星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 Syrup16g presents “UP TO THE WORLD #2”静脈 @Shibuya-AX (8/3)

“UP TO THE WORLD #2”の2日目。昨日の流れから考えるとおそらく静脈編。


売っていたTシャツには黒と白があり、ただの色違いかと思いきやバックプリントの文字が違う(らしい)。黒のほうには“静脈”と8.03と書いてある。(下の画像がTシャツの前と後ろ)

 

あ〜、“動脈”も行きたかった・・・実は8/2のチケットも当たっていたけど、今後のことを考えて涙を呑んだ。きっとまったく違うライブになっていたはず。



整理券番号はAの1025。おそらく後ろのほうだろうと思ったが、会場に入ってみるとフロアの真ん中へんのやや右寄りに行けた。ほんとはマキリン側に行きたかったけど、人が密集していて無理だった。


どきどきしながら開演を待つ。あと5分を切ったときにどーっとみんなが前に詰めていく。そしてSEが流れるともう一度前詰めに。


気づいたら五十嵐さんと青木さんの間あたりの5列目にいた。危険ゾーンだけど、えーい、昨日の分まで五十嵐さんの顔を見つめてやる!


今日が“静脈”バージョンと気づいたときには、それでもまさかこの曲から入らんやろ、と思っていたけど、そのまさかでちょっと震えた。<セットリスト>


01.Reborn
02.翌日
03.I・N・M
04.生活
05.神のカルマ
06.Inside Out
07.センチメンタル
08.My Song
09.月になって
10.ex.人間
11.Sonic Disorder
12.パープルムカデ
13.明日を落としても
14.Your eyes closed

En.
01.もったいない
02.新曲(五十嵐さん弾き語り)



“Reborn”の次は“翌日”かよ。泣いてしまうよ、もう。



“生活”を聴くと、去年の9月のBIG CATのライブを思い出す。

新曲シリーズのライブの途中ギターの弦が切れてテンションが下がり、なんとか持ち直そうと「“生活”やろうか」とワンフレーズ前奏をやったときに、演奏をやめて首を横に振ったダイキちゃん。

五十嵐さんと盛り上がった客の様子がわかっていても、新曲の流れを壊してしまうことを恐れて曲を止めたドラマー。潔くて素敵だった。

そのあとも唄いだしにつまづいてやり直したりぐだぐだになってしまった五十嵐さん、「かっこ悪いよね」って自分でも言われていた。そのツアーのあとほとんど活動が見えなくなってしまい、ほんとに心配だったんだよ。よかったよ、また会えて。




6曲終わるまでMCなし。水分を摂る五十嵐さん、タオルで汗を拭く五十嵐さん、そして曲を始めるときに半身になってダイキちゃんのほうを向いて呼吸を合わせる五十嵐さんを、みんな息を潜めて見つめていた。

ひとつの音も聴き漏らさないぞ、という空気。


6曲目の“Inside Out”が終わったとき、「もう1歩ずつ下がろうか」と初めての言葉。

どうやら最前列の人が倒れちゃったらしい。

半歩ずつなんとか下がる。そのあともMCなし。



初めてライブで聴く“センチメンタル”。CDで聴いたとき、イントロのドラムの音に鳥肌が立った曲。今日もダイキちゃんのドラムにシビれた。


“月になって” ああ、なんて綺麗で切ない曲だろう。


“ex.人間”の前に3人で「あーあ♪」とコーラスの練習をちょっとして、会場の雰囲気が少し和んだ。

ほんとに綺麗なコーラスで、よく見たらマキリンも唄ってた?もっとマイクに近づいてよー。

いろんな人のレポに、青木さんのギターのことが書いてあるけどわたしにはわからん。

でも“月になって”〜“ex.人間”の流れは歌も演奏も美しかった。



そのあとくらいにちょっと長めのMC。

「シロップ16gのフェスタへようこそ」とかなんとか。(覚えていない)

「昨日、今日、来てくれた人、ありがとう。昨日だけだった人・・・・あ、いないか(笑)。今日来てくれた人、ありがとう」みたいな感じ。


あー、昨日も来たかったよ〜、とまた思い出す。(しつこい)


“明日を落としても”は五十嵐さんのアコギでの弾き語りから始まって、だんだん音が重なっていった。名曲はいつまでも新しいね。もっと歳をとって聴くと、また違った曲になっているのかも。



“Your eyes closed” この曲もライブで初めて。

あー、もう泣きそうです。でも泣いたら前が見えなくなるからダメです。

ほんとにヤバいときに最前列の女の子がわたしの横をすり抜けて後ろに下がって行って、我に返る。ちょっと気がそがれた。おかげで泣かないですんだ。




アンコール。


再登場したダイキちゃんがドラムセットの上に仁王立ちして拳を上げて「おぅ、おぅ、おぅ〜」と叫ぶ。あっけにとられたが、素に戻って「一度やってみたかったんだ」の言葉に大爆笑。


“もったいない” これも初めてだ。ナマで聴くと迫力がある。


1曲だけであっさり終わり?と思ったら、五十嵐さんがアコギを持ってみたびステージへ。



「もうライブは終わっているのですが、私五十嵐隆某33歳(笑)が個人的に歌いたいとお願いし出てきました」

「夕べ寝ないで作った曲」


ここで会場から「おおっ」「最高!」の声が飛ぶが「いや、そんなんじゃないんだよ」と。


「今日ここに来るはずだった親父が来れなくなったので、親父のために作った曲です」


・・・・・・


“夢を見ていた・・・夢の先は考えない・・・”


“もし時間がわずかなら 多少のぐちも聞くから”


“子どもみたいな寝顔が 俺にそっくり 当たり前か”


“そんなに早く行かないで(逝かないで?) もっと叱って 励まして 見守って・・・”


聴いている途中で、この曲はもう二度と聴けないかもしれない、という思いが押し寄せてきて、必死に胸に刻んだ、いや、刻もうとしたが、なんでこんな歌詞?もしやお父さんの身に何かあった?などと余計なことを考えてしまい、結局うろ覚え。


そんな不幸なことはないほうがいいけど、ここまで五十嵐さんが自分の身内に対しての思いを曲にするなんて信じられず、曲が終わってからも呆然としていた。


拍手のあとパラパラとアンコールを求める手拍子が起こったが、すぐに自然消滅した。ほとんどの人がとまどいその場に立ちすくんでいたように思う。泣いている男の子もいた。


これ以上「唄って」と要求できない、そんな終わり方だった。



わたしにできることは、五十嵐さんがこれからも唄い続けることができるよう祈るだけ。

そしてライブやるぞ!と言われたら駆けつけるだけ。



もう、「気になる」を通り越して、心配なんだよ、あなたのことが。




◆そしてライブのあと


ああいう終わり方で、どうかわたしの考えすぎでありますように、ともやもやして、ひとりだったら発狂していたかもしれない。


でも、一緒に同じ時間を共有した人たちがいて、そんな思いを発散できてよかった。


秋田から参戦のショウさん、東京在住のすぎまるさんと初対面。


砌さんとも帰りぎわにお話できて気持ちも落ち着いた。

「物議を醸しそうな終わり方でしたね」「ほんと、どうしてくれよう(笑)」



砌さんと別れたあと、すぎまるさん、ショウさんとわたしの3人で、渋谷センター街の居酒屋さんへ。


2日とも参戦できた幸せなお方・すぎまるさんいわく、「2日通して見たら“動脈”“静脈”の違いがはっきりわかったわ」


またもや悔しさがよみがえる。(もうあきらめろー)



そのあとも音楽談義に花が咲き。40代の女3人の話題としてはどうなんやろ。健全ではあるな。



夕べほど、ライブ友達がいてよかった、と思った日はない。

本当に感謝です。





五十嵐さん。あなたはみんなに愛されているよ。


シロップフェスタに来れなかった人たちからもね。


それだけは知っていてね。