星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

THE NOVEMBERS 「November Spawned A Monster」@名古屋アポロシアター



(下にセットリストがあります)



早々にTHE NOVEMBERS名古屋のチケットを取ったものの、ミナミホイール2日目とかぶってしまっていて、ミナホに行こうか、名古屋に行こうか、ずっと迷っていた。

名古屋までの交通費もバカにならないし。


でも、大阪でのTHE NOVEMBERSのライブが素晴らしくて、しかも廃盤になっているDEMO音源の曲もやってくれて、それをもう一度聴きたいとも思って、名古屋に行くことにした。

行きだけでも新幹線を使わず、在来線で行くことにして、少しでも費用を浮かせて。


THE NOVEMBERSのライブを初めて観たのは、2007年の12月。

(そのときの日記はこちら→http://d.hatena.ne.jp/firesign0916/20071203/p1


実はスリーピー目当てでこの対バンライブに行ったのだけど、THE NOVEMBERSというバンドの名前も聞こえてきていて、気になっていた。


(昔の日記を読み返すと、恥ずかしいくらいエラそうでごめんなさい、なのですが、CDも買って帰ったし、今では大好きなバンドのひとつになっているので許してください)


スリーピーのライブが始まったとき、わたしのすぐ隣に小林くんが来られて、食い入るようにスリーピーのライブを観ておられた。

この日のメンツ、なかなか素敵なのに、お客さんガラガラだったな。


今から思うとこのときの小林くんの横顔に惚れちゃったのかもしれないな、なんて(笑)





ミーハーと言われようが、顔ファンと叩かれようが、わたしはギターを弾きながら歌ったり絶叫したりする小林くんの、頭から爪先までを見るのが好きなのだ。

歌っているときの表情が、曲によって激変するのを見るのが好き。

もちろん彼らが鳴らす音も好きで。


だから、大阪のときより少しだけ整理番号がよかった今日は、できるだけ前に行くことにした。



今日はビックリするくらい男性客が多くて、最前中央は男の子たち。

その後ろも長身男子が多かったので、かみてのスピーカー側に回った。

ちょうどケンゴさんの斜め前くらい。

ここだと人の頭の間から、ボーカルマイク前に立つ小林くんがよく見える。

うん、ここにしよう。スピーカーの前なので、耳が飛んじゃうかもしれないけど。



開演。<セットリスト>


01.Misstopia
02.chil
03.Exit
04.僕らの悲鳴
05.アマレット
06.ewe
07.pilica
08.philia
09.mer
10.ウユニの恋人
11.天井と管(1st DEMO音源より)
12.(新曲?旧曲?)
13.I'm in no core
14.パラダイス
15.she lab luck
16.dysphoria
17.こわれる
18.白痴


En1
01.サトル(仮)→のちにアノメノ(大阪でもやった新曲)
02.ガムシロップ


En2
03.最近あなたの暮らしはどう
04.ア_-オ



本編の流れは大阪と同じ。

でも、小林くんの表情がよく見える分、伝わってくるものがあった。

ギター抱えてのけぞったり、床にへたりこんだり寝転んだりするのもよく見えた。



今年5月に大阪城音楽堂で行われたRUSH BALL ☆R。

初めてTHE NOVEMBERSを見た友人Kさんに、「ちょっと!何?ビジュアル系じゃん!」「でも、みんな細すぎっ」と言われたのを今日思い出した(笑)


確かに細いな、みんな。高松くんなんて折れそうに細いのに、力強い音、鳴らすよね。



●「こんばんは、ノベンバーズです。最後まで楽しんで。」と右手を挙げる小林くん。

前半はMCは少なめ。


“pilica”〜“philia”の流れ、美しいなあ。



その前の・・・どのあたりだろう、“ewe”のころ?

フロア中央あたりにいたお客さんたちが、曲の途中なのにざわついた感じで。

みんな下を見ていたから、誰か気分でも悪くなったのかな?



そのあと曲が進んで、“philia”が終わったあと小林くんが、

「さっきそのへんにいた大きな男の子、どこかに行っちゃった?大丈夫かな?

(客を見回し)身体の調子はどうですか?大丈夫?暑い?

・・・“暑い!”って言われても、僕も暑いよって言うだけだけどね。」(笑)


「あ、僕には魔法が使えるんだよ!

(右手人差し指を掲げて)エアコンを!」(笑)


そしたら後ろからさーっと涼しい風が吹いてきた。


「ほらね。」


おおっ!みんなで拍手!(笑)


「こんな涼しいときにぴったりの曲やります。」


“mer”


続いて“ウユニの恋人”


ケンゴさんのギター、素敵だった!

近くで見れて、ますますそう思ったよ。



●「僕らノベンバーズは最初、僕と高松くんで19歳のころバンド組んで、2週間で10曲作ってライブやって、4曲入りデモ音源作りました。

そのころの曲をやります。」


“天井と管”


ベースが、ベースがっ!!

子宮に響く感じでした(はは)


デモ音源聴いてみたいなあ。廃盤になっちゃってるもんね。


その次の曲、大阪でもやって(新曲?)って書いたけど、話の流れからいくと、19歳当時の曲かも。




●後半は終わりに向けて攻めのセットリスト。


“she lab luck”

ライブで聴いてから、すごく気に入っている。1st ミニアルバムの中の曲。


●後半の小林くんんのMCは、考え、考えながらぽつりぽつりと言葉にする感じで。


どこで言われたか忘れちゃったけど、


「誰かと共有しなくていいんです。自分とふたりきりになったとき、辻褄が合うように、お互い生きていきたいですね。」


と。

なんか、ずしんと心に響いた。


「自分とふたりきりになる」って凄い言葉だ。



“dysphoria”


周りのひとの迷惑を考えず踊り倒した。


そして“こわれる”のイントロ。


ぶわーって盛り上がって・・・・あれ?音が止まった?


誰かがトチった?一番盛り上がるとこなのに。ふう。


「ここでディスコミュニケーションが起こってますね(笑)

こういうときはふうじゃないよ、『死ね』『金返せ!』って言うんだよ(笑)

『死ね』って言ってもらっても全然構いませんよ。僕らもいつかは死ぬわけだし・・・みなさんもいつかは死にますし、『死ね』って言われたらちょっと傷つくかもしれませんけどいいですよ。言われてもみなさん死ねっていいますから。」(笑)



仕切りなおして“こわれる”


そのあとの“白痴”


間奏でケンゴさん、柵に足をかけて、最前列のお客さんにギターを押し付けるようにして弾いていた。

ああ、うらやましい。。。



●アンコール。


1回目のアンコールでの小林くんのMC、キーワードは漫画『美味しんぼ


「お客さんがたくさん入ってくれることは、尊いことだと思います。」

お客さんから時々プレゼントをいただくことがあって、先日『十倍ダシ』をいただいて・・・

ここから『美味しんぼ』の説明へ。(詳細は略 笑)


ジョジョの奇妙な冒険』と、『美味しんぼ』から、僕は人生を学びました。

そして、この漫画に出てくる、魯山人海原雄山が、人生の師だと。

「心についた贅肉が、ひとをダメにする」という、海原雄山の名言も紹介してくれました。


今『美味しんぼ』は109(105?)巻まで出てて、今までの表紙は鯛だとかの食材だったのに、105巻は牛なんです。とうとうそこまでいっちゃったか、って。


大阪ではお客さんに今何の曲聴いてますかって話をしたけど、名古屋では・・・美味しんぼの話しかないなあ(笑)


小林「このままだとアンコールの曲に入れない、美味しんぼの話をしていたいから(笑)

(高松くんに)何か、新曲に入れるような言葉言ってよ。」


高松「・・・・」


小林「美しい話とか・・・砂漠が美しいのは、そこに井戸があるからだ!とか・・・今言っちゃったか。」(笑)


いやあ、アンコールは曲をやらずに、美味しんぼ談義で終わるかと思ったよ(笑)

そして、大阪でもやった新曲を。



「大阪では仮タイトルを“カエラ”ってつけたけど、ここでは・・・“サトル”で。」(笑)


そしてもう1曲は“ガムシロップ”




●Wアンコール。


「楽屋に引き上げていくとき、砂漠(砂丘?)が見えました。

さっき新曲のタイトルを“サトル”なんていい加減につけて、よくなかったな、と。

それで、砂漠が見えたので・・・“アノメノ”としましょう。

名古屋でつけたってことで。」



・・・小林くんの頭の中を覗いてみたい。



「終わったら、家に帰ってみんないい暮らしを・・・していきましょう。」


・・・・・


「まるであの曲をやるかのようなMCでしたが、その曲はやりません!」


えー?違うの?


ざわざわしている客を見て小林くん、自分のMCがおかしくなってしまったみたいで、しばらくクスクスとマイクの前でマジ笑い。


つられて客も笑って。あんなに声出して笑う小林くん、初めて見た!



「じゃあ・・・2曲やってもいいですか?」


うわ〜!!


“最近あなたの暮らしはどう”


ノドの調子が悪くて薬を飲みながら歌った、前回5月の大阪ワンマンを思い出す。



「また名古屋に必ず来るので・・・それまでお互いに元気で!」


“ア_-オ”


小林くんの表情がとても穏やかできれいだった。


高松くんも時々笑顔を浮かべて、小林くんに優しい視線を送っていた。


ドラムの吉木くんは残念ながら見えなかったけど、

ケンゴさんとアイコンタクトする小林くんは、ときにどう猛な、ときに信頼のこもった穏やかな目をしていた。


いいバンドだなあ。



最後に退場する小林くんが、きちんとお辞儀して、手を振ってくれた。


彼らの曲の詞は、ときにどきっとするような言葉がちりばめられているが、小林くんが歌うとなぜかみんな美しいんだよな。


不思議だ。



大きなスピーカーの前にいたけど、幸い耳も無事で、目もきちんと働いてくれて、音楽を観ることができた。


美しいライブだった。

また元気でお会いしましょう!