星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

北風と太陽

「○○さん(わたしのこと)がお姑さんだったら、楽しいだろうなあ」

って若いスタッフに言われた・・・・・

喜んでいいのだろうか。

 

今日もいつものようにバタバタ走り回っていたら、「相変わらず忙しそうやのう」と声がする。振り向いたら、1ヶ月くらい前に退院された患者さんの笑顔があった。

「お元気ですかー。今日は診察?」と他のスタッフもやってきて、ミニ同窓会状態。

 

うちの病棟は、よくこうやって患者さんが顔を出してくれる。入院中はわがままでちょっとヤな感じだったひとも(こんなこと言っちゃいけませんよ!)、手術のあと不穏状態になり修羅場だったひとも、無事退院されて元の生活に戻られたらまるで別人。いや、ほんとは入院中が別人なんだけど。

そんなひとたちが入院中のことを忘れず病棟に寄ってくれて笑顔を見せてくれると、誰かにご褒美をもらったような気分になる。

 

笑顔って不思議。

『北風と太陽』の話を思い出した。LOSTの唄じゃなくてイソップ物語のほう。


北風と太陽がどちらが強いか競争しようという話になり、通りがかった旅人のマントを脱がせたほうが強い、ということになった。

北風はマントを吹き飛ばそうと思いっきり風を吹きつけた。でも旅人は「寒い寒い」と言って、マントをしっかり身に巻きつけた。

そこで太陽が顔を出し、旅人の上に燦々と陽を浴びせた。旅人はあまりの暑さにマントを脱ぎ始めた・・・・・



っていう話。

 

太陽は笑顔と似ている。北風は何かな?

 

しっかりまとった心のマントを脱いで、たまには日向ぼっこでもしようか。