星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

雲外蒼天@神戸VARIT (6/11)


出演:ha-gakure/OGRE YOU ASSHOLEeastern youth

仕事を終えて小雨の中、小走りにVARITへ。

とにかくOGRE YOU ASSHOLEのライブが見たくて取ったチケット。

あとの2つのバンドもいいよ!と教えてくださった方がいて、とても楽しみにしていた。



VARITは、三宮駅から徒歩5分のところにあるビルの地下にあるライブハウス。

階段を下りると地下1階、ドリンクバーやロッカー、物販を行なう机が並べてあって、そこから下にあるステージが見える。ちょっとした2階席。(椅子はないけど)


階段をさらに降りると地下2階。ステージのあるフロア。ライブハウスとしてはここが1階。


1階まで降りてびっくり。フロアの一番後ろに70cm?くらいの高さの台が置いてあって、そこに上ると全体が見渡せていい感じ。

前に来たときはなかったよね?


整理番号は二桁だったけど、その台に上って見ることにした。

広さも結構あって、ちょうどタタミ3畳を横につなげたくらいのスペースがある。




最前中央にmichiさんの姿が見えて手を振った。


まばらだったお客さんが、開演の頃にはずいぶん増えてきた。2階スペースにもひとがいっぱい。





◆ha-gakure


01.
02.煙突エレジー
03.光
04.春夏秋冬




MC、ギター、ベース、ドラムの4人編成。


ジャンル分けには興味はないけど、初めて見るバンドスタイルだった。HIPHOPでいいのかな?


心象風景や死生観を時には囁くように、時にはシャウトするMCの高山さん。

彼は元お坊さんだったらしい。


7年くらいバンドをやってきたけど、仕事との両立で中途半端だった。

そんなときスピード違反で免停になり、仕事に支障をきたしてしまい、「これは何かの思し召しだ」と思って仕事をやめてバンドに専念する決意を固めたそうだ。

そしたら不思議なもので、学生時代に正座して聴くくらい尊敬していたバンド、eastern youthとの対バンの話が舞い込んできたとか。


「きっとこんな人生のチャンスってのはいくつか用意されていて、捕まえてくれるのを待ってるんじゃないのか」




どの曲の前だったか忘れたけど、「無名だけど無力じゃない」と言われた言葉が印象的。



あと驚いたのはギターの菅波さん。曲の大半をピックではなく、バイオリン(?)の弦でギターを弾いていた。その音色の綺麗なこと!


短いライブだったけど、バンドの音楽への覚悟のようなものが感じられて感動した。





OGRE YOU ASSHOLE


01.フラッグ
02.(新曲)
03.サカサマ
04.マスク
05.バックシート
06.コインランドリー
07.ロボトミー
08.アドバンテージ
09.ラムダ・ラムダ・ラムダ



(セトリはYUANさんに教えていただきました。ありがとうございます)





去年の5月にセカンドラインsleepy.ab、LITE、OGRE YOU ASSHOLEの対バンライブを見た。

スリーピー以外は初めて見たバンドだったけど、今思えば凄い組み合わせ!(そのときも凄いと思ったけど)



トップバッターのオウガのライブを並んで見ていたてんちゃんに、「リンコさん、このバンド好きでしょ」と言われたのを昨日のことのように覚えている。



そのあと10月にリリースされた『アルファベータ vs. ラムダ』を聴いて、もう一度彼らのライブに行けるチャンスをうかがっていた。



オウガのライブが始まって気づいた。

フロアの後ろの台に上ってステージを見ると、高さがメンバーとほぼ同じくらい。

だから距離はあるけど出戸くんの真正面に同じ目線で立っている感覚でなんだか照れくさい(笑)


わくわくしながら待った1曲目、“フラッグ”


2曲目は知らない曲、と思ったら、新曲だって。そもそも『アルファベータ vs. ラムダ』しか知らないんだけど。



“サカサマ”のイントロでベースがつまずく。

両手を合わせて「ごめんなさい!」謝る平出くん。

「ここにはなんかいるね」と出戸くん。



「明日は名古屋でライブがあります」

オウガ主催のイベントでeastern youthもm出てくれるとか。

だから明日も名古屋に来てください、意外と近いよ、今日も2時間でここまで来れたって。


そのあとも「みんな明日は名古屋に来るんだっけ?」(笑)

「この中に明日行くって人いるのかな?」

ってちょっとしつこい(笑)



わたしの隣の女の子がそーっと手を上げた。

出戸くんが気づかなかったので、彼女の肘をつかんでもう一度手を上げるのを手伝ってしまった(おい)

出戸くん、馬渕くんがそれで気づいてくれて、

「あ、いた!」

「神戸の人って優しいね」


う〜ん、わたし、グッジョブ!(違)

(あとで女の子に“腕をつかんでごめんね”って謝った)




中盤は知っている曲が続き、“コインランドリー”やっぱり好きだな、と思いながら聴いていたら・・・・そのあとの曲!


タイトルがわからない曲だったけど、なんて表現したらいいのか・・・


彼らの発散するエネルギーが音になって突風のように吹きつけてきた。

その風を全身に受けながら胸が熱くなり泣きそうになった。



あとで知ったこの曲“ロボトミー”、調べてみたら去年のライブでも聴いていた。

でもそのときは特に印象に残らなかった。なのに今日はなぜ?



ロボトミー”〜“アドバンテージ”〜 “ラムダ・ラムダ・ラムダ”まで一気に、身体を揺らしながら半泣きになって聴いた。

凄い。こんな凄いバンドだったのか。




オウガが終わったら腑抜けのようになってしまい、台から降りて2階に上がって水分補給した。

最後のイースタンはこのまま2階で見よう。

1階のステージの見える柵の前はお客さんがいっぱいでよく見えないけど。





eastern youth


SE そして神戸(内山田洋とクールファイブ

01.荒野に進路をとれ
02.沸点36℃
03.未ダ未ダヨ
04.ギラリズム夜明け前
05.夜がまた来る
06.街はふるさと


En.
01.夏の日の午後



(セトリはよーすけさんに教えていただきました。ありがとうございます)




イースタンのことは何一つ知らなかったので、登場してきたメンバーを見てびっくり!

・・・同世代(笑)

なのにパワフル!


それまでと違って最前はほとんど男の子。熱い!




トリらしくいい感じに盛り上がっていたのに、2曲めが終わったとき事件が起きた。


ひとりの客が、メンバーに向って野次とも暴言とも取れる言葉を吐いたようで(よく聞こえなかった)ボーカルの吉野さんも最初は穏やかに諌めていたけど、その客がしつこいので半キレになってギターを下ろして、


「ここまで上がって来い!!」と。



一発触発。息を呑んで見ていたら、スタッフさんらしき人が抱えるようにしてドアの外につまみ出した。



ほっとしてみんなで拍手・・・と、またその客がドアから入ってきて大声でわめき散らした。


もう一度二人がかりでつまみ出されたものの、吉野さん、


「大丈夫?危なかったらライブやめるよ?」と。


凍りつきそうな空気の中ひとりの男の子が、


“神戸を嫌いにならないでください!”と。


吉野さん、にこっと微笑んで手のひらをヒラヒラさせて、「大丈夫だよ〜」と合図。



“吉野さん、オトナ!”


一度下がったテンションを上げようと吉野さん、おどけて笑わせてくれて、みんなもなんとかついて行こうとして、そんなみんなの想いが空気を動かしているのが見えた。




そういうトラブルがあったからかわからないけど、

「街には暴力があふれている・・・暴力で何ができるのだろう・・」

というMCのあと歌ってくれた“夜がまた来る”という曲は凄かった。



2階の後ろのほうで、柱と前の人の頭の隙間からなんとか見えるステージなのに、吉野さんの歌がきちんと届いてきて震えた。



気がついたらわたしの斜め後ろにオウガの出戸くんが来られていて、食い入るようにステージを見ておられた。





アンコール。大きな手拍子。


再登場した吉野さん、「やって大丈夫?」


そして“夏の日の午後”


この曲、歌も演奏もよかったけど、お客さんとの一体感が凄くてまた泣きそうになった。


泣いている男の子もいた。

こんなに熱いライブになるなんて思わなかった。

イヤなこともあったけど、最後まで聴けてよかった。

(あのトラブルで怖くなり、途中で帰ってしまった人もおられたそうだ)




すべて終わって物販でオウガの1stとミニアルバムを買って、そこにおられた出戸くんに握手をしてもらい、

「名古屋は行けませんけど日曜日の東京には行きます!」

と言ったら、「ほんとですか?」と微笑んでくださった。





外に出るとまだ雨が降っていた。


後ろを歩いていた男の子の二人連れが、

「アンコールで夏の日(の午後)が聴けてよかったなあ」

「うん、凄いいいライブだったな!」


と話しているのを聞いて、思わず「ほんとに!」と返事をしたくなるのを我慢しながら駅へと向った。



ライブは本当にいい。



音楽を踏みにじるヤツはクソクラエ!!