雨がやんだと思ったらすごい霧が。
昨日近くのホールで、職場の若い友人がお琴の発表会に出演するというので見に行った。
会場に入ると人生の先輩方がたくさん・・・・寝てしまったらどうしようと失礼なことを考えたが、それは杞憂ってもんだった。
おもしろかった♪
普通「琴」と呼んでいるが本当は「筝(そう)」らしい。
弦を、柱(じ)という可動式の支柱で支え、それを動かして音程を調節するのが「筝」。柱がないのが「琴(きん)」だそうだ。
演奏中もこの柱を動かして、音の高さを変えていた。ギターでいったらカポみたいなもんかな。
普通の筝は十三本の弦が張ってあるが、十七絃という筝はその名のとおり十七本の弦。そして低音なので、ベースのような音がする。それを弾いておられる姿はすごくかっこよかった。
曲目も古典あり、現代風のものあり、演奏者の服装も、男性が羽織袴、女性が着物だったり、洋装(死語? 笑)だったりで、見ていても楽しかった。
出番の終わった友人が客席に来てくれたので、ふたりで曲の間にしゃべっていたら、年配の女の方が話しかけてこられた。
「お若いのにお上手でしたねえ。音大に行かれているの?」
“ただの趣味でやっています”と照れる友人に、
「10年前主人が亡くなって寂しくて欝になりそうだったときに、人から薦められてお琴を始めたの。それからずっとお稽古してきて、本当に楽しくて。あなたみたいなお若い方が同じように演奏されているのを見て嬉しくてね・・・」
と話された。
その方にとっては筝という楽器と邦楽が支えになってきたんだろう。
どんなジャンルであっても、形を変えても、いつの時代でも音楽は人に力をくれるんだな。
偶然聞かせてもらったお話が、心に残る一日だった。