星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 花粉まじりの孤独にくしゃみします

偶然、そう本当に偶然だと思うんだけど。
 
よくおじゃましているほかの人たちのブログに、ここ数日同じテーマの日記が書かれている。テーマというほどじゃなくても登場されていたり。
 
 
それは「おとうさん」「親父」「父親」
 
 
この言葉を聞くとわたしは息苦しくなる。そしてある感情が溢れてくる。
 
 
嫉妬。
 
 
 
わたしが3歳の頃両親は離婚した。だからわたしは父の顔を覚えていない。「おとうさん」と呼んだ記憶もない。知っているのは名前と、背が高くて眼鏡をかけていたらしいということだけ。
 
 
父がいなくてわたし自身苦労したとか、不自由したことはない。そんな気持ちを抱かせないように、母や祖父母が育ててくれたんだろうと思う。
 
それに、心が離れてしまっているのに子どものために無理して家庭を保っているのがどんなにつらいものか、わたしにだって今ならわかる。
 
 
でもこの歳になって、自分が親になっても、消えない痛みがある。
 
 
小学校の父親参観日。
毎年必ずと言っていいほど子どもたちに父親の絵を描かせる。
そして毎回先生に言われた言葉。
「○○ちゃんは、いいよね。おじいちゃんがいるから。おじいちゃんの絵を描いてね。」
 
 
人とうまく話せない子どもだったけど、自分が道から外れたら「やっぱり父親のいない子だから」と言われるのはわかっていた。だから自分なりにがんばってきたつもりだった。けど、まわりの人たちはこう言った。
「おとうさんがいないのに、えらいね。」
 
 
おとなはいつも、優しい顔して子どもを傷つける。
 
 
父親を病気で亡くした友達は言った。
「○○ちゃんはいいよ。会おうと思えばいつでも会えるんだから。」
 
 
ちがうよ。会えないよ。会いたいなんて思わない。会いたいっていう気持ちがうらやましい・・・そんな言葉を呑み込んだ。
 
 
 
父親に会いたいなんて思ったことは一度もない。自分でも不思議なくらい。
 
わたしたちと別れた後築いた新しい家庭があって、そこに女の子がふたり生まれたと聞いた。腹違いのいもうと。彼女たちには会ってみたい。少しは似ているのかな、わたしたち。
 
 
 

あ、誤解しないでね。
親を恨んでるとか、不幸だとかこれっぽっちも思っていないよ。
おとうさんのことを書かれた日記を読んでいて、愛情や尊敬を感じられるものからそうでないものまでいろいろなんだけど、素直に、本当に素直に「うらやましい」って思ったんだ。
 
 
日常の中で埋もれてしまいそうな、ほんのささいなこと。
「おとうさん」って呼んだ思い出がほしかった。
 
 
 
いい歳して、これもファザコンの一種?(笑)
生まれて初めてこんな気持ちを外に出した。ず〜っと誰にも言えずに抱えてた。
 
そろそろ外に出してやらないと、わたしの中でうずくまっていたものが、モンスターみたいに大きくなって暴れだしそうだったんだ。
 
 
 
こんな気持ちよくない日記、読んでくれた人がいたとしたら、ありがとう。
ごめんね。
 
 
 
今日の1曲:沈黙の花言葉スムルース



コメント プレイバック

1.人は本当に色々な心の荷物をかかえて、それでもしっかり自分の人生を生きていける強い動物なんだ。生まれて色々な人とかかわり学び経験し挫折し、何もかもいやになってリセット。でも一からのスタートじゃない。そうじゃなきゃ成長しない。何を言ってんだか?このプログを読ませてもらって正直つらくなりました。でも書きこむ事で心のモンスターが成長しなくなればメデタしだね。人には、色々な過去があってどう生きてきたかも大事でも今のほうがもっと大事。RINKOさんだーい好きだよ
Posted by tomichan at 2005年06月04日 17:36


2.何年も溜め込んでたものを外にだせてよかったですね。
自分の両親も離婚しました。しかも高1のときにです。中1くらいから別居してて、そのころは何で家に帰ってこないのか分からなくて、気付いたら浮気とか……。馬鹿らしいです。
親に浮気とかされると、自分の恋愛に自信持てない…思春期とか時期が悪すぎるだろ…
でも中学生とか難しい時期に関わらず、父親がいないということに慣れてしまったんですよね。
今も母子家庭という実感がありません。
会おうと思えば会えるし、別に父のことが嫌いでもないのですが、“居ない”というのに慣れてしまうんですよね。
でも、父と母が一緒にいるのを見るのは辛いです。たまに大人の事情があるらしく、父が家に来ますが、ピリピリしてて…
自分の話しばかりですが聞いてくれてありがとうございました。ちょっと共感してしまいいろいろ話してしまいました。
初めて人に言ったことなのでスッキリしました。
Posted by ノブ at 2005年06月04日 23:09


3.tomichanさん>私も大・大・大好きです(笑)今のほうが大事ですよね。でも最近、過去の積み重ねが今だって思うようになりました。

ノブさん>うちの場合も似たような理由だそうです。両親の姿って最も身近にある恋愛のお手本ですもんね。その気持ち、すごくよくわかります。私が医療職を選んだのも、ひとりで生きていけるようにと思ったからでした。
両方の立場(子と親)を経験してわかったことは、親と子はまったく別の人間です。あたりまえですけど。自信を持って恋愛してくださいね。
Posted by Rinko at 2005年06月04日 23:23


4.私はいつも思っています。人はいつかは一人になるもの。その時自分がどう生きてきたかわかると***親はいつまでも親だけど子はいつかは一人で歩き出す。そんな子供の後押しができるようになればいいなあ。ただ自分ががむしゃらに働く事で、子供達が社会の秩序や厳しさを感じとってくれたら、こんなにうれしいことはない
Posted by tomichan at 2005年06月05日 08:41


5.優しい顔して傷つける、という表現にぐさってきました。自分はどちらかというと傷つくより傷つけてしまうことが多かったかも。昨日両親と呑んできました。今親のあることを素直に受け止めて、感謝して、そしてRinkoさんの書いてくれたことも忘れずにいようと思います。感謝。
Posted by perakyon at 2005年06月05日 22:53


6.perakyonさん>こんな私のゲロ吐いたような(汚い表現、スミマセン)日記に感謝していただいて、申し訳ありません。ご両親と呑めるなんてうらやましいです。楽しそう。
Posted by Rinko at 2005年06月05日 23:01


7.Rinkoさん、お久しぶりです。
私のものすごく大事な友達の1人も小学校のときご両親が離婚して、その後小学生時代をずっと親戚の家に預けられて育ったらしいです。
友達同士で話してる時お父さんがいないっていったら「いいなあ、うるさいお父さんがいなくて」って言われて相当傷ついたと言ってました。
その子は、そういう嫌な思いもしたから人の痛みがわかるようになって優しくなれたから、その経験もよかったと言ってました。
私にはかなりぐさっときました。

8.長々と話してしまいましたが・・・そうやって嫌な経験もして、傷ついたりもしたRinkoさんは、絶対、優しい人、だと思います。
Posted by ちこ at 2005年06月09日 17:52


ちこさん>お久しぶりです。お元気でしたか?
そのお友達の気持ちがわかってあげられるちこさんも優しい人だと思います。自分が経験したことのないことを理解するのは本当に難しいですから。
Posted by Rinko at 2005年06月10日 23:01


9.ありがとうございます、最近は落ち込み気味です^^;五月病ですかね?遅いですが・・・。

いえ自分その友達の事全然分かってないと思います。してもらうことばかりで何にもしてあげてないです。
Posted by ちこ at 2005年06月12日 17:00


10.Rinkoさんの日記を読んで、昔のことを思い出しました。
私が小学五年生のときに両親が離婚して、それ以来父には会っていません。でも特に会いたいとは思いません。
父がいないことを、友達には一人しか話していません。・・やはりなかなか言えるものではないです。以前高校の先生がそのことを偶然知ったときに、私を「かわいそうに・・・」という表情で見たことが忘れられません。片親がいないということは、かわいそうと思われるものなのでしょうか・・?(何より教師がそういう顔をすることがショックでしたけど・・・)

長々と自分のことばかりすみません、日記を読んでいつも感想を持つのですが、全然うまく伝えられないんです・・・。
Posted by てん at 2005年06月12日 18:00


11.連続ですみません。

>ちこさん
ちこさんの記事を読んで、そのお友達が羨ましくなりました。
私はそんな風に優しくはなれないから・・・。
父がいないことに慣れてなんとも思いませんが、やはりどこかで性格がゆがんでる感じがするんです。
Posted by てん at 2005年06月12日 18:02


12.てんさん>私も友達が羨ましいです、何であんなに優しくなれるんだろうって不思議です。人の悪口も言わないし・・・。その子小学校の時に、先生に苛め抜かれてたといってました。スカートなのに逆さづりにされたりとか給食の時間中教卓の下に閉じ込められたりとか・・・親戚の家だから誰にも相談できなかった、って・・・。ほんっと不思議です。私なら絶対道踏み外してる。

てんさんにお会いしたことはないので分かりませんが、性格が全くゆがんでない人っていないと思います。いつも優しくなれるわけじゃないのは当たり前のことだと思います。私はてんさんのような経験をした事はないので憶測で偉そうなこと言えませんが文面の限りでは性格悪い人とは思えないです。
Posted by ちこ at 2005年06月13日 21:37


13.ちこさん、ありがとう御座います。
そのお友達は、きっとちこさんをすごく大事に思っているんでしょうね。大切にしてあげてください。本っ当に友達って大切です、その人のために優しくなれることもあると思います。
って、こんな個人的なこといろいろ書いてしまって、Rinkoさんすみませんでした。
Posted by てん at 2005年06月16日 21:24


14.はじめまして☆
私も3歳で親が離婚して父親に再婚した子供がひとりいます。
ずっと会いたかったけど言えなくて、最近やっといえました。
母親は父親がいいって言ったら会えばいいというのですが、
どんな返事が来るのかすごく不安です。なんか相談みたくなってしまって
すみません
Posted by あや at 2005年06月21日 00:33


15.あやさん>はじめまして。お父さんに会えるといいですね。わたしは一度も会いたいという気持ちが起こらなかったですが、この年になって、一度でも会っておいたほうがよかったかな、と思い始めました。
Posted by Rinko at 2005年06月21日 01:26