星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

もう二度と戻らない日々を 走り続ける

コメントをくださる方の中に、最近仕事を辞めたという方がおられる。いろいろな事情があってだいぶ落ち込んでおられる様子で、何か気の利いたことが言えたらいいんだけど、うまい言葉がみつからない。
 
 
 
ゴメンナサイ。
 
 
 
人間相手の商売は、反応が返ってきて楽しいことも多いけど、同じくらい嫌なこともある。
感受性が鋭くないといい仕事はできないけど、鋭すぎると他人の荷物まで抱え込んで重くて歩けなくなる。
 
 
だから時々心にフタをしなくちゃいけない。
 
 
外から見ると、優しいのか優しくないのか、熱いのか冷たいのか、ちょっとわからない変テコな人間ができあがる。
 
 
 
 
 
私は20年あまり仕事を続けてきて、「もう辞めたい」と思ったときが2度あった。それが多いのか少ないのかはわからないが、今も続けていられるのは周りの人たちのおかげだ。
 
 
1度目は、風邪をこじらせて肺炎になってしまい入院することになったとき。長男が1歳10ヶ月、次男はまだおなかの中にいて妊娠7ヶ月だった。身体が弱ると気力も落ちる。たかが肺炎で、たった3週間の入院でもあたふたしてしまった。それまでと逆の立場になってみて、初めてわかったこともたくさんあった。
このときは近所に住む知り合いのおばちゃんにダンナと子どもの食事の世話をしてもらってなんとか乗り切れた。
 
 
 
2度目は長男が小学校に上がるとき。迎えに行くまで見てくれた保育園は卒園し、学童保育所に行ったとしても夕方5時までだ。いよいよひとりでお留守番ということで、自分で鍵を開け閉めする練習、緊急時のため電話をかける練習を必死でやっていた。
 
 
それでも不安は募り、子どもに向かって「お母さん、もうお仕事辞めようか」と言ってしまった。
 
 
「でもやめたらびょうきのひとが、こまるんでしょ」
 
 
・・・・いや、困んないかもしれない。看護婦さんのかわりはいるけどあんたのお母さんはひとりだし。そう言いたかったけど、言えなかった。だって5歳の子どもにそんなこと言われてへこたれるわけにはいかないもんね。
 
 
恥ずかしかった。「子どもを犠牲にしてまで働いている」なんて思うのは、思い上がりだった。結局子育てをしているつもりが育てられていたのは私だった。
 
 
 
残業の時には他のお母さんにもお世話になった。夕食を一緒に食べさせてもらったことも何度もある。だから働く母仲間たちは、苦労をともにしたという思いがあって、今でもみんなとても仲がいい。
 
 
 
でもやっぱり世間の風は冷たい。今さら恨みごと言ってもしょうがないけど、たまには切れそうになるときがある。
 
 
長男が小学校6年の参観日のとき、同級生のお母さん(専業主婦の人)に、「看護婦さんっていいね〜。お給料いいんでしょ。私なんか今から働きたいと思っても、ろくな仕事ないもの」って言われた。
 
 
“今までどんな思いして仕事にしがみついてきたと思ってるの!”
のど元まで出かかったけど言えるわけもない。
 
 
 
 
ってそのときは思ったけど・・・・・違う。違うよね。
 
 
 
 
自分の敵は、自分だ。
 
 
 
 
 
<今日のBGM> 今宵の月のように/エレファントカシマシ



コメント プレイバック

1.気持ちにフタを…。でもその中では誰もが苦しんでるのですね。世間と巧く折り合いをつけていくのって難しいです。ぶつかってくるこれでもかっ!って程の問題を流さなきゃいけない時があるのもわかります、けど、難しいですね、難しすぎて私は全部受け入れて誰にも愚痴らず笑っていました。誰かに弱音を言うのは弱いことのような気がしていて。
Rinkoさんの日記拝見して、自分の母も昔同じ感情抱いたことあったのかな?と思いました。母はとても強く見え、ずっと私の尊敬してやまない人であり、同時に何もない、何にもなれない自分へのコンプレックスの対象でもあります。けど誰だって弱さを持って生きてる。そう感じ取れたとき少し母の姿が小さく映った気がしました。
長くなって申し訳ありません。最後になりましたが、一言お礼を言わせて下さい。本当にどうも有難う御座いました。私もちゃんと自分に眼を向けてみようと思えました。
Posted by ソラマメ at 2005年04月17日 05:04


2.コメントと心配していただいてありがとうございます!おかげさまで、なんとか治りました。ブログの更新はほとんど出来なかったのですが、Rinkoさんのブログ、毎日拝見させていただいてました。
今日の記事を読んで、Rinkoさんに背中をビシッとたたいていただいたような気がします。自分の敵は自分・・・ そうですよね。いかにして自分の中の自分に打ち勝つか!これが大事なんだなって思いました。
Posted by しゅんじ at 2005年04月17日 20:59


3.この間もコメント書いたつもりなのにな〜。なんかのってませんよね。おかしいな…。
Rinkoさんは、「自分のイメージは周りからかけられる言葉でほぼ成り立っていて、自分が自分にかけられる言葉でも少し成り立っている」というのを、聞いたことがありますか?それはつまり、まわりの人からかけられる言葉で自分はほぼ育てられてるのではないでしょうか。だからRinkoさんはRinkoさんの息子さんにかけられた言葉で育ち、息子さんはRinkoさんにかけられた言葉で育つんだと思うんです。Rinkoさんの知らないところで、数多くの方が助けられ、励まされ、生きているんだと思いますよ。私もその1人です。
自分の敵は、自分…。確かにその通りです。でも、自分の味方も自分ですよね。自分のつらさを1番良く知っていて、自分の心の中で、自分のこと励ましてくれます。「頑張れ」って。
自分にかけられる言葉で、自分もちゃんと育つのだと思います。
Posted by ぴんく☆ at 2005年04月17日 21:21


4.ソラマメさん>結局自分のことばかりになってしまいました。ごめんなさい。メール送ろうと思ったのですが、エラーになってしまいました・・・

しゅんじさん>お元気になられてよかったです。年明けから風邪やインフルエンザが猛威をふるっていましたが、私は一度も風邪ひとつひきませんでした・・・

ぴんく☆さん>ありがとうございます。考えさせられる言葉ですね。その言葉を読んで、すごく納得しました。親子が似た気性になるのも、DNAだけのせいじゃないかもしれませんね。
Posted by Rinko at 2005年04月17日 22:09


5.「自分の敵は自分だ」なんて思えるって、強いですね。
私なんかいつも人のせいにして、自分を正当化することばかり考えています。
「子供を犠牲にしてまで働いている」と思ったことはないけど、自分が忙しいと子供にヤツ当たりばっかりしてきたので、うちの場合、子供はやっぱり犠牲者かもなぁ。と、寝顔をみながらいつも反省。
Rinkoさんは凛としたお母さんで、その姿を見て育った子供さんはきっと思いやりに溢れているような気がします。
Posted by ナナ at 2005年04月18日 16:57


6.何度もコメントして申し訳ありません。Rinkoさんの日記、本当に励みになりました。どうか謝らないで下さい。謝らなきゃいけないのは私のほうですね。Rinkoさんの負担になるようなコメントをしてしまい申し訳ないです(汗)
メール送ってくださったのですか!?アリガトウございます。スイマセン、昨日メルアドを変えてしまいまして…。(最近迷惑メールが多くて…)
でも、お気持ちだけでも嬉しかったです。本当にアリガトウございました。
どうしても、気持ちを伝えたく、この場を借りてお礼をさせていただきました。長文、乱文になってしまい大変申し訳ありませんでした。では、失礼します。
Posted by ソラマメ at 2005年04月18日 17:04


7.ナナさん>とんでもない!私は自慢じゃないけど子どもを育てたという実感がありません。保育園でいつのまにかトイレに行けるようになり気がついたらお箸をもっていました。ほめられたもんじゃないです。

ソラマメさん>負担になんかなってませんよ。ソラマメさんの元気が出るような話を考えときます。(多分無理ですが。いつも愚痴ばっかりだから 笑)
Posted by Rinko at 2005年04月18日 22:57