星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 GRAPEVINE Tour 2009@神戸ウィンターランド(9/29)


GRAPEVINE


1997年9月19日リリースのミニアルバム『覚醒』でデビュー。

そこから数えて12周年。ということは、ライブでのMCで知った。


わたしにとってのGRAPEVINEは、彼らのことをよく知っているわけでも、ツアーを追いかけて飛び回るわけでもないけど、ツアーには毎回行きたい、と思うバンド。

そして、田中くんの声も中毒性があって、聴き始めると止まらなくなる。


何より田中くんは神戸出身なので(というのが理由かどうかはわからないけど)、ツアーになると必ず神戸でもライブをやってくれる。

これは大きい(笑)



というわけで、昨年7月以来のGRAPEVINE。ウィンターランドに来るのも約1年ぶりだ。



(下にセトリあります)






久しぶりすぎて予習も間に合わないので、ツアー初日の岡山に行った友人の日記を読んで、セトリも見てきた。


整理番号は90番台。田中くんと金やんの間くらいに立った。



BGMで流れていた曲が止まり、客電が落ちて、何のSEもなくメンバーが静かに登場。やけにあっさりと。




「1年ぶり!オレの街、コウベ!」

って言われたのは“ふれていたい”の前だっけな?(最初に言われたような錯覚が)



とにかくおかえり!(笑)



「ゆっくり始めるのでゆっくりついてきてください。」


そう言ってアコギで始まった1曲目は、“Twang”


ありゃ、曲順が違う!


やられたっ(笑)




01.Twang
02.Pity on the boulevard
03.ふれていたい
04.NOS
05.嘘
06.ポートレート
07.hiatus
08.Vex
09.Turd and swine
10.KINGDOM COME
11.鳩
12.She comes(in colors)
13.それを魔法と呼ぶのなら
14.小宇宙
15.少年
16.フラクタル
17.Darlin' from hell
18.Afterwards
19.BLUE BACK 
20.スレドニ・ヴァシュター
21.FLY
22.疾走


En.

01.アルカイック
02.CORE
03.超える



GRAPEVINEのライブは今日が6回目。

そのうち3回がここウィンターランド。


このくらいのキャパが一番好き。ただ暑いのが玉にキズだけど。



でも、バインのライブはモッシュが起こるわけでなし、みんなそれぞれの楽しみ方をしていて好きだ。

ちょっとオトナな感じ。(ハコによっては違うのかな?)



 あの目の前を通る道で あの海が見えるんです



ポートレート”嬉しかったな。ライブで聴くのは初めてだ。



6曲終わってメンバーが汗を拭いたり水を飲んだりしていたときに、わたしの斜め前にいた人が、

「12周年おめでとう!」

と声をかけられた。


田中くん、「そう、12周年・・・(声の方を見て)ありがとね!」

と嬉しそうに。




9曲めが終わったくらいのところで、スタッフさんがトレイにワインの瓶と、赤いワインの注がれた4個のグラスをしずしずと持って来られた。


ん?4個?(サポートのキーボードの高野さんも入れてステージは5人)


4個のグラスを配り終わったら、ベースの金やんには別の瓶が渡された。ビールかな?



おもむろにグラスを手にした田中くん、「12周年だから・・・自分たちで祝うんだ。」

そして客のほうを見て「いただきます。」と言ってごくんと。


あれ?乾杯とかしないの?(笑)

金やんはラッパ飲みしてるし(笑)



タイミングを逸してみんな笑いながらも、おめでとうの拍手を送った。




“それを魔法と呼ぶのなら”であやうく泣きそうになった。

いやいや(笑)





 交わした温もりなんて思い出せないだろう
 歩いた道程なんて振り返らないだろう


確か“少年”のときだったかな?

わたしの後ろにいた女性が、声を殺して号泣されていて・・・・もらい泣きしそうになった。

わたし自身がバインの曲にさほど思い入れがあるわけじゃないけれど、ライブで曲を聴いて、泣いてしまうほど心が揺れることがあるのはよくわかる。


また、この日の田中くんの歌は、あまり彼らの曲を知らないわたしの心でさえ揺さぶられた。

それほどいい歌だった。

泣いている彼女は知らない人だけど、肩を抱いてあげたくなった。




フラクタル”は新しいアルバムを聴いて一番に覚えた曲。

田中くんのこういう曲、好きなんだよね。



照明が曲によってさまざまに色を変え、とても綺麗だった。



MCはさほど多くなかったけど、マイクなしでひとりごとを言ったりつぶやいたりする田中くんがおもしろかった。



「よっしゃー!」とか「いくぞー!」とか、

ワインを飲んだあと西川くんがあまり飲んでいないのを見て、「あまり好きじゃないもんな。」とか(笑)


ギターチェンジのときにスタッフの方に、「段取りが違うもんやな」とも言われてた。



フラクタル”のあと、


「初めてライブを見る人にはわからないでしょうが、今日から大幅に曲順を変えてます!

ま、関係ないと思うけど・・・新鮮です(笑)」


って。そうか、だから段取りが・・とか言ってたんだね。



MCの途中に、

「それと・・・おかわり!」(笑)


スタッフの方が慌てておかわりを注ぎに出てこられた。

隣の女の子と、「いっそ瓶おいとけばいいのにね」って笑い合った。



おかわりを飲みながら、

「こういうときは気の利いたMCでもするんだろうけど、オレ、そんなのしないから〜」


という田中くんの隣で、西川くんはあきれ顔でギターをスタンバイして待っていて、

そんな西川くんと目が合った田中くん、「何か?」みたいな顔をしたら、

西川くん、「いやいや」って苦笑い。





「いや、もう、12年もやってるとね、色々うまくなってきてねー」(笑)


「だから、オトナの楽しみ方をして行ってください。」(笑)



「ゆるりと楽しんで」とも言われて、「ゆるり」という表現が気に入ったり(笑)




そのあと、田中くんが「水玉兄弟」って言ったら、

金やんがいきなりベースを背負ってドラムスティックを持って、

亀井くんの前に立ててあった楽器(名前がわからん)をカン・カンって叩き始めて、

思わずみんなで手拍子を始めたら、田中くんに「いいから」というジェスチャーで静止されて、

そのまま金やんはパーカッションのままで、


“Darlin' from hell”へ。


途中から金やんベースに戻った。おもしろかった。


で、金やんも亀井くんも水玉やった?(そこ?笑)





後半“BLUE BACK”から“疾走”までの盛り上がりがよかった!


セトリを大幅に変えたところやね。





「サンキュー!」

「アリガットサン!」


田中くんが投げたピックはわたしの少し前で弧を描いて離れていった。ああ無情・・・



アンコール。

「懐かしい曲をやります。」



“アルカイック”!



 日々の涙を 日々が優しく笑い
 時には歌を 意味のない歌を 風が奏でるんです


田中くんの歌に聴き入る。

そしてアウトロの田中くんのギター、めっちゃかっこいい!!


うわ〜〜って感動していたのに・・・


「この曲は、2000・・2001年だったかな?」


“合ってるよー”と声が飛ぶ。


「合ってる?(笑)

2001年のCirculator(サーキュレーター)というアルバムに入っている“アルカイック”という曲でした。


・・・みんな知らんやろ!」


“知ってる!”“知ってるよー!”

口々に言うお客さん。


「長えなあ!って思ったやろ?長えんじゃぼけっ!!」(笑)



田中くんの性格なんとかならん?(そこが好き!とか? 笑)




次の“CORE”


ベースが・・・ベースがかっこよくて、ゾクゾクしながら聴いた。

暗めの照明に青い光が綺麗。





「ほんまのラストォ〜!」



“超える”



照明が明るくなる。

楽しそうに演奏している5人。


 こうやって夏が終わる


のところで涙がじわっと出てきて慌てた。

自分で自分がわからない(笑)


でもなんだか、長い長いひとつのお芝居を観たような気持ちになった。


バインマジックか?(笑)



今まで観たバインのライブの中で、一番よかった。

田中くんもまた、孤高の人だと思った。