星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

sleepy.ac アコースティック・ワンマン・ツアー@博多百年蔵(6/27)




スリーピーのアコースティックツアーが発表されてから、なんとか2・3箇所の会場に行けないものかと思案したものの、平日で休みが取れない日が多く、思案したあげく福岡と札幌に行くことにした。


福岡のライブは日曜日で、普通ならもう1泊しないとムリなのだが、開演が18時と早くてなんとか最終の新幹線に間に合うのでは?と思い行くことにした。


造り酒屋として機能しながら、イベントやレストラン、結婚式などが行われているという百年蔵に、いつかは行ってみたいと思っていたので、とても楽しみにしていた。

それにそういう場所なので、ドリンクに冷酒が呑めるかも?(そこ? 笑)



福岡に着いて、地下鉄で天神へ。福岡在住の友人と待ち合わせして、前回来た時に入ってみたかった『風街珈琲店』へ連れて行ってもらった。

レンガ造りで昭和っぽいムードのお店。

なんと言っても店名がはっぴいえんど(またはバイン)っぽい(笑)


メニューに書かれたおもしろいコメントを読みながら食事をしてから、百年蔵へ向かった。


バスで行くつもりだったが豪雨に気持ちが萎えて、奮発してタクシーで。

「石倉酒造へ」「百年蔵ですね?」という、友人と運転手さんとの会話がおもしろかった。

信号で止まったとき運転手さんが1枚の紙を取り出して、

「今日のイベントに行かれるんですか?」と。


その紙には百年蔵のスケジュールが書かれていて、運転手さん目を細めてそれを見ながら、

「スリーピーエーシーって何だろう?って思ってたんですよ。」


ははは。詳しく説明しようかと思っているうちに百年蔵へ到着。

せめて「札幌のバンドなんですよっ」と説明すればよかったな。

ちょうど1000円になったところで早めにメーターを止めてくださった。運転手さんありがとう!





(以下ネタバレあり)



白壁土蔵に赤れんがの煙突。雨の中、風情のあるたたずまいにぱしゃり。


入り口を入ったところに受付の方がおられて、許可をいただいて撮った写真↓


    


入り口を入ってすぐの中庭に、ライブの受付があった。

ドリンクチケットは一升瓶のフタ。


整理番号順に入場してホールに入って、椅子席をキープしてからドリンクを引き換えに行った。

プラスチックカップ1杯の「しぼりたて新酒」をもらって呑んだ。きりっと冷えておいしかった!あとでおかわりしよう。


ここ百年蔵には3つのホールがある。(結婚式では披露宴会場になるようだ)


150名収容の博多百年蔵ホール、100名収容の壱番蔵、50名収容の参蔵。(キャパはいずれも椅子席)


今日のライブは博多百年蔵ホール。背もたれのついたしっかりした椅子が並べられ、かみて側の端にはベンチが並べられている。

ソールドアウトではないようだが、ほとんどの席が埋まっていてお客さんがいっぱいだった。


天井の高いホールで、ステージは狭いが高くてみやすい。

椅子にもたれて友人と語り合いながらおいしいお酒をいただく。

開演までの短い時間に、もうすっかり満足してしまいました(笑)


ステージには山内くんと成山くんの間の位置に小さいテーブルが置かれ、その上には水が入ったワイングラスが5個。

そのうち4個にカラーテープが貼られていて、水の量がそれぞれ違っていたので、あれ楽器にするのかな?と友人と囁きあった。


やがて客電が落ち、かみての椅子とベンチの間の通路から静かに山内くんがひとり入場。

あまりにひそやかだったので、すぐには山内くんと気づかず(笑)

大きな拍手が起こる。


山内くん、まずは定位置の椅子に座り、アコースティックギターで音を鳴らす。

器材のことはわからないけど、今弾いたメロデイを再生させて、もう一つのメロディを弾いて音を重ねる。(←空中ループの松井くんがよく使っているやつ)

そして立ち上がってグラスのところに行き、指を濡らしてグラスのふちをこすって音を出して演奏。高くて美しい音だ。(グラスハープというらしい)


聴き惚れているうちに津波くん、田中くん、成山くんが登場。

成山くんはアコースティックライブなのでボーダーじゃなくチェックのシャツ。(律儀やな〜 笑)



(以下、MCはウロ覚えです)<セットリスト>


01.メロディ
02.アクアリウム
03.メロウ
04.ドレミ  
05.palette 
06.さかなになって
07.まっくら森の歌(谷山浩子 カバー) 
08.メッセージ・ソング(ピチカートファイヴ カバー)
09.君と背景 
10.メリーゴーランド
11.夢織り唄(新曲)
12.メトロノーム


En
01.賛歌
02.ねむろ




1曲目は『メロディ』


 いつからか 僕達が見ていた
 見えない筈のメロディ


初っ端、歌い出しから泣きそうになったのは、さっき呑んだお酒のせいだ。


成山くんの声が高い木の天井に届いて、跳ね返って響いてくるのに、心が震えた。

やばい、最後までもつかしら。



アクアリウム


アコースティックver.のこの曲、聴いたことがないわけじゃないのに、一瞬何の曲かわからなかった。

バンドver.のときより温かく感じた。


「こんばんは。札幌から来たスリーピーです。」と挨拶を挟みながら曲が続く。



『メロウ』

山内くんがイントロで鉄琴を弾いた。ああ、音がきれい。




『ドレミ』


1曲目からこらえていた涙が落ちそうになる。

初めて『ドレミ』を聴いたのはシャングリラでのGSGPだった。

感動してあとでタイトルを尋ねたら、、「ドレミ。気が変わらなければ」って言われていたな。


道新ホールでのライブのあと、見上げた満月がとても綺麗で、この曲を思い出したな。


いろんなことを思い出して、自分がいかにスリーピーの音楽が好きかをいまさらながらに実感した。

そして今のこの状況こそが「至福の時」だと思った。



●福岡でacのライブ(アコースティック)をやるのは初めてです、と言われ、百年蔵でライブをやるのを楽しみにしていました。いい雰囲気ですね!と。


成山「うちのお母さんが日本酒の会というのを作っていて、全国を回っているんですけど・・・今回ここでやるのを自慢してきました!」(笑)

成山「・・・招待したらよかったかな?」

田中「実は来られてたりして。」(笑)

成山「今日のスペシャルゲストです!・・とか?こわっ!!」(爆)


その会、入会希望です!!!(笑)←マジですが




『palette』


照美さんの出番だ!(笑)

間奏で山内くんがテルミンの照美さんを持って立ち上がって演奏。

2フレーズめには横を向いて正拳突きのように鳴らしたので会場に笑いが。


成山「マトリョーシカ型のテルミンで、照美さんといいます。」と説明。



成山「ラジオの収録のときにも山内、照美さんを持って行ってるんですが、DJにその話題を突っ込まれたらいいけど、時間がなかったりしてスルーされたら、単なる危ない人になるんだよね。」(笑)



成山「収録後、デパートに行ったことがあって・・」

山内「ケースを忘れたんだよね。」

成山「ケースに入れずに照美さんを持って、上の階までエレベーターに乗っていたら女性客に不審がられたよね?

他人のフリしたくて、“こっちに寄るな”って。」(笑)



●田中「ドリンクのところでおつまみも売ってましたね。買ったひといます?」

誰も返事せずくすくす笑った。

成山「呑んでも食べてもいいですよ。今から買ってきてもらっても。」(笑)




『さかなになって』


山内くんがカリンバ津波くんに渡して、自分はアンデスを演奏(鍵盤ハーモニカみたいなやつ)


アンデスの音を聴くのは久しぶりだったし、津波くんがカリンバ弾くのを初めて見た!

そして、途中水の・・あぶくの音が聴こえてきたけど、あれはどこから?

田中くんのベースから!?(あとで尋ねようと思って忘れた・・)



 星の珊瑚の丘で 君を見つけた



『さかなになって』は、3分に満たない短い曲で、おそらくアコースティックライブでしかやらない曲で、スリーピーの曲の中では代表曲とは呼ばれないだろうけど、ものすごく好きな曲。

去年入院したときに、死ぬかもしれない、というくらい不安になっていたわたしは、何度も何度もこの曲を聴いて泣いていた。

今思うと気恥ずかしいばかりだけど、そのときは真剣に、「早く元気になってスリーピーに会いたい!」って思っていた。

だから、「生きててよかった」って思える曲です。

曲づくりのときのいきさつを知って、ひっくり返って笑ったけど。




『まっくら森の歌』


前回のアコースティックライブのときに初めて聴いて感動した曲。

みんなの歌で谷山浩子さんが歌われた曲だけど、成山くんの声とスリーピーの音にぴったり合っている。



●成山「今回のツアーでも何かカバーをやろう、となって、みんなで曲を持ち寄りました。

それで、僕が選ばれて・・・」(笑)


いや、その表現どーなん?(笑)

他のメンバーさんの持ち寄った曲も気になる・・



『メッセージ・ソング』(ピチカートファイヴ カバー)


オリジナルより少しテンポが遅めだけど、これまたとてもよかった!

また音源にしてほしいな。



 忘れないで ぼくはきみを ほんとうに愛してる



スリーピーの曲にはない表現なので、こう成山くんに歌われてひそかにドキドキした(笑)



●成山くんが、いい感じに眠くなってきましたね〜って言われたのはも少し前かな?

成山「山内はステージで寝たことがあるんですよ。あんなに忙しいのに(笑)ありえないよね。」


山内くん苦笑。



●スリーピーが初めてリリースしたシングル曲、『君と背景』

シングルの作り方がよくわからなくて・・・と成山くんが言われた。


はっきりどう表現されたのか忘れてしまったが、

もっと届けたくてシングルを作った、ようなことを言われていて、それから、

「ひとがいて、背景が動いていて、ひとが変わっていくような」


このへんの言葉を書き留めておきたいのに、記憶があいまいで口惜しい。


そして『君と背景』


前のライブで「朝から聞けるスリーピーです。」と言われていたこと思い出して、確かに明るめの曲調やなーと思いながらぼんやり聴いていたはずなのに、なぜか涙が落ちた。


え!?ここ!?

と自分でもびっくりして慌てて涙をぬぐった。



『メリーゴーランド』


山内くんのカリンバから始まるこの美しい曲。

これはもうダメです。と、涙が落ちるままにしておいた。



●成山「新曲を・・・『ゆめおりうた』」


何?その乙女なタイトルは!

と、心で突っ込みを入れながら(ごめん)、新曲という響きにわくわく。


『夢織り唄』




 切なさをわかり合える
 君と僕は似ているね


メロディと歌詞の美しさに、また涙がポロポロと。



●「最後の曲です。」


えーーーっ!早!

成山「また福岡に来ます!今度は“ab”で来ます!」


メトロノーム


終わってしまう。最後の一音まで聴きもらさないように耳を傾けた。



●アンコール。

成山「山内くんが言いたいことがあるそうです!」


拍手〜!


山内「(イカリンバ・イカの形をしたカリンバの説明をしようとしてから)あ、まず音を聴いてください!」

とスリーピーの曲のイントロを演奏。

大きな拍手を受けたまではよかったが、その宣伝をしようとするもグダグダ(笑)


見かねた田中くんが

「このツアーから発売されたカリンバの・・・だろ?」

とフォロー。


そして成山くんが替わって説明を。

イカリンバを作ろうと山内くんとマネージャーさんが相談して、山内くんが製作にかかっている間、成山くんは「歌詞でも書いといて。」とリビングの端においやられたそうだ。


1個作るのに20分。1個3000円!


成山「3000円!(いかにも高い!という感じで)
もし売れなかったら買い取れよ!と言ってました。」

そして50個発注。

それがツアー初日の仙台で完売!

東京・名古屋・金沢と、買いに来られたお客さんに迷惑をかけてしまったそうだ。

そして追加して届いたカリンバに、夜な夜なイカの絵を描く山内くん。


成山「組み立て方が意外と難しいんですよ。だからそのうち作り方というか教本みたいなのをUstreamにあげようかと・・」(笑)


うなずく山内くん。


成山「っていうか、山内、全然喋ってないだろ!」(笑)


山内「話をフルのも大事かな、と思って。」(笑)


成山「今までそうやって生きてきたんだな!?」(爆)


爆笑する津波くん、田中くん、と客(笑)




『賛歌』


笑いすぎたあとでアレだったけど(笑)この百年蔵で『賛歌』が聴けて嬉しかった。

本当に美しい・・・



『ねむろ』


博多まで来てよかったな。

永遠にこの時が続けばいい。



スリーピーの音が形になったら、

成山くんの声が形になったら、

ぎゅっと抱きしめて離したくない。

そんなライブだった。




ライブ後、冷酒をおかわりして、CDを買ってサイン会の列に並んだ。

お客さんみんな、とても満足そうな顔をされていた。


スリーピーのメンバーさんは昔と変わりなく気さくで、ありがとうございました、と全員に握手をしていただいた。


もっと伝えたいことがあったけど、泣きすぎた顔ではそれも恥ずかしかった。




百年蔵を出たら雨が上がって、気持ちのいい風が吹いてきた。

もう空は暗くて星も見えないけど、満天の星をもらった気分だった。



「星の珊瑚の丘で」 

スリーピーという音楽を見つけられて幸せです。






この福岡ライブから再発売されている山内憲ノ介作「イカリンバ1号」(笑)


   



シリアルNo.57。

つか、「1号」ってことは「2号」もあるの?


不器用につき、まだ組み立てていません。

完成したらアップします。(いつになるやら)