LOST IN TIME「いつも通りの、新たな、一歩」@大阪・十三ファンダンゴ(1/12)
去年は後半1本しかライブに行けず、ロストの10周年記念ライブにも参加できなかった。
海北くんのソロや岩海苔のライブには行っていたものの、バンドセットのロストはいつ以来だろう。
調べてみたら、2011年10月の太陽と虎のライブ以来だった。
ロストつながりの友人たちともご無沙汰で、緊張しながら十三駅の改札を出てファンダンゴへ向かうと、わたしの前を歩いている友人のAさんを見つけた。
思わず声をかけると振り向いて、偶然にびっくりしながらも満面の笑顔を見せてくださって、おかげで緊張が解けた。
それでも、1年くらい前まではいい年してほぼおっかけに近いことをしていたのに、肝心の10周年記念ライブに行けなかったわたしとしては、なんだか敷居が高いな、と勝手に感じていた。
開場まで時間があったので、Aさんと、東京から遠征して来られた方と3人で、暖を取るためにファンダンゴ近くのコンビニに入った。
そしたら・・・
ばったり海北くんと遭遇!何もこんなところで会わなくても・・・・それでなくても気まずいのに。
「こんにちは」とまぬけな挨拶をしたら、ニコッと笑って「やあ〜」と言ってくださって、勝手に上げていた敷居も下がった(笑)
心が軽くなって、開場までの待機場所であるファンダンゴの隣にある駐車場に戻った。
その頃にはたくさんの人が集まっていて、久しぶりに会う友人たちが声をかけてくれたり、2年前に太陽と虎でお会いした鳥取の方とも再開できたりした。
みんな素敵な笑顔で、ファンダンゴでのワンマンを待ちに待っていたのが伝わってきて、「やっぱりロストは愛されてるなあ」と嬉しくなった。
開場。
フロア中央の柱の前あたりに立った。
あれ?源ちゃんのドラムが変わってる?・・・見るのが久しぶりだからよくわからないけど、かわいい?イラストが描いてある。
開演。
(以下、セットリスト、ネタバレあります)
いつものようにフロアの壁際にある階段をメンバーが降りてくる。
いつものようにって・・・ファンダンゴに来るのも2年半ぶりくらいだ。でも変わらないことが嬉しい。
1曲目、何かな?
〈セットリスト〉
01.手紙
02.約束
03.通り雨
04.一つだけ
05.列車
06.声
07.合い言葉
08.Over(新曲)
09.青よりも蒼く
10.バードコール
11.旅立ち前夜
12.希望
13.ココロノウタ
14.線路の上
15.ひとりごと
16.最後の頁
En1
01.あしたのおと
02.僕らの声の帰る場所
En2
03.ハローイエロー
定番のセットリストと言われればそれまでだけど、新しい年の始まり、ロストインタイム11年めの始まり、そしてわたしにとっての初ライブが、“手紙”からなのはとても嬉しい。
いろいろあってバンドが迷走していた時期、海北くんがギターからベースに戻ってから初めて観たワンマン、2009年3月の名古屋アポロシアターでこの曲を聴いて、号泣したのを覚えている。
あのとき海北くんは、「いろいろあったけど、歩くのをやめなくてよかった。」って言ってたよね?
10周年のライブに行けなかったわたしを慰めてくれるようなセットリストだった。
さまざまな想いが蘇る。
“約束”
『時計ツアー』のとき以来、3年ぶりに神戸スラークラブにやって来てくれたのは2009年4月。オトナモードとの対バンだった。
「『また会いましょう』の約束がやっと果たせました。」
と言ってこの曲をやってくれた。その日アンコールで「昨日の事」を聴いて、これまた泣いてしまったのだった。
・・・よく泣いたなあ。
そんなことを思いながら1曲1曲聴いていた。
“通り雨”のベースが素晴らしくてドキドキした。
“合い言葉”のときの三井くんの、ギターを弾いているときの表情が好きなんだよね。
三井くんのギターの音は本当に素敵。それはファンダンゴでも変わらない。
源ちゃんは源ちゃんそのひとが好きだから。
源ちゃんがいるからロストが成り立ち、海北くんが前を向いて歩いていけるんだよね。
自分の思い出と曲をリンクさせながら聴いていたので、MCははっきり覚えていないけど・・・
三井くんのバンド、THE YOUTHと初めて対バンしたのがここファンダンゴ。ロストの演奏が始まったその1曲目に海北くんがベースの弦を切ってしまったことがあった。
そのときTHE YOUTHの当時のベースの方が、自分のベースを貸してくれたそうだ。
そして海北くんのベースの切れた弦を、自分の弦を使って張り直してくれたのがもうひとつの共演バンドだったアジカンのベースの方だって!
そんな思い出深いファンダンゴでロストがライブするのは、tacicaのツアー以来だから4年ぶりらしい。
tacicaのツアーといえば、ロストがゲストの神戸・京都・奈良・帯広・札幌のライブには行ったのに、ファンダンゴだけは行けなかった。
なのでわたしにとってのLOST IN TIME@ファンダンゴは、2006年2月の『時計ツアー』ぶり。約7年ぶり!来たかったはずだわ。
海北くんはライブ後の打ち上げをとても楽しみにしていると言われて、「今まで何しとったんや〜!って加藤さんにばしばし叩かれる予定」って(笑)
源ちゃんの「僕がしゃべるコーナー」は結局ライブの告知や物販の紹介などで3人ともしゃべったけど、ドラムの前面のイラストが変わりました、ゲンチャンマンです!と。
海北「大田区で使ってもらえたらいいのに」
海北くんが、「後ろの人は(イラストが)見えないだろうから、ライブ終わったら見てね。写メ撮るとか」って言われたので、撮らせてもらった写真↓
確かにゆるキャラ(笑)
あと、印象的だったMCは、「がんばる」を「顔が晴れる、顔晴ると書くというのを人から教えてもらってよく使っているけれど、今年は頑なに突っ張って「頑張る」のもいいなと思っていると。
それから、友人の悲しい話を聞いて、自分たちにもいつかは終わりがくるんだと認識したこと。(ノーリグの解散の話かなあ・・・)
そして、今年のテーマは「仲間」だと言われたこと。
バンドセットでのライブは今年今日が初めてで、「それが大阪から始められて良かった」って何度か言ってくれた。
その言葉どおりの、暖かい、心の伝わるライブだった。
Wアンコールでは、「久しぶりの曲をやります。できるかな・・・」と言いながら、“ハローイエロー”を。
この曲は、バンドが苦しかった時期を乗り越えて、2年ぶりにリリースしたアルバムのラストに収録されている曲。
それでもこの声は 君に向かってるんだ
当時こう歌ってくれることにどれだけ感動したことか。
歌い続けてくれて本当にありがとう。
わたし自身が年を取り、いろんなシガラミがあって今までほどはライブに行けなくなってしまい、ライブへの意欲を失いかけたこともあったけど・・・やっぱりライブはいいな。
改めてそう思った。
変わらないみんなの笑顔と、おとなになって少し深みを増したバンドがそこにあった。
歩くスピードは遅くなってしまったけど、これからもロストの歩む方へ歩いていこうと思った。
見失わないように。