカバー:by 海北)
07.そして僕は途方にくれる(大沢誉志幸カバー:by 慧)
08.(即興:お題は、おでん・カレー・妖怪・拾得・裸電球)
09.ばらの花(くるりカバー)
10.神通力(by 海北)
11.教会通り(by 慧)
12.岩海苔さよならのテーマ



En.にんげんっていいな



「♪笑って 笑って 笑って ぐっときて泣いて♪」

みたいな歌詞の『岩海苔のテーマ』


二人にぴったりだった。


この曲の始まりに、海北くんがテンポよくギターでイントロを弾くとすぐに手拍子が起こって、

慧「いいねえ〜〜、ここ、ニューオーリンズ?」

って。



海北「あ、ビールがありますねえ。飲んでいいんですかね?」(笑)


慧「じゃあ、俺のほうが年下だから・・・(グラスを持って)ついで!」


海北「(慧ちゃんにビールをつぎながら)結局俺がつぐのか・・・」(笑)





二人が交互に持ち歌を弾き語り。基本、ノープランらしいので、「何やろうかな」と。

二人の前に置かれた楽譜立てには、iPADが乗せられていた。



海北「じゃあ・・・『合い言葉』を。」


海北くんの歌に、慧ちゃんも一緒にギターを弾いて。

「俺、ロストのファンだからね!」だからギターも弾けちゃうよ、ってちょっと得意げに。




でも、次の慧ちゃんの『あたりまえの空』では・・・何度か海北くんもギターを弾こうとしたが、慧ちゃんの歌の迫力に、


海北「すごい・・・入れなかった・・」


と。


MCはあくまでゆるく、歌はがちんこ勝負?



慧ちゃんに負けじと『あしたのおと』の海北くんの声は胸に迫ってきて、心地よい緊張感が会場を包んだ。





『アンテナ』


かっこいいギターのイントロに手拍子が起こりかけたが、


慧「やめてやめて!そんなのできひんから!」


セカイイチのギターの)ウッチーほどには弾きこなせないって意味だったのかな?



 
 生きる事に騒ぎたい 包み込んでくる優しさ
 僕は愛されたい きっと僕はバカだ



大好きな『アンテナ』のこの部分に、ほろっと泣きそうになった。

弾き語りで聴けて嬉しかった。




慧ちゃんのMCが東京より軽快だったようで、「さすが関西に帰ってきただけある、ホームだよね!」と海北くん。

「今日は慧ちゃんの部屋に俺が遊びに来た感じだね。」


そして、また岩海苔やりたい。フォーシーズンやる!と慧ちゃん。


海北「東京では“やれたらいいね”って言ってたのに、断言したね?」(笑)





次はそれぞれが好きなカバー曲を。


海北くんは来生たかおさんの曲に最近ハマっているらしく、中森明菜の『セカンドラブ』をワンフレーズ歌ってから、『Goodbye Day』を。



そのあと海北くんが語った慧ちゃんの話がおもしろかった。


関西弁はアメリカ南部の言葉みたいなイメージがある。

慧ちゃんの歌はブルースのテイストがあって、フォークから入った俺とは違う感じ、など。



そしたら慧ちゃん、「俺、ほとんどブルース聴いたことなかったんだよね。」(笑)


海北「え?今まで俺が語ったことって・・・」(笑)

バツの悪そうな海北くんに、


慧「大丈夫!大丈夫!今から俺が見事ほくちゃまりんのリカバーして見せるから!」(笑)


海北「ほくちゃまりん、って何!?」(笑)


慧「俺のおふくろは、ソウルミュージックラバーな人だったのよ。」


海北「すごい・・・俺の母親は小椋佳フリークだった・・・」


なので、ソウルミュージックを聴いて育った俺は、ブルースにつながると思う・・・という意味のことを語る慧ちゃん。

見事なリカバー!(拍手〜 笑)


わたしも小椋佳、好きやったよー(余談)


そして、ブルースがJ-POPと見事に融合した曲、と『そして僕は途方にくれる』を慧ちゃんが弾き語りで。




そのあと、以前海北くんが弾き語りツアーでやった、客からお題をもらって即興で曲を作るやつを。


海北「たとえば・・・前やったときのは・・・京都・めがね・喫茶店、のお題で・・・“くるり〜♪”」(笑)


慧「そんな・・・安易な・・・」(笑)




東京でもこれをやったが、最後には「ごめんね〜響ちゃーん♪」って、セカイイチのドラムの吉澤響ちゃんの歌になってしまったそうだ。



この日は客からお題を5つもらった。おでん・カレー・妖怪・拾得・裸電球。


慧ちゃんは、「俺にはそんなスキルはない!」と最初引いていたが、結局参加して二人で曲を作った。

半ば強引にお題を入れた歌詞を作り、最後には「響ちゃーん♪」って、結局響ちゃんの歌に。


「響ちゃんのドラム、好きだー♪」って慧ちゃんが歌ってた。(こりゃ、本音やろねー)





このあたり曲順があやふやなのだけど、

「2つくらい年上のバンドの曲って、カバーやるの、ひどく照れる。

仲良くなって、プライベートでも一緒に飲んだりしてるしね。」って二人が言いながら、京都だからこの曲を。




くるりの『ばらの花』




メインボーカルが慧ちゃん、コーラス海北くん。

これは・・・・圧巻だった。聴きながらずっとトリハダが立っていた。


ライブ途中なのにくるりが聴きたくなった(笑)


二人の『ばらの花』が今宵限りで聴けないなんて・・・ほんと、もったいない。音源にしてほしい・・・






そして、海北くんが初めて慧ちゃんと会ったときの話を。


海北くんが23歳、慧ちゃんが21歳の頃。

初めて共演することになったとき、居酒屋で海北くんがほかの人と飲んでいたら、慧ちゃんが「ぜひ会いたい」って連絡してきたので一緒に飲むことになった。

慧ちゃんはすでに酔っぱらっていて、海北くんを見るなり、「これがロストインタイムの海北かあ!」って言って、海北くんを胴上げしたとか。

ところが、「わあっしょい!」って胴上げせず、「わあっ・・」で落とされたもんだから、



海北「初対面なのにぐーで殴りました!」(笑)


慧ちゃんは隣で話を聞きながらずっと爆笑してた。もしかして覚えてなかったりして・・・




そのあと、ロストとセカイイチNo Regret Lifeの3バンドで対バンしたあとの打ち上げの話を。

詳しくは書けませんが(笑)、順番にみんな丸裸になったらしい。そして、ひとりだけ脱いでなかった人の服を脱がせちゃったらしい(笑)

慧ちゃんは、「若気の至りです」、みたいな顔してました(笑)




海北「セカイイチと出会って・・・この曲を聴いて、すげえなって思いました。」



 あなたに会えてよかった あなたと話せてよかった
 僕を悩ませたり喜ばせたり
 僕を怒らせたり励ましたりしてくれて
 本当に心からありがとう



海北くんVer.の『神通力』


力強くて、ちょっと翳りがあって、よかった・・・



慧「じゃあ、僕も!・・・・この曲の、1小節・・・2小節に、何度癒されたことか・・・」


 
 気がつくのは いつだってそうさ
 何かを無くした あとなんだ

 悔やんだって 悲しんだって
 戻れないのは わかってるけど



『教会通り』慧ちゃん風にアレンジして・・・素晴らしかった!

「うわー!今の、録音しとけばよかった!」って海北くんが絶賛するくらいに。



曲を交換して歌うと、また新しい曲の表情が見えておもしろいね!




最後に『さよならのテーマ』を。(新曲?)

この曲の前くらいから慧ちゃんが、「おしっこしたい!」って言ってて、実はハラハラしてました(笑)



アンコール。


海北「数年前この曲で、音楽性の違いから解散しました!」(笑)


マイクを持って立ち上がって歌おうとする慧ちゃん・・・と、曲が止まる。


海北「キーが高かったかな・・・」


慧「立ち上がった俺の立場は?」(爆)



『にんげんっていいな』


パンク風・・・っていうより、ガガガDX調で。



名残惜しいけど終演。21時が音止め。(ぴったりだった)



終わってから買ったグッズにサインをいただいた。

慧ちゃんはいつの間にかトイレに行ったらしい(笑)

CDはふたりの手作り。




そして缶バッジのイラストは慧ちゃん、文字は海北くんが描いたそうだ。

ごはんですよ」風(笑)



フォーシーズンが無理なら、年に1回くらい岩海苔ツアー、やってほしい。

拾得の音、気に入りました。またここで。そして神戸にも来てね。



寒い夜だったけど、心の芯まで温まったよ。ありがとう!