星と石ころ日記

神戸在住。風の吹くまま気の向くまま。

 再び呼吸をするときは キミと一緒に


年齢とか、


性別とか、


職業とか、


立場とか、


そんなものに関係なく、ひととして尊敬できるひとに出会えたら、自分の人生まで豊かになれるような気がする。



ある患者さんの、理不尽と言っていいような訴えを、うなずきながら一時間以上聴いていたS先生。


話し終えたらすっきりしたのか患者さんは、笑顔で病室に戻って行かれた。



以前にも不穏になって幻覚が見える患者さんがいて、

「ほら、そこに犬のメリーがおるやろ!連れて帰って餌やらな。家に帰る!」

と、点滴やチューブだらけの身体で家に帰れない状態なのに、ひとりで着替えて帰ろうとして興奮されていた。

S先生がそばにいってその患者さんの話を聴いているうちに、落ち着いてこられた。


あとでその先生に、

「先生、さっきあのひとになんて言ったの?魔法みたいやったわ」

と聞くと、

「ん?ああ…メリーちゃんは僕が預かったよ。餌もあげとくね、って言っただけ」




今日、その先生に、

「先生はいつもいろんなひとの話をじっくり聴いてあげててえらいな!」

と言ったら、

「僕なあ、よく患者さんから怒られるんや。救急外来とかで初めて会ったひとにも」

「でも、大声で怒ってるひとはな、悲鳴をあげとるんや。“助けてくれ!”って。そう思って聴いてる」


・・・・・


「うわっ、今ちょっと感動したわ〜(笑)」


そんなふうに茶化さないと、泣きそうだった。


わたしよりずっと若いS先生だけど、いつも教えられてばかり。


見習おう。


まだまだいっぱいやることあるな。老け込んでなんかいられない。




タイトル曲:メーデーBUMP OF CHICKEN