THE NOVEMBERS “paraphilia”release tour “樹海はチル”@大阪・十三ファンダンゴ(4/29)
最初にTHE NOVEMBERSのライブを観たのは2007年12月。
が、彼らとの出会いがどうしても思い出せない。
なぜTHE NOVEMBERSを知ったんだっけ?そういうの、大抵覚えているのに。
だいたい絶叫系(と呼んでいいのかどうか)は好きじゃない。
だけど不思議と小林くんの絶叫には抵抗がなく、むしろ心地よい。
それとCDジャケットのイラストが素敵。
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廃盤になってしまったdemo CDもほしい。(探している)
この日は大阪での初ワンマン。
GOING KOBEからのハシゴで、身体は疲れていたけどウキウキしながらファンダンゴへ向かった。
(↓にセトリあり)
ファンダンゴに着いたらもうたくさんの人たちが開場を待っていて、その中にはTHE NOVEMBERSのライブでよくお会いする、東京から来られた男性の姿が見えた。
彼は前日の名古屋のワンマンも観てきたとか。
他にも遠征組が結構おられたようだ。
開場。
小林くんがよく見える場所に行くことができた。
小林くんは今日は首元までぴちっとボタンを留めた白シャツ。
金髪にも慣れてきた。
<セットリスト>
01.philia
02.chil
03.僕らの悲鳴
04.she lab luck
05.アマレット
06.ブルックリン
07.ewe
08.chernobyl
09.para
10.dnim
11.keep me keep me keep me
12.ガムシロップ
13.Arlequin
14.最近あなたの暮らしはどう
15.こわれる
16.白痴
17.picnic
En
01.ア_-オ
02.バースデイ
元々MCが多いほうではないので、そこは期待しない(笑)
“philia”は大好きな曲。
開放感があって透明。聴いていると風が吹いてくるように感じる。
アルバム『paraphilia』の1曲目で、初めて聴いたときこのアルバムが大切な1枚になるのを感じた。
ライブ前半は高音が出にくそうで、2曲ほど1オクターブ下げて唄っていた曲もあったが、だんだん調子が出てきた。
3曲目でもう“僕らの悲鳴”
彼らの曲がいっぱい聴けるんだ、と当たり前のことを思って嬉しくなった。
“アマレット”の後半だったかな?
突然小林くんが、唄いながら両手でシャツの一番上のボタンをはずした。
これにはかなりびっくりした(笑)
その何曲かあとのMCで、
「テンションが上がりすぎて、ボタンなんかはずしちゃったりしました(笑)」と。
そーかそーか、うん。
“ブルックリン”を聴くのは初めて。
思わず歌詞に聴き入ってしまった。
「昨日名古屋だったんですけど、物販でこんな丸い(両手で円を作って)バッジが気が狂ったかと思うくらい売れたみたいで・・・今日なかったらごめんなさい。」
そんなん言ったら絶対すぐソールドアウトだと思うよ?
(実際わたしの5人前でソールドアウトになった)
「はじまりの唄をやります。」と、“chernobyl”
最初に音源になった曲、という意味なのだろうか?
2007年リリースのハイラインコンピ『HI-STYLE〜itaku version01〜』に入っている曲だし。
“para”は、前回のここファンダンゴでのイベントで初めて聴いた曲。
アルバムの中でも特に好きな曲。
6分1秒の曲だけど、歌詞は7行(笑)
“dnim”の後半の絶叫部分、心にずしんときた。
小林くんの中に潜む、狂気と純粋な部分が混ざり合って不思議な色合いになる。
唄っているときの顔も好きだ。もっとこわれて!と思う。
そのあと“keep me keep me keep me”
アルバムと同じ流れ。
“dnim”の絶叫・轟音のあとで、静けさ・純粋さが際立つ。
僕はいま地面に
ひざまづいて
頭を撃たれた
「ここにいたければ笑っていろ」と
鬼が言っていた
というところでいつも、心がえぐられそうになる。
そして“ガムシロップ”〜“Arlequin”
THE NOVEMBERSのことが本当に好きで、しかもその音楽の渦に巻き込まれても踏ん張れる力がないとしんどくなるかもしれないな、なんて思ったら、前にいた女の子がひとり後ろに下がっていった。しんどかったのかどうかわからないけど。
踏ん張れる「力」ってなんだろう?
そんなことを考えたのはライブ後のこと。
そのときはただ、小林くんが顔の左半分を歪めながら絶叫しているのを、呆然と見つめていた。こんなに表情が見えたっけ?
ああそうか。
黒髪の頃は前髪が長くて、今ほど目の表情が見えなかったんだ。狂気に満ちた目が。
“Arlequin”のあと、それぞれがチューニングをしているときに急に小林くんが、
「スピッツでもやりましょうか。時間があるし・・・」
え・・・そう言われて固まっている客を横目に、
なめらかに澄んだ沢の水を〜♪
ためらうこともなく流し込み〜♪
と弾き語りで唄い、
「“田舎の生活”だっけ?は!」
拍手ひとつできなかったのは聴き惚れていたからと、実は続きを待っていたから。
綺麗な声。純度100%。
溶けそう・・・
続きを唄われたら、溶けて崩れた雪だるまみたいになってたかもしれない。
(今もあの声、忘れられない)
そのあとの“最近あなたの暮らしはどう”
意図してそういう流れになったのだろうか?いや違うだろうな。
もうこれ以上余計に生きてもあなたを汚しはしないかしら
もうこれ以上笑える気がしないから観覧車の中でキスをしたい
この曲の続編(と勝手に思っている)“mer”が次の曲なら絶対泣いていたと思う。
でも“mer”は今日は無く、“こわれる”
ライブで聴くと一番テンションが上がる曲。全身の血が逆流するくらい好き。
短い曲だけど、“こわれる”が聴けるなら遠くにだって行ってしまいそう(笑)
続けて“白痴”
海に帰りたい
子宮に帰りたいの
“picnic”
初めて聴いたとき、歌詞の凄さに慄然とした。
この曲だけでなく、彼らの曲にあるのは震えるくらいの孤独と狂気。
でもその向こうにはどこまでも澄んだ青い世界がある。
ガラにもなくそんな表現をしてみたり(笑)
要するに、彼らの世界が好きなんです。単純にそれだけのこと。
アンコール。
高松くんだけが先に出てきて、物販の話をぎこちなく。
他のメンバーがなかなか出て来なくてちょっと心配そう。
長〜く感じた時間が過ぎて、やっと4人が揃った。
「ありがとうございます。あと2曲やって・・・」
“ア_-オ”
この不思議なタイトルの読み方と意味を誰か教えてくださいな。
“バースデイ”
そして今も
忘れていく どうしよう
清らかなあの気持ちも
いちいち刺さる歌詞だ。
タイトルのつけ方が凄いと思う。
終演。
大きな満足感と疲労感。
緊張がまだ取れない。
久しぶりに会った友人と、ライブと関係ない話をした。
THE NOVEMBERSのライブは、誰かと語るのが難しい。
「彼らの音から抜け出せない」
誰かと語らなくても、その感覚を共有している気がする。
そしてすぐにまた、あの音の渦に巻き込まれたくなるんだ。
こういうのを中毒性があるっていうのかな?
最後に小林くんの投げたピックを拾ったのは隣にいた友人。うらやまし。(←うらめしやに似てる 笑)